土地活用の業者・情報コラムコラム

グロス利回りとは?ネット利回り・NOIのとの違い

2021.05.31


「物件投資のグロス利回りって何?」
「グロス利回りとネット利回りの違いって?」
「利回りを考える上での注意点は?」

こんな疑問やお悩みありませんか?

不動産投資を行う上で重要な指標となる利回りですが、グロス利回りやネット利回りといった複数の種類が存在するため、一体どれを参考にすべきか悩んでしまう方も多いですよね。

そこで、今回の記事では、不動産投資における利回りについて紹介していきます。

グロス利回りを見る際の注意点についても併せて紹介していくので、是非最後までご覧ください。

グロス利回りとは

物件から一年を通して得られる家賃収入を投資費用で割って算出された年間の収益の割合をグロス利回りと呼びます。

数式に表すと以下の通りです。

グロス利回り=年間の家賃収入÷不動産価格×100

ちなみに、グロス(gross)には「全体の」という意味が含まれており、計算に用いられる家賃収入は、建物の部屋全部が埋まった入居率100%の状態を想定して計算されます。

そのため、家賃が5万円で10部屋中5部屋しか埋まっていない建物であっても、家賃収入は25万円ではなく50万円として計算に用いられるので、計算上の数字は現実よりも高くなってしまいます。

この収益の割合は「表面利回り」と呼ばれることもあるように、物件の部屋全体が埋まった理想状態の場合のリターンだという点をまずは覚えておきましょう。

ネット利回りとは

一方でネット利回りはより現実に即した数字で、計算式は以下の通りです。

ネット利回り=(年間の家賃収入ー年間の必要経費)÷不動産価格×100

不動産投資を行う場合の出費は不動産費用だけに留まりません。

建物の管理費用から、保険費用、各種税金などの必要経費が必ず必要となります。

それらの経費を考慮していないグロス利回りと比べて、ネット利回りでは収入から経費分が差し引かれているのでより現実に即した数字が算出されています。

ただし、実質利回りと呼ばれることもあるネット利回りであっても、家賃収入に関しては入居率100%を想定して計算されている点には注意が必要です。

NOI(想定利回り)とは

NOIは空室リスクも考慮した利回りで、計算式は以下の通りです。

NOI(想定利回り)=
{年間家賃収入(満室)×(1-空室率)-年間の維持管理費用)}÷(不動産の購入価格+不動産の購入にかかる諸経費)×100

計算式は複雑になりますが、不動産投資で上げられる純粋に近い収入の割合を見たいのであれば、NOIを見なければいけません。

グロス利回りとネット利回りの違い

様々な収益の数字について理解したところで、次は物件投資で特に利用されているグロス利回りとネット利回りの違いを深掘りしていきましょう。

物件を実例にとって試算してみよう

今回の解説では、物件の例を使いながらシミュレーション形式で説明を行っていきます。

計算に利用する建物の基本設定は以下の通りです。

  • 物件価格:900万円
  • 満室時年間家賃:90万円

先ほど紹介した計算式を用いれば、この時点でグロス利回りは計算することが可能です。

 グロス利回り
 =年間の家賃収入÷不動産価格×100
 =90万円÷900万円×100
 =10%

この物件の年間の収益率は10%と導けます。

①家賃修正を行う

物件価格と満室時の家賃に加えて、年間の必要経費を加えればネット利回りを計算できると述べましたが、ここで注意が必要となります。

というのも、建物のオーナーの切り替わりに応じて入居者の入れ替わりが発生した場合、次の入居者を集めるための家賃の価格設定が下がるのが基本だからです。

そのため、家賃を相場に合わせて下方修正しなければいけません。

今回の建物に関しては、家賃(満室時)を88万円として試算を進めていきます。

②ランニングコスト想定する

必要経費、つまり経営に掛かるランニングコストも考慮しなければいけません。

建物を維持管理していく際に必要となる費用としては、固定資産税や都市計画税、保険料など様々な要素がありますが、基本的には満室時家賃の20~30%程度に収まります。

今回は中間の25%を利用して、ランニングコストを算出します。

 88万円×0.25=22万円

これで、ネット利回りの試算に用いる1年の間のランニングコストを導けました。

③実際にネット利回りを計算してみる

改めて情報をまとめましょう。

  • 物件価格:900万円
  • 満室時年間家賃:90万円
  • 満室時年間家賃(修正後):88万円
  • 年間の必要経費:22万円

上記の情報を基にしてネット利回りを計算してみます。

 ネット利回り
 =(年間の家賃収入ー年間の必要経費)÷不動産価格×100
 =(88万円ー22万円)÷900×100
 =7.3%

年間のリターン試算が出来ました。

投資額900万円に対する、グロス利回りは10%で金額に換算すると年90万円、一方でネット利回りは7.3%で年65.7万円のリターンと、おおよそ25万円近くの違いが出てきました。

長期的な経営となりやすい不動産投資では数十万円の違いでも、年数が経つ毎に大きな差となってしまいます。

中古と新築で両者に違いがでるのはなぜ?

また、中古と新築では投資に対する収益の割合に差がでる点にも注意しておきましょう。

基本的には新築よりも中古の物件の数字が高くなります。

中古物件の価格は新築よりも数段安くなっているため、比較的投資費用が安価で済むからです。

ただし、入居需要という面では中古よりも新築物件の方が需要が大きいため、利回りが高いからといって中古物件投資を始めると入居者集めに苦労してしまう可能性が高いです。

グロス利回りの平均値について

自分で実際に数字を考えるとなると、比較の対象がなければ相場よりも良いか悪いかの判断が出来ません。

そこで、この項目では物件の種類毎のおおよその平均値を紹介していきます。

ぜひ、物件選びの参考にしてください。

①ワンルーム

ワンルームの平均的な数値は約4%~5%と言われています。

ワンルームは主な生活空間であるキッチンとリビングに部屋の仕切りがないのが特徴で、一つの部屋に多くの機能が集約した形態の部屋です。

家賃も比較的安価なため、一人暮らしの学生や単身赴任のサラリーマンに人気の建物となっています。

中には10%を越える数値を示す物件もあったりしますが、入居需要のない郊外や田舎の物件である可能性が高いので、特にグロス利回りが信用できない点には注意しましょう。

②アパート

次は通常のアパート物件です。

新築のアパート物件であれば5~7%と、ワンルームよりは少し高めの数字が平均値となっています。

また、中古のアパート物件であれば数値の平均は5~8%ですが、物件によっては10%を越える物件も少なくはありません。

ただし、中古アパート物件は維持費がかさみやすいため、新築に比べてグロス利回りとネット利回りの差は大きく開きやすい点には気を付けて下さい。

③戸建て物件

戸建て投資の平均的な数字は8%前後だと言われています。

戸建て投資はファミリー層に需要が高く、家賃相場も高くなるため数字が高くなりやすいです。

戸建てという特性上、一物件あたりの入居率は0%か100%のどちらかでしかなく、数字が高くなりやすいといっても、入居者の転居によって一時的に収入が0になる危険もあります。

グロス利回りに注意!なぜ高いかを考えよう

シミュレーションを通してグロス利回りがネット利回りよりも高く算出されることが分かりました。

最後の項目では、数字が高く計算できるグロス利回りの注意点を紹介します。

不動産会社はグロス利回りで語ってくる

まず一つ目の注意点として、不動産投資の際に利用する不動産会社が提示してくる表記上の数が、基本的にグロス利回りであるという点が挙げられます。

しかし、この数値はあくまでも経営が理想状態の年にのみ達成可能な数値でしかありません。

その上、経費が考慮されていないので入居率100%を達成したとしても、現実には想定していた年間収益が得られないのです。

会社側があなたに不動産投資をさせようと、数字を盛りやすいグロス利回りを提示してくる点に注意しましょう。

利回りの意味を考えよう

冒頭で説明したように、不動産投資の収入に関わる数値といっても様々な種類があります。

中でも代表的なのがグロス利回りやネット利回り、そしてNOI(想定利回り)です。

そして、大切なのは物件を探す中で表示されている数字が一体どの収入の割合を指すのか、その内実をしっかりと把握しておくことです。

一見して収益が良い物件を見つけたとしても、一体どのような意味を持つ数字なのか一歩踏みとどまってしっかりと調べるようにしてください。

中古物件のグロス利回りは魅了!でも出口戦略を見据えること

中古物件は初期投資が安い分、投資に対する収入の割合は高くなりがちです。

しかし、繰り返しになりますが中古物件は新築物件に比べて、入居者が集めにくい傾向にあり、経営が上手く行かなくなってしまう可能性も否定できません。

状況次第では物件を売却によって、損切りや売却益を狙った出口戦略も考慮すべきです。

物件の売却や損切りは事前に準備をしておかないと難航しがちなので、出口戦略に関しては出来るだけ投資を始める前の段階から考えておきましょう。

まとめ

今回の記事ではグロス利回りを中心に不動産投資における収入の割合に関わる数値を解説してきました。

繰り返し申しますが、グロス利回りでは物件の維持費用や入居率を考慮した収入の割合は想定されていないため、グロス利回りが高いからといって安直に手を出すのはあまり推奨された投資ではありません。

物件の利回りを見る際には、必ずネット利回りやNOI(想定利回り)といったより現実的な数字にも目を向けるようにしてください。

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