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サブリース契約とは|意外な盲点とリスクやトラブルを回避する方法

2020.07.17

サブリース契約と聞くと多くの方が、かぼちゃの馬車やレオパレスといったネガティブなワードを連想することでしょう。でも、サブリース契約は正しく備えれば、オーナー側のリスクヘッジになる点もあるのはご存知ですか?

ただし、誤解しながらサブリース契約を結ぶとリスクの増大やトラブルの元となるのも事実です。

そこで、今回の記事では、サブリース契約の詳細を実際の事件にふれながら解説していきます。この記事を読むと、サブリース契約の全貌が明らかになるので、ぜひ最後までご覧ください。

サブリース契約とは

サブリース契約とはどういった契約形態を指すのでしょうか。

結論から言うと、不動産管理会社が大家の所有する賃貸物件を一括で借り上げて、毎月一定の賃料を一定期間保証する契約をサブリース契約といいます。

大家側からすると何の苦労もせずに賃料が毎月入ってくるという夢のような話ですが、実際にはそうではありません。サブリース契約について深堀しつつ、そのメリットデメリットをここでは解説していきます。

不動産の管理種別について

サブリース契約は先ほども述べたように、不動産管理と入居者募集を不動産管理会社に一任する契約形態です。その他にも、不動産の管理維持だけを委託する管理委託や大家側がすべての責任を一括して負う自己管理という大まかに分けて3つの管理種別が存在しています。

大家の責任が重くなる度に、賃貸不動産から得られる収益は大きくなっていきますが、その分自らの労働力を使うため、負担も増大していきます。昨今では不動産管理会社に任せられるところは任せて、負担を軽減する大家が多いのも事実です。

また、遠隔地に不動産を買った場合には、必然的に管理は管理会社への委託となる場合がほとんどですよ。

では、その中でも、不動産管理会社に管理から入居者募集まで全ての責任を負ってもらうサブリース契約にはどういったメリット・デメリットがあるのでしょうか。

サブリース契約のメリット

サブリース契約の最大のメリットは、空室リスクを避けられることです。

不動産の満室想定時利回りを獲得することは不可能ですが、1室空室になったときの収益率の低下よりも、サブリース契約で得られる保証が上回っていたら保険として有効ですよね。

このようにサブリース契約をリスクヘッジとして利用することに最大のメリットがあります。また、入居者の家賃滞納リスクに対応できることも留意しておくとよいでしょう。

サブリース契約のデメリット

一方で、サブリース契約には様々なデメリットもあります。
例えば、サブリース契約だと収益性の低下や入居者を大家側が選べないという点がその最たる例でしょう。

しかしながら、致命的なダメージを受けやすいのが、家賃保証の減額や取り消しです。
後ほど詳しく解説しますが、当初予定されていた保証が切れてしまうと投資用ローンの返済が滞ってしまったり、最悪の場合には借金を背負うはめになってしまいます。この点がトラブルの原因になりサブリース契約は様々な問題を引き起こします。

次の項目では、実際の事例を用いてサブリース契約がどういった問題を引き起こすのか紹介していきます。

サブリース契約のトラブル事例

サブリース契約にはトラブルがつきもので、その中でも家賃保証という言葉に多くの投資家が騙されてしまいます。この項目では、その中でも大きなニュースになったサブリース契約に関わる2つの事件を中心に、サブリース契約の家賃保証にまつわるリスクを解説していきます。

サブリース契約の事例:かぼちゃの馬車事件

スマートデイズ社が建設したシェアハウスを多くの高属性サラリーマンがサブリース契約を結び契約したところ、スマートデイズ社が破綻したことによって家賃保証がなくなり、銀行へのローン返済ができなくなってしまった事件です。

提供する会社が、シェアハウス1戸あたりからでる家賃収入よりも高い家賃保証をつけることで利回りを魅力的に見せ、多くの方の購入を誘うというスキームを構築していました。

しかしながら、このビジネスモデルは結局上手く行かず、会社が自転車操業状態に陥り、家賃保証の減額から会社破産による全額カットに至ってしまったんですね。
TVCMも有名人を起用し銀行からの融資が受けられるといっても、会社自体の財務状況が悪ければ家賃保証は当然のように消えてしまうということが、この事件からわかります。

サブリース契約の事例:レオパレス問題

2020年6月現在、東証一部に上場しているレオパレスですが以前にサブリース契約で問題を引き起こしています。

30年間の一括家賃保証という魅力的な文言を使って地主に営業をかけ、アパートを建築し、その地域一帯にレオパレス製のアパートを乱立させ、家賃の減額交渉を行ったというサブリース契約を代表する事件です。

一部地域では、レオパレス銀座と呼ばれるものができ、営業マンの口車に乗せられローンを組んでも結局は減額によって破産手前まで追い込まれてしまっています。この事件で重要な点は以下の通りです。

1.不動産会社は入金を受ければいいだけ
2.経営の責任を負うのは投資用ローンを組んだ地主側
3.それを見越してサブリース契約を結び契約を迫ってくるところもある

不動産会社は結局のところ、不動産が売れれば利益を出すことができ、ランニングコストを支払っていかなければいけないのは建設した地主側という観点を忘れてはいけません。不動産経営のランニングコストを払い続けるかもしれないという心理的負担を軽くするために、解約前提でサブリース契約を交渉の材料としてくる不動産会社もあることに注意してくださいね。

サブリース契約時に注意するべき点について

ここまでサブリース契約の怖い面について言及してきましたが、実際に契約を結ぶとなったときにどういった点に注意すればリスクを避けられるのでしょうか。

サブリース契約は先ほど紹介したような怖い面もありますが、オーナー側のリスクヘッジを行う契約としても魅力的なことに間違いはありません。そこで、この項目では契約時の注意点について詳しく解説していきます。

設定賃料が適切かどうか

まず第一に、サブリース契約時前に設定賃料が適切かどうかを必ず確認しましょう。

これはかぼちゃの馬車事件のような会社破綻を予測する上でも重要ですし、あまりにも低い家賃保証であった場合には搾取を回避することにつながります。

賃料の目安は周辺地域の同じ構造を持つ賃貸アパートをネットで調べ、家賃の項目を見れば比較的簡単に割り出すことが可能です。

維持費の支払いについて

サブリースにおいては、維持費の支払いではどういった取り決めがあるかを確認しておかないと、突発的な出費でキャッシュが枯渇してしまう可能性もあります。

こういった事態に備えるためには、サブリース契約時にきちんと契約内容を確認し、どこにどれだけ出費がかかるのかを想定しておきましょう。その出費の額が決まったら、収益から天引きして積み立てておくと安全ですよ。

家賃保証の見直し規定について

レオパレス問題のように何十年間の家賃保証がついていたとしても、見直しに関する規定についてはサブリース契約時に必ず確認してください。これはあなたの手元に入ってくるお金を予測することにもつながり、減額されることを見越して備えることもできるからです。

ポイントとしては、まず家賃減額が過去の事例としてあるのかを確認し、次にどれだけの幅で減額されたのかを確認することです。この点において説明がきちんとなされない場合には、信用できない不動産会社として認定してよいでしょう。

賃料の支払いについて

賃料の支払い時期についても必ず確認が必要です。

銀行やノンバンクからの借り入れ返済の日付と賃料の支払い時期を把握しておかないと、ローン延滞を発生させてしまう可能性があります。ローン延滞は一発で信用情報に傷がついてしまうため、必ず避けてくださいね。

解約条件

リスクヘッジのために行ったサブリース契約でも、入居率の向上や一身上の都合により解約することも視野に入ってくる可能性があります。そんなときにすぐに行動に移せるよう、解約条件についても目を通してください。

ここで、様々なケースを聞いておくことも重要で、違約金が発生する場合には、発生しない方法についてもサブリース契約前に入念にリサーチを行ってくださいね。

会社に対する与信調査も大切

繰り返しになりますが、スマートデイズ社のような会社破綻が起こると家賃保証は当然に消えてなくなります。そのため、家賃保証を提供する会社の財務状況を事前に調べておくことが結局のところあなたが経営する賃貸経営に安定をもたらします。

信用調査は帝国データバンクなどから情報を取り寄せることができるので、出費を覚悟しつつ、将来の破綻を回避するためにサブリース契約前にきちんと行ってくださいね。

周辺地域での動静を必ず確認する

最後にレオパレスのサブリース問題からの教訓です。

サブリース契約を提供する母体が財務優良であったとしても、あなたの周りに同じ建物が乱立すれば当然のように入居率は下がります。こうなると家賃減額交渉の材料を会社側に渡してしまうことになるので、サブリース契約する前に、周辺地域に同様の話が行き渡っていないかを確認してください。

ご近所から有名な地主に話をつなげてもらうだけでも、どういった営業マンが出入りしているのか分かるので有効に活用していきましょう。

サブリース契約に関するトラブルを回避する方法は?

最後の項目ではサブリース契約で起こるトラブルを回避する方法について述べていきます。万が一トラブルが起きてしまった場合の相談先にも言及するので是非最後までご覧下さい。

契約内容を隅々まで担当営業に聞くこと

当然のことですが、不動産売買や建設の契約は莫大な金額が動くものであり、サブリース契約前に内容の精査が特に重要です。説明を受けていない文言が存在していないかどうかを必ず確認するようにしてください。

契約書の中身を精査する自信がない場合には、弁護士に依頼することも視野にいれてよいでしょう。

相談窓口について

万が一サブリース契約で問題が起きた場合には、全国賃貸住宅経営者協会連合会などの相談窓口に問い合わせを行うと良いでしょう。消費者庁が相談窓口についての一覧を設置しているため、ここからあなたが抱える問題に明確に答えられるところを探すことがトラブル解決の第一歩です。

信頼できる不動産会社を見つける

不動産市場は流動性が低く、情報も滞りがちな特徴があります。そのため、信頼できる不動産会社を開拓することがオーナーとしての腕の見せ所であり、サブリース契約を結ぶといっても、こういった会社と結びたいものです。

そこで、どういった点に注意すれば信頼できる会社を探すことにつながるのかをここでは解説していきます。

営業担当の言葉に嘘がないかどうか

大前提ですが、営業担当の言葉に嘘がないことです。

嘘とは不利な条件を伝えていなかったり、事前に了解を取るべき説明事項をあえて言わなかったりなどのことを含みます。不動産会社は売ったら終わりというところが多いので、この条件を満たすだけでも至難の技ですよ。

会社の経営基盤がきちんとしているかどうか

あなたがサブリース契約を依頼しようとしている会社の経営基盤が盤石かどうかを確認することも重要です。経営基盤が揺らいでいれば、当然生き残りをかけてしゃにむに不動産を売りつける会社である可能性が高くなるからです。

安定性があるだけでも信用に値できる会社かどうかを判断できますよ。

過去に問題を起こしていないか

レオパレスのサブリース問題が発覚する以前から、レオパレスは度々不祥事を起こしています。企業の体質というものは、中々変えることが難しく、結局のところ2度あることは3度あるんですね。

こういった教訓から、過去に不祥事を起こしたことのある会社かどうかをきちんと確認し、問題がないかどうかをチェックしておきましょう。

サブリース契約をする前の事前準備が肝心

今回の記事では、サブリース契約について詳細に解説してきました。

サブリース契約は一見するとオーナー側にかなりのメリットがある契約ですが、それを餌に契約を勝ち取ろうとする不動産会社が後を立ちません。

サブリース契約のこういった流れに対抗するためには、オーナー自身がサブリース契約について詳しくなり正常な判断を下せるようになる必要がありますよ。最後までご覧頂き誠にありがとうございました。

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※当コラムはあくまで個人的な見解に基づくもので、内容についてはご利用者様自身の責任においてご判断ください。

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