賃貸アパートのちょうどいい築年数って?家賃・耐震性の違いを解説
「どれくらいの築年数のアパートがちょうどいいのか知りたい」
「耐震性って、どれくらいの築年数なら大丈夫なの?」
「新築は高いだろうし、築年数が古すぎるのも心配…」
賃貸物件を探していると、こんな疑問や心配が出てくると思います。
貸主や不動産屋などの仲介人から提示される情報の中には、立地や家賃だけでなく築年数が含まれることも多いです。
しかし、築年数の違い、つまり新築か中古かの情報だけでは、どのような住み心地の違いが生まれてくるのか分かりにくいですよね。
そこで、今回の記事ではアパートの築年数について解説していきます。
新築と築年数が経った建物、両方の視点から見ていくので、ぜひ最後までご覧ください。
賃貸アパートの築年数とは
築年数とはその名の通り、賃貸アパートが完成してからどれだけの年月が経ったかの数字を示します。
そのため、築年数が少なければ少ないほど設備等が新しい賃貸物件であると言えるでしょう。
ちなみに、新築や中古と呼ばれる基準は、実は築年数だけではなく過去に入居者がいたかどうかも含めて左右されます。
築年数が一年から二年程度で、中古とは言えないほとんど新品同然といって良い賃貸物件であっても、過去に入居者が存在すれば築浅物件、築年数が経った物件は築古物件と呼ばれます。
築年数が違うと何が変わるの?
新築と中古物件には非常に様々な違いがあります。
築年数が異なる両者の長所と短所の話に入る前に、まずは大まかな違いを解説します。
家賃
全体的な傾向として築年数が経った建物よりも新築に近い建物になるほど家賃が高くなる傾向があります。
同じような立地で似たような構造の賃貸物件であっても、新築と築年数が数十年に及ぶ古い賃貸物件であれば、当然ながら家賃は違ってきます。
新規入居者募集のために新築物件の家主が家賃を引き下げるキャンペーンを行なうケースもありますが、初めの数カ月限定での家賃値下げが大半で、基本的に家賃は築年数が経った建物の方が安いのが普通です。
耐震性
築年数が古い物件ほど耐震性に難がある可能性が高まります。
一つの基準は築年数を逆算して1981年6月1日以前の物件となるかどうかです。
それ以前の年数の建物は旧耐震基準によって建築されているため、震度換算で5強の揺れに対応出来るように建築されています。
以降の年数の建物は新耐震基準が適用されているため、震度6強から震度7の揺れに対応できるように建築されており、より耐震性の強い造りとなっています。
ただし、建物の構造にも影響される点に注意!
建物の構造によって頑丈さや劣化の進行度が異なるため、築年数だけで物件の丈夫さを判断するのは避けた方が良いです。
木造もしくは軽量鉄骨造で2~3階建ての賃貸住宅を示すアパートと、鉄骨造と鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造で階数に制限のないマンションでは構造上の強靭性が異なり、年数経過による劣化度合いにも違いが出てきます。
木造の賃貸住宅でも築年数から逆算して2000年以降に建てられた物件は、比較的安心できます。
なぜなら、2000年に木造建築の耐震基準に関する法改正が行われ、耐震性が高まる建築の方法が取られるようになったからです。
賃貸物件が木造建築で心配がある場合には、築年数から一度計算してみましょう。
ただし、木造アパートは耐震面における強度はもちろん、防音性などの面でも難点を抱えていることが多く、年数経過による劣化も激しいため注意が必要です。
新築アパートのメリット・デメリット
新築アパートの詳しいメリットとデメリットについて紹介していきます。
新築には古い建物にはない、築年数がほとんど経過していないからこその特徴もありますよ。
メリット①:清潔で綺麗
新築の第一のメリットは使用感のないフレッシュな空間に住める点です。
新築は過去に入居者が存在しないため、誰かが生活した痕跡や傷などの磨耗がありません。
加えて、築年数も経っていないので、日光によって内装が日焼けし変色している心配もないです。
築年数が経った物件であっても、部屋を人が入居する前の状態に戻す原状回復を行ってはいますが、完全に前の入居者の生活の跡を消し去ることは非常に難しいです。
築年数の浅い新築は内装だけでなく外装も清潔で綺麗であり、快適な気分で過ごしやすいのは、プライベートな空間である住居には欠かせない要素となります。
メリット②:設備が整っている
新築アパートの中には、入居者を集めるために様々な設備投資を行い、他の物件との差別化を図っている家主もいます。
そのため、生活に必須な水回りの設備や電気設備、安心に暮らすために必要なオートロックといったセキュリティシステム等の各種設備が、年数が経った古いアパートに比べて充実している場合があるのです。
その分の費用が家賃に反映されるという欠点はありますが、優れた設備による安全で快適な暮らしを求めるのであれば、築年数の経過していない新築物件を選ぶ方が良い選択肢となります。
また、省エネ設備等、設備によっては最新式の方が水道高熱費といった生活コストを下げてくれる可能性もあるので、築年数の古い物件に比べて新築物件の生活費の方が安く済む場合もあります。
メリット③:周囲も新しい入居者ばかり
新築アパートの三つ目のメリットは、周囲が新しく賃貸契約を結んだ入居者たちしかいない点が挙げられます。
新顔ばかりだという環境は、まだコミュニティが出来上がっていないため、比較的交流を始めやすい環境となります。何かしらの人間関係のトラブルによって険悪な雰囲気となっている集団に入っていくのは非常に難しいです。
築年数が数十年に及ぶ年数のアパートはどのような人間関係が成立しているかまったくもって予想が出来ません。
その点、築年数の浅い物件は白紙に近い人間関係なので、既にあるグループの輪に入っていく際に感じるような抵抗感とはほぼ無縁の状態で交流を始められます。
デメリット①:家賃が高め
築年数が浅い新築の建物の難点はなんといっても家賃が高い点にあります。
同じ地域であっても築年数が浅ければ浅いほど家賃は高くなる傾向があり、逆に築年数が古ければ古いほど家賃は安くなる傾向があるのです。
ただし、生活に関わる設備やセキュリティの充実具合によっては築年数が経った古い賃貸でも家賃が高くなる場合があります。
そのため、立地や設備が同条件の物件を比較した時に、築年数による家賃差は明確に現れやすいです。
デメリット②:内見出来ない可能性がある
新築物件の中には工事の途中から、入居者を募集し始める物件もあります。
その場合には、新築の契約時に物件の内見が出来ない可能性が出てきます。
家主や仲介人の不動産会社によっては物件が完成するまでは仮契約で済ませ、完成時に内見をしてから契約出来るケースもあるので、イメージと異なる新築物件を賃貸する心配があるならば、仮契約で済む物件を探したほうが無難です。
「どうしても建築中の物件に入居したい。でも人気が集中していて仮契約が出来ない」といった場合には、新築の作業現場に足を運び外から見える情報や見取り図によって判断を行うしかありません。
中古物件のメリット・デメリット
新築の特徴を理解したところで、築年数が経った築古物件や過去に入居者が居た中古と呼ばれる古い建物にはどんな特徴があるのでしょうか。
こちらの項目では築年数が経過したアパートの特徴を解説します。
メリット①:家賃が安い
一点目のメリットは築年数が浅い賃貸物件よりも家賃が安い点です。
賃貸物件は建物なので年数が経つにつれて劣化が進み、清潔さや設備の新しさといった付加価値が下がっていきます。新規の入居者を集めることが難しくなっていくので、年数が経過したアパートを持つ家主や大家業の管理業者は家賃を下げるわけです。
家賃の差は小さくても毎月、しかも長年払っていくだからこそ、最終的には大きな支出の差に繋がってしまう可能性は高いです。
住居に関してコスパを重視するのであれば新築に比べて築年数が経過したアパートを選ぶメリットが大きくなります。
メリット②:入居先が豊富
入居者が過去にいない新築や築年数が一年から二年程度という条件が付く築浅物件よりも、経過年数や過去の入居者の存在といった制限がない中古や築古物件の方が圧倒的に多いですよね。
そのため、いざ入居先を探そうと考えた時に自分のニーズに適したデザインや設備のある部屋を見つけやすいです。
沢山の候補の中から選べる点で年数の古い賃貸物件は新築よりも有利です。
デメリット①:経年劣化の影響を受けやすい
賃貸物件が経過した年数による劣化の影響を受ける点です。
内装はもちろん、生活に必要な水回りや電気等の設備に関しても年数が経つにつれて老朽化が進み、故障したりする可能性が高くなります。
原状回復がされるとはいえ、古い物件は年数経過による劣化に加えて、過去の入居者の使用の仕方によって更に劣化が進むので、新築のようなフレッシュな空間を味わうのは難しいです。
デメリット②:建物の強度に心配がある場合も
建物の強度に心配が出てくる可能性もあります。
先ほども一度紹介しましたが、築年数を逆算して1981年の6月1日以前の賃貸物件となれば旧耐震基準によって建築されているため、突然の災害に耐えられないかもしれません。
特に、日本は災害といってもおかしくないくらいには、世界的に見ても自然災害が多発する地域です。
築年数の経った物件を賃貸する場合には必ず建築された年を確認しておきましょう。
まとめ
今回の記事では新築アパートと築年数の経った中古アパート、それぞれの特徴を解説してきました。
どちらにも長所と短所があるため絶対に片方の物件の方がオススメだと言い切ることは出来ません。
必ず自分が住居に求める要素と照らし合わせてから、賃貸する物件は選ぶようにしておきましょう。
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※当コラムはあくまで個人的な見解に基づくもので、内容についてはご利用者様自身の責任においてご判断ください。