住宅ローン返済中に賃貸経営はできるのか?
転勤や単身赴任の為に住宅ローンを組んで購入した物件を離れる際、どうせなら賃貸に出すことで不動産収入を得られないか考えたことはありませんか?
この記事では金融機関で借りた住宅ローンが残っていてる住居を賃貸に出すことはできるのか、賃貸に出す場合はローンをどうすればいいのかを解説していきます。
住宅ローンの基礎知識
住宅ローン返済中に賃貸経営はできるのか、という問いに応えるために、まずは金融機関の住宅ローンというものについて理解しておきましょう。
住宅ローンとは、「本人及びその家族」が住む物件を購入ないしは建てる場合に金融機関から借りるお金のことを指します。
その地に住む為に利用するケースであれば、新築や建売はもちろんの事、中古物件やマンション、アパートの購入にも利用が可能ですし、土地の購入に対しても住宅ローンを利用する事が可能です。
住宅ローンには金融機関で固定金利、変動金利と借り入れる際の金利タイプが設定されており、同じ金融機関でもこの金利タイプによって月々の支払額や総支払額に大きな影響が出てきます。
借入の際の金利タイプ
全期間固定金利
全期間固定金利とは言葉の通り、借入期間中の金利が一定に固定されるタイプです。
・返済額が固定なので月々の家計の管理がしやすい
・世の中の金利が上昇していても金利が固定されている
といった特徴があるものの変動金利よりも、住宅ローンの金利が高く設定されています。
固定金利選択型
全期間固定金利とは異なり、金融機関での借入から5年、10年といった一定期間金利が固定されるタイプです。
決められた期間を過ぎたタイミングで再度固定金利で支払をするか、変動金利に切り替えるといった選択ができるのが特徴です。
固定期間は金融機関の商品によって変わり、3年、5年、10年、20年といったスパンで選ぶことができますが、固定金利の期間が長いほど住宅ローンの金利が高く設定されています。
変動金利
金融機関から借りた住宅ローンの金利が1年に2回見直されるために、金利変動の影響によって支払額に増減が出るのが変動金利です。
固定金利よりも金利が安いものの、金利上昇がそのまま月々の支払いに影響を与えるというリスクがあります。
繰上返済について
また住宅ローンは借入額の一部を月々の支払い額とは別に返済する事が可能で、これを繰上返済といいます。
月々の支払い額には上述した金利による利息分も含まれていますが、繰り上げ返済に関しては全て金融機関から借りた住宅購入の元本に充てられる為、住宅ローンの借入額を減らすとともに利息を減らす事で毎月の出資を抑えることもできます。
方法としては以下のパターンがあり、どちらもメリットがありますのでその時の家庭状況に応じて選択する事が可能です。
期間短縮型
呼んで時の通り、繰上返済を行う事で返済期間を短くする方法です。
毎月の支払額は変わりませんが、20年の住宅ローンを15年に短縮する事で、繰上られた5年分の利息が軽減される形です。
返済額軽減型
20年のローンの支払い期間はそのままに、毎月の支払額を下げる方法がこちらです。
期間短縮型の方が利息の軽減という意味では優秀ですが、月々の支払額を下げられる為家計を楽にすることが可能です。
住宅ローンが残っていてもマンションを賃貸に出せるのか?
それでは改めて住宅ローンが残っている住宅を賃貸に出せるのか?という疑問に対してですが、まず大前提として理解しておかなければいけないのは、「金融機関で借りた住宅ローンの残っている住宅は賃貸に出せない」という事です。
そもそも住宅ローンは本人、またその家族が住むための住宅を購入ないしは建てる場合に利用できるローンと金融期間で決められています。
ですので賃貸に出し、自分や家族が住まないとなった場合は利用目的にそぐわなくなってしまうのです。
もし住宅ローン返済中に住宅を賃貸に出したい場合は、金融機関へその旨を申し出て賃貸ローンへの借り換えをする事が必要となってきます。
借入先の金融機関に相談すれば賃貸住宅向けのローンへの切り替えを打診してくれるとは思いますが、金融機関によって金利などの条件が変わってくる場合もありますので注意が必要です。
場合によっては賃貸にするタイミングで別の金融機関に相談をし、金利や条件などの見直しを図った方が安くできる場合もあります。
なお、どちらにしても住宅ローンより賃貸住宅向けローンの方が金利が高い傾向にありますので、手だしが増えてしまう点には注意が必要です。
もしそれを嫌って金融機関に黙って賃貸に出した事が発覚した場合、住宅ローンの契約違反となりローン残額の一括返済を迫られる事も充分にあり得る事です。
そうなった場合、一括返済を行うか別の金融機関に住宅ローンの切替えをお願いする必要がありますが、契約違反を犯しての事ですので借り換えに応じてくれるかは分かりませんし、もし借り換えができたとしても金利等の諸条件も高めに設定されることが想定できます。
住宅ローン返済中に金融機関に黙って賃貸契約を結ぶことは非常にリスクの高い行為であるという事を覚えておきましょう。
賃貸に出せる住宅ローンはあるのか?
住宅ローンをフラット35で組んでいる場合はそのまま賃貸物件として貸し出すことが可能です。
住所変更手続きなど、必要な手続きさえ済ませてしまえば本人や家族が住んでいない間も賃貸ローンへの借り換えを行う必要がありません。
家を購入する際に、転勤などでその場を離れ、住まいを賃貸に出す可能性が予測できるのであれば、初めからフラット35で住宅ローンを組んでおくことも視野に入れたほうがよいでしょう。
住宅ローン控除を受けている場合は、賃貸に出している期間の控除は受けられなくなりますのでその点は注意が必要です。
賃貸を終え改めて家に戻った際に住宅ローン控除の申請期間が残っているのであれば、転出前の届け出や特別控除証明等を税務署に提出しておくことで再度控除を受けられるようになりますので忘れずに行いましょう。
また、民間の金融機関でも転勤や家族の介護など、予測できない事情で一時的に家を離れる場合は住宅ローンを継続したまま賃貸物件として貸し出すことを認めてくれる場合もあります。
「賃貸の間も問題なく住宅ローンの返済が出来ること」等条件が付く場合もありますが、一度借入先の金融機関に相談してみるのも一つの手です。
住宅ローン返済中に賃貸に出すときの注意点
一時的に賃貸に出し、いずれ住居に戻ってくることを想定しているのであれば、賃貸契約の種類や原状回復について借主との間で取り決めを行っておくことが重要です。
敷金や礼金の設定も大切ですが、契約条項はしっかりと決めておかないとトラブルの元になりますので必ずチェックしておきましょう。
普通借家、定期借家の違い
家を賃貸に出す場合、借主との間に賃貸借契約を交わすことになりますが、この契約には
・普通借家
・定期借家
と2種類存在します。
定期借家として賃貸契約した場合は設定した期間がくれば契約は終了となり、更新の手続きなどは不要となります。
ただし、普通借家にして賃貸契約を行った場合は家賃の滞納や近隣住民とのトラブル、契約違反などの正当な立退き理由が無い限り貸主側から更新を拒否することができません。
賃貸に出す期間が決まっている場合に普通借家として賃貸借契約を締結してしまうと、いざ家に戻りたい時に戻れなくなってしまう事態に陥りかねませんので、賃貸契約の種類は確認するようにしましょう。
もし住宅からの立退きをお願いするとなった場合には、立退料の支払いだけでなく新しい物件の紹介など大きな損失と手間が発生する事に注意してください。
原状回復の取り決め
また借主が退去した後は家の原状回復を行う必要が出てきます。
特に長く貸していた場合など、
・どこまでの原状回復を求めるのか
・原状回復にかかる費用の負担割合
・経年劣化の考え方
など予め取り決めを行っていないと、入居者との間でトラブルとなってしまうケースが多く見られます。
賃貸契約を行う前にしっかりと自宅設備の点検を行い、記録として残しておくことで退去時のトラブルを防ぐようにしましょう。
税金対策
もちろんですが、賃貸で得られたお金は収入として計上されます。
賃貸収入以外に本業があるのであれば確定申告が必要になってきますし、税金の支払いなどの義務も生じます。
毎月の住宅ローンの支払いを充填できればよいという考えではなく、かかる税金や住宅のメンテナンス費用なども計算に入れて収支計画を立てておく必要があるでしょう。
でないとせっかく賃貸に出しているのに毎月赤字が膨らんでいく、という状況に陥りかねませんので注意してください。
まとめ
この記事では住宅ローンについてと返済中に賃貸経営はできるのか?に焦点を置いて解説させていただきました。
色々と注意点はありますが結果として
・住宅ローン返済中は賃貸として物件を貸し出すことは金融機関で原則禁止されている
ただし、賃貸ローンへの借り換えや場合によっては金融機関で融通してくれる場合もある、という事でした。
フラット35など、そのままの借り入れで賃貸に出せる住宅ローンも存在しますのでご自身の状況を加味したうえでよく考える必要がありそうですね。
賃貸を見据えている場合は住宅ローンの仕組みをよく理解し、金融機関にも相談の上間違いの無いように住宅の購入手続きを進めましょう。
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※当コラムはあくまで個人的な見解に基づくもので、内容についてはご利用者様自身の責任においてご判断ください。