土地活用の業者・情報コラムコラム

不動産相続の手続きや流れ、費用を分かり易く解説

2020.02.18

不動産を所有していたご家族やご親戚が亡くなったとき、その相続にあたって名義変更や相続登記と様々な手続きが必要になります。

「どんな手続きがあるのかわからない」「どれくらい費用がかかるものなの?」「売却した方が将来的に得なのかな」といった不安があると思います。

実際に、相続にあたって提出しなければならない書類がたくさんあり、また提出先が税務署や法務局など複数存在し、複雑でわかりにくい上に手間がかかります。
そこで、不動産相続に必要な手続き、手続きにかかる費用、手続きの流れをまとめました。また、不動産相続対策もまとめておきましたので、ぜひご覧ください。

不動産相続に必要な手続き一覧

不動産相続に必要な手続きとしては

1.役所に死亡届を提出する
2.遺言書の有無を確認する
3.相続財産の調査をする
4.相続した不動産の分け方を決める
5.遺産分割協議書を作成する
6.不動産の名義変更・相続登記をする

以上の6つが挙げられます。

ではこれから、手続き一つひとつご説明いたします。

役所に死亡届を提出する

ご家族やご親戚など不動産を所有している被相続人が亡くなった場合、まずやるべきことは、死亡届を提出することです。死亡届とは、被相続人が亡くなったことを証明する申請です。「死亡届」と「死亡診断書」の2つを提出します。

死亡届を提出する人は、親族だけでなく、同居人や家主など代理人をたてることもできます。最近では葬儀会社に代行を依頼することもできます。

死亡届の提出の期限については、被相続人が亡くなった日、または死亡の事実を知った日から7日以内に各市区町村の役所へ死亡届を提出しなければなりません。国外で亡くなった時は、死亡の事実を知った日から3か月以内となります。葬儀などの対応で死亡届の提出が後回しになりがちですが、届出期間を過ぎてしまうと、届出自体はできますが簡易裁判所から3万円程度の過料を請求される可能性がありますので、速やかに提出するようにしましょう。

遺言書の有無を確認する

被相続人が亡くなる前に遺言書を作成している場合があります。遺言書の有無によって財産の分ける割合や受取人が変わるため、遺言書があるかないかを確認しましょう。

遺言書がある場合は、遺言書の内容に従って財産の割合や受取人を決定します。
遺言書がない場合は、法定相続人以外は遺産を相続できません。法定相続人とは民法で定められた相続人のことをいいます。1番目に権利があるのが配偶者と子ども、2番目が親や祖父母、3番目が兄弟姉妹となります。

一般的に作成される遺言書としては「公正証書遺言」「秘密証書遺言」「自筆証書遺言」の3つの種類があります。公正証書遺言と秘密証書遺言は、相続人が公証役場に照会すれば遺言書の有無がわかります。自筆証書遺言は個人の管理となるため、自宅、もしくは銀行や司法書士、税理士、または法務局の保管されていることもあります。

相続財産の調査をする

相続の対象となる財産は、土地・建物・物品・金銭・有価証券、など様々なものがあるため、相続財産の調査を行う必要があります。
被相続人が所有していた不動産を把握するには、被相続人の固定資産税・都市計画税の課税明細書で確認できます。しかし、課税明細書に記載されているのは1月1日時点で所有している土地・家屋。つまり、1月2日から亡くなるまでの期間に、売却または購入した不動産に関しては記載されていません。正確に情報を把握するには、名寄帳(なよせちょう)を確認する必要があります。

名寄帳は、各市区町村の役所で閲覧・取得することができます。
名寄帳には、被相続人がその市区町村の中に所有していた土地・家屋が一覧表で記載されています。つまり、被相続人が複数の市区町村に土地・家屋を所有していた場合は、それぞれの市区町村の役所に行く必要があります。

相続した不動産の分け方を決める

不動産は相続人全員で平等に分けにくい財産であるため、分け方をきちんと協議しておくことが大切です。方法は、次のように大きく分けて「現物分割・換価分割・代償分割」の3つ、それぞれ特徴が異なります。

現物分割とは、遺産をその状態のまま相続する方法のことです。
例えば、相続人が3人(配偶者・長男・長女)。遺産が3つ(不動産2つ、現金3,000万)あれば、配偶者が現金3,000万、長男・長女が不動産を1つずつ相続するという形です。

相続人全員が納得できていれば、遺産を簡単に分けることができ、とてもスムーズに遺産分割をすることができます。
しかしデメリットもあります。遺産の評価額はそれぞれ違うため、不公平が出てしまうことです。
例えば、6,000万の価値の不動産と2,000万の価値の不動産では、4,000万の価値の差が出てしまいます。

このようなことから、不動産の場合は、現物分割で遺産を分けるというのは、不動産価値が同等の場合に限られるケースが多いと言えます。

では、価値の違う複数の不動産を複数の相続人で相続する場合はどうしたら良いのでしょうか?
そこで取られる方法が、換価分割や代償分割となります。

換価分割とは、財産を現金に換えて分け合う方法のことです。つまり、被相続人が所有していた不動産は全て売却し金銭にして分配するということです。相続人が不動産を欲していない場合や売却を前提に考えるなら換価分割はベストな方法だと思います。
しかし、換価分割をすると譲渡所得(売却して得た利益)というものが生じる可能性があるので注意が必要です。また、相続した不動産の売却にも相続登記は必要になります。つまり、売却して遺産を分配しようと思っても、相続登記をしていなければ売却できません。遺産分割協議にて売却手続きをする相続人を選出し、売却金額や売却期限、分配の割合を決めましょう。

代償分割とは、特定の被相続人の財産を相続させ、代わりに他の相続人に金銭を支払う方法のことです。現物分割や換価分割では相続人全員が納得できないという場合にこの方法を取るケースが多いです。ただ、不動産を相続した人からの代償金が支払われず、支払いを求める訴訟に発展するケースもあるので、相続人同士での協議で詳細までしっかり決めておくことが重要です。

遺産分割協議書を作成する

財産について相続人同士で話し合うことを「遺産分割協議」と呼びます。
また1度合意した協議は原則として全員の合意なく内容変更はできませんので、後になって「やっぱりこの財産の分配じゃ納得いかない」などいった蒸し返しのトラブルを回避する効果もあります。

その協議での内容をまとめておくと、その後のトラブルを回避することができます。書き方には決まった書式やルールはありませんが、次のような点を明記しておくと良いでしょう。

・「遺産分割協議書」であることがわかるタイトル
・協議が行われた日時・場所
・被相続人の名前、相続日(死亡日)
・相続人全員の署名捺印(押印は実印)
・分配する遺産の具体的な内容

代償分割の場合は、代償内容と支払期限を明確にしておきましょう。
協議は、必ず相続人全員で行わなければなりません。相続人が1人でも欠けた状態で行うと無効となります。また記載内容が不十分であれば名義変更の手続きができないことがあります。つまり、書類に不備があって協議をやり直すとなると非常に大変なため、上記の点は押さえておくと良いと思います。

協議書は相続人の数と同じ数を作成し、相続人全員が1つずつ原本を保管しましょう。

不動産の名義変更・相続登記をする

土地や住宅といった不動産を相続した際には名義変更を行う必要があります。この名義変更を「相続登記」といい、必要書類を法務局に提出します。相続登記の期限は定められていませんが、名義変更の手続きが完了する前に相続人の誰かが亡くなると権利関係が複雑になってしまいます。なるべく早く名義変更を済ませておいた方が望ましいです。

登記には非常に多くの書類が必要となります。
被相続人の書類に関しては、出生から死亡までのすべての戸籍謄本が必要になります。全国を点々と転居していた場合は、すべて集めるのに非常に時間と労力がかかります。書類はできるだけ早く集めておくと、その後の手続きがスムーズに行えます。
不動産相続で必要となる主な書類としては、

・被相続人の戸籍謄本(出生時から死亡時まで一連の全ての戸籍謄本)
・被相続人の住民票の除票(本籍の記載のあるもの)
・相続人全員の戸籍謄本(被相続人死亡日以降のもの)
・相続人全員の住民票
・相続人全員の印鑑証明書
・遺産分割協議書
・不動産の登記事項証明書
・不動産の固定資産評価証明書

上記の書類が揃ったら、名義変更・相続登記をしに法務局へ行きましょう。

不動産相続に必要な費用一覧

名義変更・相続登記の手続きを、司法書士に依頼すれば当然報酬を支払う必要がありますが、ご自身で行う場合でも費用はかかります。

相続財産の調査にかかる費用

相続した不動産を調査するのに費用がかかります。不動産の数が多ければ、その分調査費用も増えます。1件あたり、3000円程度と考えてよいでしょう。(被相続人が所有していた不動産が遠方にある場合は、その移動費も加算されます)

・名寄せ帳にかかる費用 一通300円
・固定資産評価証明書にかかる費用 不動産一件につき400円
・登記事項証明書にかかる費用 一通600円

必要な書類を集める費用

相続登記を申請する際には、遺言状の有無や被相続人の所有していた不動産の数や相続人の数などケースよって書類を用意する必要があります。その中で最も費用がかかるのが、戸籍謄本や住民票などの費用です。相続人が多ければ多いほど、手間も時間も費用もかかります。総額で2万円程度かかると考えて良いで

・被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本 1通450円
・被相続人の住民票の除籍謄本 1通750円
・相続人全員の戸籍謄本 1通450円
・相続人全員の住民票 1通300円
・相続人全員の印鑑証明書 1通300円
・取得の郵送費(往復分必要)1件あたり500円程度

司法書士に依頼すれば、印鑑証明書以外は全て代行してもらえます。
被相続人の戸籍謄本は、取得するのに手間も時間もかかるものです。早めに書類を取り寄せた方が良いでしょう。

法務局での申請にかかる費用

名義変更・相続登記をする際に「登録免許税」がかかります。固定資産税評価証明書に記載されている固定資産評価額に0.4%をかけた金額を納付しなければなりません。

例えば、評価額が5000万円の土地を相続登記すると、登録免許税は5000万円×0.4%、つまり20万円となります。

司法書士に依頼する場合の報酬

司法書士に依頼する場合は、上記の実費の他に報酬がかかります。

相続登記の申請であれば、10万円前後。
その他の不動産調査や、遺産分割協議書作成なども含めると、15万円前後が相場となります。司法書士に依頼することで費用は高くなりますが、ほとんどの手続きを代行してくれるので、手間や時間を考えれば依頼した方が良いでしょう。

やることがいっぱい!不動産相続の手続きフロー

ここでは、相続登記の手続きの流れをご紹介します。

被相続人と相続人の戸籍謄本等を収集

まず最初に始めるのは、書類の収集です。被相続人と相続人の戸籍謄本等を集めることです。遺産を明確にすること、そして相続人を明確することが必要なのです。
この戸籍謄本等が一つでも足りなければ相続登記手続きはできません。

遺言書を確認する

相続人を確定するため、公証役場に行き遺言書があるか照会しましょう。なければ、自宅、銀行、司法書士に確認しましょう。

相続人全員で遺産分割協議書を作成

手続きで必要な書類を集めることができたら、次は、遺産分割協議となります。
話し合いを進め、協議書を作成します。法務局に協議書が無効だと判断されれば相続登記は完了できません。

固定資産評価証明書を取得

登録免許税を算出するため、固定資産評価証明書を取得します。

登記申請書を作成して法務局で登記申請

登記申請書を作成。前述した書類一式と登録免許税を納付。不動産を管轄している法務局で相続登記の申請をして相続登記は完了です。

やっておきたい不動産相続対策

先祖から受け継がれた土地を相続した場合、売却せずに維持したいとお考えの方もいらっしゃると思います。
しかし、「固定資産税」が重くのしかかる時代になりました。土地を持っているだけで固定資産税はかかってしまいます。

そこで、少しでも節税につながる対策をご紹介したいと思います。

固定資産税対策

例えば、両親が居住していた戸建て(土地建物)を相続した場合、空き家しておけばいいかと考えていませんか?そのままでいると通常の4倍近い固定資産税を払わないといけなくなります。
放置していると住宅用地特例の対象から外され、小規模住宅用地の特例がなくなってしまうためです。

ただ、これに対する措置「3,000万円特別控除」もあります。適用条件を満たせば、売却の時の譲渡所得から3,000万円を控除できるというものです。2023年(令和5年)12月31日まで適用されます。

相続税対策

相続税対策としてあるのが、所有している土地にマンションやアパートを建築して不動産賃貸を行う方法です。更地は土地評価額がそのまま相続税の課税対象額となるので相続税が割高です。そこで、マンションやアパートなどの貸家を建てると「貸家建付地」として土地の評価額が下がるため、相続税の節税になるのです。

ただ建築するときに銀行から借り入れを行うと、収支が悪化しやすくなったり、地価が下がるなどして家賃が下がったり空き部屋が多くなったりすると、収支が合わなくなるリスクもあるので注意が必要です。
また、収益率の高いタワーマンションを購入するのも相続税対策になります。タワーマンションは販売価格と相続税評価額の差が大きくなりやすいので、相続税を節税することができます。

これらの対策はもちろん自分で行うことも可能ですが、相続税の計算は遺産の価値や数、相続人の数で変わるため複雑です。専門家である税理士におまかせするのが良いと思います。

まとめ

不動産相続に必要な手続き、手続きにかかる費用、手続きの流れをまとめました。
では、ここでもう一度内容を振り返っておきましょう。

不動産相続に必要な手続きとしては

1.役所に死亡届を提出する
2.遺言書の有無を確認する
3.相続財産の調査をする
4.相続した不動産の分け方を決める
5.遺産分割協議書を作成する
6.不動産の名義変更・相続登記をする

以上の6つ。

そして、不動産相続にかかる費用としては、

書類にかかる費用が

・名寄せ帳にかかる費用 一通300円
・固定資産評価証明書にかかる費用 不動産一件につき400円
・登記事項証明書にかかる費用 一通600円
・被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本 1通450円
・被相続人の住民票の除籍謄本 1通750円
・相続人全員の戸籍謄本 1通450円
・相続人全員の住民票 1通300円
・相続人全員の印鑑証明書 1通300円
・取得の郵送費(往復分必要)1件あたり500円程度

法務局での申請にかかる費用が
・登録免許税 固定資産評価額に0.4%をかけた金額がかかります。

司法書士に依頼する場合は報酬が
・相続登記の申請であれば、10万円前後。
・その他の不動産調査や、遺産分割協議書作成なども含めると、15万円前後

が相場となります。

不動産相続に関して初めてで不安なことが多いと思います。また、故人が亡くなったばかりで、傷心の最中、葬儀の手配や連絡などで忙しいと思います。ただ、相続に関しても早く済ませておかなければトラブルになることも多いです。
また、自分で相続登記の手続きをするには、かなりの手間や時間がかかります。一生に一度経験するかどうかの手続きのために労力を割くのであれば、司法書士や税理士に相談や依頼するほうがいいのではと思います。
この記事が、スムーズに相続が済む一助になれば幸いです。

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