土地活用の業者・情報コラムコラム

一括借上げ(サブリース)の仕組みを徹底解説

2021.02.26

「一括借り上げ(サブリース)って何?」
「一括借り上げ(サブリース)のリスクは?」

賃貸住宅経営を始めようとすると、一括借り上げ(サブリース)という言葉がよく耳に聞こえてきませんか?

一括借り上げ(サブリース)は不動産会社から不動産オーナーに勧められるケースが多いです。

しかし、一括借り上げ(サブリース)では利益となる面もあるものの、無視できないような不利益も存在します。

そこで、今回の記事では、一括借り上げ(サブリース)で思わぬ不利益を被らないように、その仕組みを詳しく解説していきます。

メリット・デメリットも併せて解説していくので、是非最後までご覧ください。

一括借上げ(サブリース)とは?

メリットやデメリットの詳しい話題に触れていく前に、まずは一括借上げ(サブリース)の基本的な特徴と、仕組みについて見ていきましょう。

一括借り上げとサブリースという言葉が一緒に扱われている理由や、普通の管理委託との相違点を知れば、一括借り上げ(サブリース)の基本を押さえられます。

一括借り上げとサブリースの厳密な意味は異なる

初めに一括借り上げとサブリースは厳密な意味では異なることを覚えておきましょう。

ただし、仕組みとしては大きな違いがないため、一括借り上げとサブリースを一緒に扱う業者も多いです。

そのため、一括借り上げとサブリースの違いを紹介した後、一括借り上げ(サブリース)という表現を基本的には使用していきます。

まずは一括借り上げ自体の意味から見ていきましょう。

一括借り上げとは

一括借り上げは、オーナーから不動産会社が物件を借り上げる賃貸借契約を結ぶ行為で、マスターリースと呼ばれる場合もあります。

手数料を支払うことで、会社側がオーナーに代わって入居者の募集し、アパートやマンションなどの不動産を転貸借します。

また、借り上げには賃料保証型(空室保証)とパススルー型の二つの種類があります。

前者はオーナーに支払われる報酬が少ない代わりに貸した部屋が空室であっても報酬が保証され、後者は空室分の報酬は支払われない代わりに回収された家賃の中から支払われる報酬の割合が高く設定される形態です。

契約関係としては、不動産オーナーと不動産会社の間で結ばれる契約だと覚えておきましょう。

サブリースとは

一括借り上げが不動産の所有者と不動産会社の間で結ばれる賃貸借契約ならば、こちらは入居者と会社の間で結ばれる契約です。

いわゆる「また貸し」と呼ばれる行為であり、事前に借り上げの契約を済ませておく必要があります。

そして、不動産の管理業務を会社にほとんど完全に丸投げする形をとります。

依頼するまでの一連の流れの中に借り上げが含まれているため、一括借り上げとひとまとめにして扱われることが多いのです。

管理委託との相違点

一括借り上げ(サブリース)を概要を理解していく上で重要なのは、管理委託方式の経営との違いを理解しておく点です。

管理委託による経営は、賃貸借契約をオーナー自身が入居者と締結し、募集業務や管理業務を業者に任せる方法です。

一括借り上げ(サブリース)の特徴を理解するためにも管理委託との相違点を押さえていきましょう。

オーナーが賃貸借契約を結ぶ必要がない

最も大きな違いは、オーナーがわざわざ入居者と賃貸借契約を結ぶ必要が無いという点です。

入居者との契約業務も含めて管理業者に任せてしまうため、住宅の持ち主が働く手間はほとんどありません。

入居者からの家賃回収や隣人トラブルなどの管理業務をしてもらえるのは管理委託と同じですが、入居者と不動産オーナーが直接賃貸借契約を結ぶ点が大きく異なるのです。

手数料が大きい

一括借り上げ(サブリース)を利用する側としては悩ましい点ですが管理委託よりも管理業者に支払う手数料は割高になります。

管理委託であれば手数料は総家賃の3%から10%の間、一括借り上げ(サブリース)の場合は10%から20%が相場です。

管理業者に任せる業務範囲が広がれば広がるほど価格は高くなっていくので、募集業務や入居者との契約業務までも任せる一括借り上げ(サブリース)の方が相場は高くなります。

家賃保証付き

先ほども少し触れましたが、一括借り上げ(サブリース)には賃料保証型(空室保証)とパススルー型という二種類の方式があります。

管理委託では不動産会社に契約業務までは任せません。そのため、会社側が部屋の空室問題に責任を持たず、家賃保証はないのです。

しかし、賃料保証型(空室保証)の一括借り上げ(サブリース)を選択すれば、会社に貸した部屋分の報酬は約束されます。

ただし、回収された家賃の内オーナーに支払われる報酬は少なくなる点は覚えておきましょう。

契約期間が長期にわたる

契約期間が長いのも一括借り上げ(サブリース)の特徴です。

管理委託での契約は一年から長くても二年ほどですが、一括借り上げ(サブリース)では二年程度から長くて三十年程度まで契約期間が用意されているケースが多く見られます。

契約更新の頻度が少なくて済むのが一括借り上げ(サブリース)を利用する良さでもありますが、長期間の間は契約を簡単に変更出来ない側面がある点は覚えておきましょう。

一括借り上げ(サブリース)のメリット・デメリットは?

一括借り上げ(サブリース)の大まかな特徴を押さえた上で、次はいよいよ具体的なメリットとデメリットを紹介していきます。

一括借り上げ(サブリース)のメリット

収入が保証される

空室保証付きの一括借り上げ(サブリース)を選択すれば、アパート経営による収入が安定する点がまずはメリットとして挙げられるでしょう。

空室が出た場合でも毎月一定額の賃料が保証されているので、年間で上げられる利益が非常に計算しやすいです。

通常のアパート経営では退去者が出たり入居者が集まらない問題で、年間の利益が想定よりも下がってしまうパターンも存在してしまうので、一定額の収入が保証されているのはオーナーにとって明確なメリットとなります。

ただし、近年増えてきているパススルー型の一括借り上げ(サブリース)においては、回収賃料の内から高い割合で報酬が支払われるものの空室時の賃料は支払われない点は覚えておきましょう。

空室保証型とパススルー型の一括借り上げ(サブリース)を一緒にしてはいけません。

経営の手間がかからない

アパート経営を本業の片手間、つまり副業として行っていきたい場合にはアパート経営に掛けられる時間はそう多くはありませんよね。

一括借り上げ(サブリース)では、通常の管理委託と同様に家賃回収などのアパート・マンションといった賃貸物件の管理人としての仕事を代行してもらうことが可能です。

その上で、アパート経営の収支を大きく左右する入居者の募集や契約時の手続きといった業務も委任可能なので、オーナーがアパート経営に労力を掛ける必要がほぼありません。

住民トラブルへの対応を委任できる

オーナーにとって時間や精神的な負担を大きく掛ける住民トラブルへの対応も同時に任せられます。

鍵の紛失や設備の不備などの緊急対応、隣室からの騒音被害などのクレーム対応はオーナーが気を付けていても零にはさせられません。

設備のメンテナンスや定期点検といった重要な業務も任せられる点は嬉しい点ですね。

確定申告も任せられる

アパート経営者は確定申告のために、必要経費の計上や収入の計算、申告する不動産所得の確定など数字を扱う場面が非常に多くなります。

しかし、一括借り上げ(サブリース)を利用している場合、利用している会社側から諸々の計算の明細を渡してもらえるので、いちいち自分で数字を管理する必要がありません。

以上のように、一括借り上げ(サブリース)ではオーナー側が面倒な業務に掛ける時間や手間を大きく削減可能です。

一括借り上げ(サブリース)のデメリット

次にデメリットについて見ていきましょう。

オーナーの経営負担を大きく減らす一括借り上げ(サブリース)ですが、必ずしも良い点だけとは限りません。

管理料が高く収益性が下がる

第一の欠点として、管理料が高い点が上げられます。

通常の管理委託が高くても総家賃の10%ほどで済むのに対して、一括借り上げ(サブリース)では最大で20%近くまで管理料が掛かる場合があるのです。

その上、契約期間も数十年と長めに設定されていることも多いので、高めの管理手数料を長期間払い続けなければなりません。

多くの業務を委任する以上、その報酬は安くはありません。管理料の高さが経営を圧迫したり収益性を下げる可能性があることも理解しておきましょう。

自力で部屋の入居率を高く保てるのであれば、そちらの方が間違いなく大きな収益を上げられます。

全ての不動産が借り上げてもらえるわけではない

不動産業者側もしっかりと採算を取るために、リスクの大きい物件については空室保証型の一括借り上げ(サブリース)を拒否される可能性があります。

築年数が長く経った中古物件ともなれば、入居需要が相当ある不動産でないと会社側も借り上げてはくれません。

一方、空室分の家賃保証がないパススルー型の一括借り上げ(サブリース)であれば、例え築年数が相当経っていても借り上げてもらえます。

人が集まらない不動産を借り上げてもらい空室保証で収益を得るといった手段は通じません。

一括借り上げ(サブリース)は一定の収益を安定して得つつ経営業務の労力を削減したいオーナー向きの手法であり、物件の価値以上の収益を得たい方には向かないのです。

経営方針をオーナーが決められない場合がある

経営業務を不動産会社に大きく委任する一括借り上げ(サブリース)では、会社も出来るだけ空室を減らして入居者を集めようとします。

もちろん、会社側もオーナーに大きく不利益となるような入居者の選定は行いませんが、空室率を改善するための家賃の値下げやそれに伴う報酬の削減などをオーナーに持ちかけてくる可能性があります。

当初の契約内容で定められた会社側から支払われる報酬をもとに、年間の収支計画を立てるのが基本となるので、会社側からの経営交渉を受ける度に収支計画を見直さなければいけません。

アパート経営を自分で取り仕切りたい場合も一括借り上げ(サブリース)はあまりおすすめとは言えないのです。

一括借り上げ(サブリース)の流れについて

実際に一括借り上げ(サブリース)を始めようと考えている場合、一体どのように手続きを進めていけば良いのでしょうか?この項目ではその流れを解説していきます。

物件調査と査定

不動産業者へ相談しに行くと、まずは物件の情報が調査されて査定が行われます。査定によって、どのような契約内容を結ぶのか、家賃はいくらに設定するのか等の検討が行われるのです。

中古物件であれば、査定時にリフォームなどの改装工事を一括借り上げ(サブリース)の条件として提示される場合もあります。

相談先の業者によって経営や管理の方法は異なるので、オーナー自身が納得できる方針を掲げている不動産会社を選択すると良いでしょう。

契約内容の確認

次に行うのは業者との契約締結です。

会社によっては転貸借契約契約と呼ぶこともあるでしょう。

長い場合は数十年の間持続する契約を結ぶので、不備のないように必ず綿密な確認を行う必要があります。

入居者の募集

契約を締結した後は、オーナーが直接アパート経営に関わる作業は無くなり、不動産会社側が仕事をする段階に入ります。

契約内容にもよりますが、大半の場合は募集業務だけでなく借主との契約業務、入退去の手続きまでほとんどの業務を委任することになります。

不動産業者が契約通りの管理をしていない場合には、契約違反として別の業者への切り替えも可能なので、委任しているといっても管理業者の仕事ぶりのチェックは定期的に行いましょう。

業者に完全に任せきりにしてはいけません。

手数料を支払う

集金された家賃から業者への手数料を支払います。

これがオーナーに支払われる報酬です。

一括借り上げ(サブリース)の手数料は総家賃の10%~20%と高めの割合となっています。

一括借上げ(サブリース)の注意点は?

最後の項目では、一括借り上げ(サブリース)で起こり得るアパート経営の失敗などのリスク面に関わる内容を紹介していきます。

アパート経営を委任するといっても、物件のオーナーである自分自身も経営者である自覚を忘れてはいけません。

メリットとデメリット、そしてリスクを踏まえた上で一括借り上げ(サブリース)に臨みましょう。

業者の倒産リスク

管理を任せている業者が倒産してしまった場合に、多くのトラブルが発生する可能性があります。

一般的には、管理会社が入居者と直接締結した賃貸借系の内容や預かった敷金などはオーナーに引き継がれます。

しかし、業者側が倒産手続きを適切に行わなかった場合には、これらの情報が引き継がれない恐れがあります。

依頼する会社選びの際には、倒産時の対応の万全性も含めて考慮しておくのが無難と言えるでしょう。

現状、どれだけ安定している企業であっても、契約期間が非常に長期に渡るので倒産の憂き目に遭ってしまう危険はあります。

口座のトラブルが起きてしまった際には、解決するまで入金がストップしてしまうこともあるので、必ず信頼出来る不動産会社を選びましょう。

総収入の減少

契約期間が数十年単位となる一括借り上げ(サブリース)ですが、数年ごとに家賃や管理方法の見直しが行われる旨が契約内容に盛り込まれているのが基本です。

物件の周辺状況や設備の劣化によって、新築時に設定していた家賃を引き下げられるケースも珍しくはありません。

オーナーへの報酬は総家賃を基準にして支払われるので、家賃が下がると部屋が埋まっていても報酬の額は減ってしまう可能性があります。

たとえ、二十年の長期契約を結んだとしても、当初決められた報酬の額が二十間続くわけではないのです。

ローン返済計画に遅れが生じる可能性がある

報酬の減額される可能性が否定できないため、ローンを借りていた場合、新築当初の報酬額で返済計画を建てていると計画に遅れが生じる危険もあります。

家賃の見直し毎に,返済計画を修正する必要があるので、契約の見直しがどれくらいの期間で行われるのかは、契約時にしっかりと確認しておきましょう。

途中解約の可能性もある

家賃の見直しといった不動産会社からの提案を断った場合には、一括借り上げ(サブリース)契約を途中解約される可能性も存在します。

会社側としても利益を得られない物件を管理していくことは極力避けたいと考えているので、家賃を下げてでも空室を埋めようと動きます。

家賃を下げたくないオーナーと家賃を下げたい会社側で賃料交渉が合意に至らなかった場合に、契約の途中解約が発生してしまうのです。

途中解約の契約内容は、初めの契約時に取り決められているのが基本なのでしっかりとチェックを行っておきましょう。

まとめ

今回の記事では一括借り上げ(サブリース)について解説していきました。

管理や経営に掛かる手間がかなり省けるものの、手数料によって収益性が下がったり、家賃の改定によって収入が減少してしまうデメリットも存在します。

長所と短所をはかりにかけた上で、一括借り上げ(サブリース)を依頼するようにしましょう。

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