土地活用の業者・情報コラムコラム

不動産での個人売買は可能?そのデメリットを解説します。

2019.10.29

不動産を個人で売買することはできるのでしょうか?

不動産を買いたい、売りたいという時にたいていの人が思い浮かべるのは、不動産仲介会社に依頼することでしょう。しかし、このような不動産売買の仲介会社に依頼すると、売買が成立したときに結構な額の手数料を取られます。

この仲介手数料は、宅地建物取引業法(宅建法)で上限額が決められています。400万円を超える住宅の売買では、売買価格の3%+購入代金+消費税がかかります(ただし400万円以下だとこの%は上がります)。3%というと、例えば3000万円の住宅を購入した場合には、90万円が手数料として取られることになりますので、かなり負担となります。

もし個人での売買が可能なのであれば、この手数料が全くかからないということになるのです。では、不動産の個人売買が可能かどうかを見ていきましょう。

不動産の個人売買は可能?

不動産業者が建物の売買を行う場合には、国土交通大臣または都道府県知事の免許を受けなくてはいけないと定められています。しかし、これは悪質な不動産業者によって消費者が不利益を被らないように定められているもので、適用されるのは不動産業者に限ります。ですので、個人にはこの法律が適用されるわけでなはないのです。

このように、個人の不動産売買に法律上の問題もありませんので、不動産売買が可能です。しかし、現在不動産の個人売買が広がらないのは、それなりのデメリットがあるからです。下記で、不動産の個人売買のデメリットを紹介していきます。

不動産の個人売買のデメリット

契約書類準備

■ 売主が作成・準備しなければならない書類など

不動産の売買では、売主は多くの書類を用意しなくてはなりません。印鑑証明証や登記簿謄本、本人確認書類などは取り寄せるだけでよいですが、売買契約書や重要事項説明書などは自分で作成する必要があります。売主が準備しなくてはならない書類は以下です。

  • 公図
  • 物件表示書類
  • 不動産売買契約書
  • 権利証
  • 不動産引渡確認証
  • 実印
  • 不動産物件内容表示書類
  • 印鑑証明証
  • 領収証
  • 本人確認書類
  • 登記簿謄本
  • 委任状(司法書士が用意)
  • 固定資産税評価額証明証
  • 住民票

売買契約書や重要事項説明書に不備があると、後々買主との間でトラブルになることがあります。不動産の売買というのは扱う金額も大きいことで、裁判など長期的なトラブルになることがあります。これらのトラブルを避けるためにも、契約書類は細かな部分までチェックが必要なのです。

これらの書類では、売買代金・手付金の支払いや所有権移転と物件引き渡し、抵当権の抹消などについての取り決めを記載しなくてはなりません。これらは専門的な知識でもあるので、個人で作成しようとすると大変かもしれません。

作成が難しいと思う場合には、不動産会社に依頼するのがよいでしょう。不動産会社は、宅建法の知識とこれまでのノウハウを持っていることで、書類の作成方法やトラブルになりそうな箇所というのを把握しています。

■ 買主が作成・準備しなければならない書類など

買主が用意しなくてはならない書類というのは、そこまで多くはありませんが、司法書士に作成を依頼しなくてはならない「委任状」があるので注意してください。

  • 住民票
  • 実印
  • 印鑑登録証明証
  • 委任状(司法書士が用意)

買主の準備する書類は少ないですが、買主は建物や土地に不備がないかのチェックを行わなくてはなりませんし、売り主が準備した書類に書かれている契約内容にもおかしなところがないかをチェックしなくてはなりません。

物件に関してのチェックというのは、価格が妥当か、断熱や防音や耐震性、ひび割れがないか、付帯設備に問題がないかなどです。

そして契約書のチェックというのは、実測結果と契約内容が異ならないか、手付金の内容、瑕疵担保責任の保証内容、ローン特約があるかなどをチェックしましょう。

このようなチェックは、不動産売買や物件に対する知識があれば問題ありませんが、知識がないのであれば後々トラブルになる可能性があるので不動産会社に頼むのも手です。

瑕疵担保責任のリスク

個人で不動産の売買を行う場合には、瑕疵担保責任のリスクがあります。瑕疵担保責任とは、建物の基礎やひび割れ、屋根の雨漏りなど、不動産の購入時にわからなかった欠陥に対して、売主が負うべき責任のことです。瑕疵担保責任については、以下で詳しく解説していますので参考にしてください。

建物を売買後に、その建物に買主の知らない欠陥があった場合には、売主は建物の補修をおこなわなくてはなりません。また、買主から損害賠償を求められる可能性もあります。

買主が瑕疵担保責任を問えるのは、買主が瑕疵を知った時から1年間と民法で定められています。個人間売買では、この期間を短く協議することは可能ですが、このようなすり合わせというのは時間がかかります。また、売主が瑕疵を隠して売却した場合には、期間に制限なく保証を行わなくてはなりません。

不動産会社に仲介を依頼した場合には、売主が瑕疵担保責任を負わなくてはいけない期間は「引き渡しから2年」とされています。ですので、瑕疵保証に関しては不動産会社に依頼したほうが明確であり、リスクも少ないです。不動産会社はあらゆるトラブルの事例を知っていますし、契約書に記載すべきことも把握しています。

売主の負担

個人間売買では、売主に負担が大きいです。契約書類の作成には専門的な知識が必要ですし、物件の瑕疵の確認、金額面での交渉、不動産鑑定士への依頼、弁護士への依頼などなど、売主が行わないといけないことは大変多いです。

売主に不動産関係の知識があればいいのですが、知識がない場合というのは、これらの一部が漏れることがあります。そのような場合には、後々大きなトラブルになってしまいます。

このように、売主の負担がとても大きくなってしまうというのが、個人間売買でのデメリットなのです。

不動産の売買は不動産会社に依頼するのが安全

不動産会社はとてもたくさんあります。それぞれの会社によって、強みやサービスが異なります。自分に合った会社を選ぶためにも、不動産会社はしっかりと比較検討しましょう。また、不動産業者はノウハウをたくさん持っています。地場の情報や法律などの情報にも詳しいので、まずは相談するのがおすすめです。

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※当コラムはあくまで個人的な見解に基づくもので、内容についてはご利用者様自身の責任においてご判断ください。

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