アパートを新築で建てると価格はいくら?アパート経営のメリットとは
「新築のアパートを建設するメリットって何?」
「何に注意しておけば後悔しなくて済むのか知りたい!」
こんな疑問やお悩みありませんか?
アパート経営は、土地活用の中でも多くのメリットを受けられるため代表的な存在だといわれています。しかし、メリットだけの土地活用が存在するはずもなく、注意しておかなければ大きな損失に繋がります。
そこで、今回の記事では良いところだけでなく注意すべき点も含めて新築でアパートを建てて賃貸経営する場合において解説していきます。建築費などの基礎知識も併せて紹介していきますので、是非最後までご覧ください。
新築と中古だと、アパート経営にどんな差が出るのか?
メリットが多いと呼ばれる土地活用のアパート経営ですが、具体的にはどんなメリットが経営者にもたらされるのでしょうか?初めの項目では、新築アパートを建設する土地活用で得られるメリットについて紹介していきます。
新築でアパートを建てるメリット① 様々な税制優遇を受けられる
アパートを建てると聞くと、賃料収入を目的としていると考える方も多いでしょう。実のところ、アパート建築には賃料収入以外にも節税効果という大きなメリットが存在します。
用途のない土地よりもアパートが建てられた土地のほうが土地に掛かる固定資産税や土地計画税を軽減させることができるのです。
賃料収入を得るための攻めだけではなく、節税を目的とした守りの土地活用にも新築アパート経営は使うことが可能です。
新築でアパートを建てるメリット② キャッシュフローが得られる
もちろん賃料収入によるキャッシュ―フローを得られることも新築アパートを建てる魅力です。
利用しない土地は持っているだけで税金が掛かる厄介な存在ですが、アパートによる収益化を図ることで長期的に利益を生み出す土地になります。税金を払うだけならば、思い切って事業に使おうと考えている方も少なくなく、オーナーを支えるために大家業の代行サービスも日本では充実しています。
そうした背景もあって、キャッシュフローを作るために新築アパート建設が土地活用に選ばれることがあるのです。
新築でアパートを建てるメリット③ 土地活用の代表格であること
税制上の優遇や手堅いキャッシュフローが得られることもあって、新築アパートの建設は土地活用の代表格として捉えられています。その上、事業の中でも銀行から融資を受けやすく、自己資金が少なくても始められやすいのも魅力です。
銀行が融資をしやすい背景には、銀行側が土地や建物を担保として融資を引き受けることで融資の回収不能リスクを減らすことができるといった理由があります。
資金を借りる側が借りやすく、貸す銀行側も回収できないリスクが低く、win-winの関係を新築アパート経営では築くことができるのです。
新築でアパートを建築する際に注意すべき点とは
多くのメリットがある新築アパートを建てる土地活用ですが、気を付けなければいけない点にはどういったものがあるのでしょうか?
ここでは、新築アパートを経営するにあたって注意していくべきポイントについてまとめていきます。
新築アパートの注意点① 空室対策が必須であること
賃料所得によるキャッシュフローを狙う場合、その土地の賃貸需要を満たして空室対策を行うことは絶対にしなければいけません。入居者がいなければ賃料は得られず、投資費用の返済と維持費で支出だけを支払っていくハメになります。
例えば、単身で出稼ぎに来る人が多い土地では、広くて高い部屋よりも、ワンルームでそこそこの値段の部屋を作る方が需要はあります。事業の収益化を図るためにも、その土地の賃貸需要に応じた空室対策は必ず行いましょう。
新築アパートの注意点② できる限り建築費用を安くすること
また、後ほど詳しい手段についてはお伝えしますが建築費はできるかぎり抑えるようにしましょう。新築の物件ともなると、建設に掛かるお金は数千万から数億円の規模になります。
ここで考えなければいけないのは、毎月の返済金額と返済の利子です。
数千万円規模の借金となると、数字が一つずれるごとに、毎月の返済金額が数十万円単位で変わり、支払わなければならない利子も数百万円単位で変化します。毎月の返済金額が高くなればなるほど、黒字化のために必要な毎月の賃料のノルマは上がっていきます。
健全なキャッシュフローを作るためにも、建築費用は安く抑えるようにしていきましょう。
新築アパートの注意点③ 潤沢なキャッシュを蓄えておくこと
銀行からの借り入れによって、自己資金以上の良い土地や建物の建築を狙える新築アパート経営ですが、自由に使えるキャッシュを保持しておくことも重要です。
建物の完成から入居者が集まって収益が黒字化するまでどうしても時間は掛かりますし、建物の管理や維持のためのラーニングコストも支払い続ける必要があります。
将来的に利益が狙える物件であっても、資金がショートしてしまえば差し押さえられてしまうので、そういった事態を避けるためにもラーニングコストを考慮したキャッシュを保有しておくことも大切です。
アパートを新築する際の価格はどう決まるの?
先ほど建築費用を安くするというお話をしましたが、アパートの新築に掛かるお金は一体どのような要素によって決まるのでしょうか?
ここでは、新築費用の決まり方について詳しく解説していきます。
材質による違い
まずは材質による違いが挙げられます。
木造、鉄骨、鉄筋コンクリートの順に安くなっており、1坪あたり、木造であれば50万前後、鉄骨は50~70万あたり、鉄筋は70~100万前後が相場です。
残念ながら材質の面で、建築費を抑えようとするのは避けておいた方が無難です。材質で建築費を安くしようとすると資材の質を下げるより他にはなく、建物そのもののクオリティを大きく下げてしまいます。安物買いの銭失いという言葉がありますが、その言葉通りの事態を引き起こしてしまうので気を付けましょう。
材質・構造によって法定耐用年数が異なってくる
また、材質・構造によって法定耐用年数が変化してくることにも注意が必要です。法定耐用年数とは、税務上の範囲で決められている年数のことを指しています。
10万円以上、1年以上の使用期間のあるアパートのような減価償却資産は一つの年度で計上することができず、法的に決められた年数に分割して計上していくように法律で決められており、その年数が法定耐用年数として設定されています。そして、肝心のアパートの耐用年数は、木造で22年、骨格材の厚み3mm以下の鉄骨造で19年、厚み3mm以上4mm以下で27年、厚み4mm以上で34年、鉄筋コンクリートで47年です。
耐用年数によって何が異なるの?
この法定耐用年数は建物の評価価値が下がりきるまでの期間を元に設定されているので、耐用年数を超えた物件を担保として銀行から融資を受け取ることはできません。
また、耐用年数が長いということは、その年数分、減価償却費として毎年の経費として計上していくことができるので、所得にかかる税金を下げることにも繋がります。
所得税を下げた分だけ、キャッシュフローも黒字化しやすくなるので、収支の計画と相談しながら法定耐用年数にも注意を払っておきましょう。
工事の発注方式による価格の違い
アパート建設には建物費用以外に設計費というものも掛かります。
発注方式は、同一の会社に設計と施工を任せる設計施工一貫方式と、設計と施工を会社別に分けて依頼する設計施工分離方式の2つがあります。設計施工一貫方式の場合は、工事費の1~3%が、設計施工分離方式であれば7~8%が設計費の目安とされているため、総費用を削りたいのであれば設計施工一貫方式を選ぶべきです。
アパートの総費用は高額になりがちなため、数%の違いとはいえ馬鹿にできない金額の差が生まれます。
平米数による価格の違い
材質のところで坪単価あたりの価格について触れましたが、平米数で価格が表記されることもあります。その場合は、1平米=0.3025坪となっているので、改めて坪数に変換して計算しなおしましょう。
坪単価が同じであれば、坪数で計算した時同様に平米数も大きければ大きいほど建築費用は高くつきます。
アパート新築価格の試算について
これまでアパート新築の費用についての概要をまとめてきました。
新築アパートの工事費の目安を知る際には先ほど紹介した材質ごとの坪単価と、建築する物件の延床面積を掛け合わせることで試算することが可能です。
例えば、坪単価53万円の木造で単身者向けの1k×10戸(9坪/戸)のアパートを建築する場合には、53万×90坪で4770万円がアパートの建築費になります。
このように、新築価格の目安を調べたいときには坪単価と坪数をかけ合わせると良いでしょう。
価格に含まれるものには何があるの?
アパート本体の工事費には、建築費以外に設計費を足す必要があります。この本体の工事費が総費用の大半を占めることになりますが、他に付帯工事費というものも総費用の中に含まれます。付帯工事とは基盤補強工事やエクステリア関連工事費、ガス設備など建物に付帯した建築のことを指します。
新築のアパート建築では、建物本体の工事費が全体の70%、この付帯工事費が全体の20%を占めるといわれているので、建築価格を知る目安として覚えておくとよいでしょう。
新築アパート価格に含まれるその他の費用とは
お気づきのように本体工事費用と付帯工事費用を併せても総費用の90%ほどにしかなりません。残りの10%には不動産取得税や印紙税などの税金、司法書士に支払う報酬、火災保険などがあります。
加えて、場合によっては土地の代金や融資の手数料や利子も支払う必要が出てくるでしょう。
アパートの本体価格と付帯工事費用、その他の費用を加えることで、新築アパートの建築に必要な総費用を導くことができます。
アパート新築工事費用の支払い方法は?
アパート新築の工事費用の支払い方は業者によって様々ですが、大抵は「着工」や、屋根や柱の骨組みが出来上がる「上棟」、建物が完成する「竣工」のタイミングでそれぞれ分割して支払う場合が多いです。
場合によっては、着工前に工務店と契約を交わすタイミングでも分割した代金を支払う場合があります。アパートの工期はおよそ「階数+1ヵ月」なので、二階建てのアパートであれば3カ月ほどの短いスパンで代金を支払っていく必要があることにも注意しましょう。
アパート建設完成までの全体の流れを整理してみよう
お金の具体的な話が続きましたが、ここで一旦アパート建設の全体の流れを整理してみましょう。
銀行融資を受ける手順を抜けば、アパート建設はざっくりと以下の流れで進んでいきます。
1.不動産屋やハウスメーカーに土地活用相談を行う
2.設計等のプランを選択する
3.工事の依頼先を決定する
4.業者と請負契約を締結してアパートの着工を始める
5.竣工、アパートの完成
特に大切なのは1~3の流れです。
不動産屋やハウスメーカーには土地活用の専門家が在籍しているため、リップサービスに注意をする必要はありますが、アパートの需要や家賃の相場についての詳しい情報を得ることが可能です。
2や3についても設計・建築のプランや業者によって工事の費用は大きく変わってくるので、支出を減らすためにも複数のパターンで見積もりを出していくことが必要です。アパート建設の大まかな流れでは1~3の前半部分に気を付けましょう。
どれくらいのキャッシュを用意しておけば安心なの?
キャッシュは建物の竣工のタイミングで持っておけば良いわけではありません。
支払い方法の項目でも触れましたが、業者との請負契約の締結時や、工期の中の「着工」「上棟」「竣工」のタイミングそれぞれで分割された工事費用を支払う必要があります。
銀行から「つなぎ融資」といって工事中の支払代金を立て替えてもらうことも可能なので、資金に余裕がなければぜひ利用すべきです。完成した建物の維持費用や、管理人を業者に依頼するのであればその代金も用意しておくことも必要となってくるでしょう。
ちなみに、管理人に支払う毎月の費用は家賃のおよそ5%程度が相場となっています。
新築アパート経営に関する収支の例
次に、気になる新築アパート経営の具体的な収支の例をみていきましょう。
利回りはどのようにして計算するの?
アパート経営を軌道に載せるためには利回りを考えることが最重要となってきます。
利回りを調べる際には、まず建築費の計算を行うことが必要です。
建築費は延床面積×坪単価で計算されるので、ここでは分かりやすいように延床面積100坪、坪単価50万円で建築費用5000万円というキリの良い数字にしておきましょう。
そして、年間の家賃収入は部屋の数(戸数)×月の家賃×12ヵ月で計算することができるので、戸数を10部屋、家賃を5万と想定すると、10戸×5万×12ヵ月で年間家賃収入は600万円と計算できます。
加えて、年間の諸費用が家賃収入のおよそ15%分かかるといわれているので、600万円の15%である90万円を引いた510万円を投資額の5000万で割ると510万÷5000万で10.2%が実質利回りとして算出可能です。キャッシュフローを計算する際には、この実質利回りを利用するとよいでしょう。
元の金額となる建築費用は非常に重要な指標
収支の中でも建築費用は特に重要な指標となります。
その理由について少し深堀してみましょう。
建築費を抑えられれば利回りは上昇する
利回りを計算する際に利用したように、安定した利回りを得る上で建築費は非常に重要な要素となってきます。
例えば建築費用として5000万円の投資で500万円の家賃収入だと利回りは10%、4000万の投資で同じ収入だと12.5%の利回りになると計算できます。年間利回り%の差は僅かですが、アパート経営は長期に渡る事業なので、この数パーセントの違いが数十年掛けて数十パーセントもの違いに化けることは明らかです。
大きなキャッシュフローを狙うためにも建築費用を抑えることが重要となってきます。
利回りが高いことによるメリットは?
利回りを高めることの大きなメリットといえば資金回収が早く終わることです。
資金回収が早く終われば終わるほど自由に使えるキャッシュが増えるので、建物の管理維持費用に苦しんだりすることが減ります。また、新たな土地や物件を手に入れるための投資資金にもなるでしょう。
高い利回りのアパートを所有することは、新しいアパートを建設するチャンスにも繋がるのです。
利回りが高いと、どのようなデメリットがあるの?
逆に利回りが高いことによるデメリットにはどんなものがあるのでしょうか?
利回りが高くなる要因としては、人気のない土地で土地代が安いことや最低限の設備しか揃っていない格安の建造費で作られたアパートであることが挙げられます。これらのケースで想定されるのは、空き部屋のリスクが非常に高いということです。
高すぎる利回りを追い求めすぎて、アパート事業が成り立つためのその他の要因を見逃さないように気を付けましょう。
アパート経営における平均的な利回りとは
アパートの経営に求められる利回りは実はその土地によって異なります。
人口の多い大都市であれば5%~8%程度の利回りが基本となり、地方都市で7%~9%、人口の少ない地方都市では8%~11%になることが多いでしょう。
これは、都市部では立地の良さから土地代が掛かりやすいことが原因です。
ただし、人口の多い都市部では低い利回りであっても空き部屋のリスクが低いため、利回りが高い地方よりも安定して収益を上げやすいことは覚えておきましょう。
新築アパート経営を行う上で気をつけたいポイントは?
最後の項目では、初めて新築アパートを建てようと考えている方に向けて、気を付けるべきポイントについて解説していきます。
注意点① アパート経営がすべてではない
まず押さえておくべきは、必ずしもアパート経営のみに投資の手段を限る必要はないということです。
賃貸経営などの土地活用にはアパート建設以外にも、企業や法人向けに店舗スペースやオフィスを貸し出すテナント経営などの様々な手段が考えられます。アパート経営はあくまでも数ある土地活用の手段の内の一つでしかありません。
最善の土地活用にあたっては、アパート経営以外の手段も積極的に模索していきましょう。
注意点② 相続税対策などだけが目的になっていないか
相続税対策だけを目的にアパート経営を行うのも考えものです。
新築物件は大きな資産になるとはいえ、空室などのリスクを考えていなければ、管理維持費による赤字を生み出す存在になりかねません。相続税対策をメインの目的に据えていたとしても、経営面でのチェックを怠ることはできません。
注意点③ 経営を行う上で収支シミュレーションは必須
経営面のチェックでは、収支の事前シミュレーションは必須となります。
融資を受けるために収支の計画書を作成する必要がありますし、なによりもアパート経営で安定したキャッシュフローを得るためには収入と支出を明確に算出する必要があるでしょう。
考慮していなかった支出で赤字に悩んでしまうといったパターンは最悪です。
まとめ
今回は、新築のアパート経営について詳しく解説していきました。
アパート経営は人に必須な住を支えるため手堅い土地活用だと呼ばれていますが、人口の減少が叫ばれる昨今では、空き部屋のリスクを強く考慮する必要があるため考えなしにできることではありません。
土地に新築のアパートを建てることは、事業の経営者になるということだと強く自覚していきましょう。
最後までご覧頂きありがとうございました。
アパート建築の会社・情報コラムのメリット
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※当コラムはあくまで個人的な見解に基づくもので、内容についてはご利用者様自身の責任においてご判断ください。
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