コロナでハイパーインフレに?!不動産投資に与える影響とは?
いまや、日本の国の借金は約1300兆円でアメリカを次いで世界で2番目。国内総生産(GDP)に対する債務残高の比率(対GDP比)に関しては、世界で最も悪いと言われています。今のデフレの状態にあると、この借金の負担が重くなり、返済できなくなる可能性が高くなると言われています。
そんな中、新型コロナの影響で世界中の経済が不安定に。東京オリンピックは延期が決まり、中止の影響も出てきました。もし、コロナが終息せず、東京オリンピックが中止になるようなことがあれば、多額の借金をして準備してきたものが回収できません。さらには、コロナで倒産に追い込まれた企業も多く、国や自治体が多額の借金をして補助金を出して少しでも倒産を防いできました。
再度、コロナの感染が広がり自粛要請の状況に陥れば、国の借金はさらに増加し今以上に不況に拍車がかかります。もし、『円』の価値が一気に下がってしまうと『ハイパーインフレ』になる可能性があります。
ハイパーインフレと聞くと海外などのニュースで耳にするくらいで、私達日本人にはあまり馴染みのない言葉のように感じます。しかしながら、実は一度、日本経済も戦後にハイパーインフレに陥っていることはご存知でしょうか。
このハイパーインフレ、陥ると貨幣の価値が一気になくなるネガティブなイメージがありますが、しかし、不動産への投資に関しては、今多くの投資家から注目されていることをご存知ですか?そこで、今回の記事では、ハイパーインフレが不動産に与える影響について詳しく解説していきます。今回の記事を読むだけで、インフレリスクにどうやって備えていくのかが分かります。ぜひ最後までご覧ください。
ハイパーインフレと不動産の関係性について
ハイパーインフレというと日本史や世界史の教科書で出てくるばかりで、実際のところは何を指しているのでしょうか?
このハイパーインフレを紐解くことによって、不動産投資がいかにインフレ状況下で有効かが分かります。そこで、この項目では、インフレという単語を解説し、不動産との関係性について説明していきます。
そもそもインフレとは
そもそもインフレとはどんな事象を指し示す単語なのでしょうか。分野としては、経済分野の単語で貨幣価値が下がることを指します。
貨幣価値が下がる具体例として、簡単な例をあげると、以前100円で買えていたおにぎりが、現在110円でしか買えない状況を指します。例のように、ある特定の物に対してのみだけで進行する場合は、需給関係によるものですが、インフレは物品全体を通して進行する状況を指します。
貨幣価値が下がることによって、相対的に商品価値が上がります。商品価値が上がれば、それに付随するサービスの価値もあがるため、一般的には私たちの賃金もあがる傾向にあります。
更に言うと、貨幣価値が下がることによって現在借金している人の借入金も希釈化され、負担が軽くなるという側面もあります。これらがインフレの言葉の定義であり、経済的な影響です。
【対義語】デフレとは
では、対義語のデフレとは何を指すのでしょうか。答えは簡単で、インフレとは逆に商品の価値が下がることで、貨幣価値があがることを指します。
ただし、インフレとは全く逆の事象が起こり、賃金の低下を引き起こす可能性が高いです。加えて、何かしらの金融ショックやコロナなどのイベントが起こり、消費が落ち込むことによって、デフレが進行します。
物価が下がり消費が落ち込み、更に賃金も下がるという負のスパイラルに入っていくというわけです。
インフレは好景気の際に起こりやすく、デフレは上記のように不景気時に起こりやすいことに留意しておきましょう。
ハイパーインフレの実態を戦後経済から読み解く
ハイパーインフレが起こるとどうなるのかというと、実際に我が国日本でも戦後直後にハイパーインフレを経験しているため、そこから紐解くことができます。
戦後期には政府が様々な支払いに対応するために、国債を大量に発行しました。
国債発行を行い、日銀に買い取らせることで、大量の資金を得ようという考えが根底にありましたが、実際に起こったのは市中にお金を出しすぎたことによるハイパーインフレです。
更に言うと、敗戦直後ということもあり国民の日本政府に対する信用が落ちていいたため、より一層ハイパーインフレに拍車がかかってしまいました。
なお、この対応策として取られたことが、預金封鎖と財産税です。
一旦ハイパーインフレが起こってしまえば、こういった対応策を政府が取る可能性が十分にあるということを戦後日本経済の展開からは読み解くことができます。
ハイパーインフレの一例
産油国であるベネズエラでは、原油価格の暴落によりハイパーインフレが起きたことは記憶に新しいでしょう。そのインフレ率は268万%と言われており、銀行口座に預けてあった268万円が100円の価値しかなくなるといった事態も起きてしまっています。
その他にも、ドイツやジンバブエ、アルゼンチンでもハイパーインフレーションが過去に起こっています。
また、インフレが進みすぎたために、ロシアや韓国といった先進国でもデノミを行った例はいくつもあるため、日本でも再度起こらない確証はどこにもありませんよ。
実際にハイパーインフレが起こる可能性はあるの?
日本は中央銀行によって貨幣の流通量が管理されているため、ハイパーインフレが起きる可能性は低いでしょう。ただ、以下の項目でお話する最悪のケースが起きた場合にはその限りではありません。
日本政府が置かれている状況を鑑み、きちんとした備えを行っていきましょう。
政府の株式市場への参入について
まず第一に政府の株式市場への参入です。
年金機構や日銀によるETF(上場投資信託)の買い入れにより公的な資金が株式市場に流れ込んで来ています。株式や国債の買い入れによって市中に出回るお金をコントロールすることを買いオペといいますが、この度合いが過ぎれば、インフレが急激に進んで行く可能性がありますよ。
2020年のコロナショックによる歪な物価
昨今のコロナショックによって、歪な物価が現れたことは皆さんの記憶にも新しいでしょう。例えば、トイレットペーパーやマスクが典型例でしたね。
これらの生活必需品は工業製品であり、コロナショックによって工場の稼働がなくなってしまいました。その結果、供給不足による物価高が生じてしまいました。
加えて、経済活動が一気に停止したことにより賃金水準も減少しています。
物価高が生じつつ、賃金が下がる現象はデフレよりも酷い、スタグフレーションが引き起こりつつあると言うことができます。
スタグフレーションもハイパーインフレと同様に気をつけて対処しなければならない課題と言っても過言ではありません。
インフレが進むと、不動産価格はどうなるの?
2020年1月度に集計された路線価が7月に発表され1.6%上昇しています。
これだけではコロナの影響が加味された情報が分からないため、先進国REITの基準価額を元に計測してみると、コロナ影響下で一度大暴落を起こしたものの徐々に回復基調にあることが言えます。
コロナ影響下で予期される供給不足によるインフレが進めば、当然実物資産である不動産価格も上昇していくことが予測されますよ。
ハイパーインフレが起きたら不動産投資はどうなるか?
さて、ここからが本題です。
実際に日本でハイパーインフレが起きた場合には不動産投資に対してどのような影響をあたえるのでしょうか。
ここでは、以下の段階に分けて解説していきます。
・現在購入を検討中の方
・投資用ローンを組んでいる方
・ローン完済済みの方
・持ち家を保有しようとしている方
現在、不動産購入を検討中の方
もし、いまマンション投資や不動産投資を検討中だとするのであれば、できるだけ早く行動した方が良さそうです。なぜなら、ハイパーインフレが進めば当然購入できない可能性が高まるからです。ベネズエラの例を紐解いてみてもそれは明白ですね。
仮にここまでのハイパーインフレが起こらなくても、ハイパーインフレを起こしそうな国の状態であれば、銀行融資を組んで不動産投資を行うことはほとんど不可能になってしまいます。ハイパーインフレにならなくても、不動産価格も上昇することが予想されますので、もし検討中の不動産が有るのであれば、早めに動いたほうが良いと思います。
現在ローンを組んですでに不動産投資をされている方
現在ローンを組んで不動産投資をされている方は、ハイパーインフレとは言わないまでもインフレが進むことによって、不動産の資産価値の増大とローンの希釈化という2つのメリットを享受することが可能です。
ローンが希釈化されるとは、ベネズエラの例をとるとわかりやすく、元々268万円あった残高がハイパーインフレによって100円の価値しか返さなくてよくなるんですね。
これは極端な例かもしれませんが、ハイパーインフレでは銀行側の貸付残高という金融資産も紙くず同然となってしまうため、実際にローンを組んで投資を行っている方にとっては非常に好都合となります。
そのため、これを機会にポートフォリオの拡充を行うための不動産投資を更に行っていってもよいでしょう。
ローン完済済みの不動産はどうなる?
ローン完済済みの不動産はハイパーインフレによってその資産価値が増大します。インフレの根幹は貨幣価値が下がり、物価があがることにあるため当然ですね。
今のポジションを保持したまま、更に資産価値を上げたい場合にはリフォームなども有効な手段の一つとして考えられますよ。
持ち家も立派な投資です
持ち家購入を検討中の方も、上記で説明してきたハイパーインフレのメリットを享受することができます。
もし仮に、賃貸のマンションやアパートに住んでいる場合には、家賃の上昇に伴うキャッシュフローの悪化は止めることができません。一方、持ち家の場合には、契約を行い実際の建物を手に入れられれば、周りの環境に流されることなく、安定的に過ごすことができる住居を手に入れられますよ。
そういった面で、持ち家を購入することは投資の一種であると捉えることができますね。
ハイパーインフレ対策としての不動産投資とは
ここまでハイパーインフレによる各段階の投資家への影響を伝えてきました。
ハイパーインフレには不動産投資にとって様々な良いことが起きる可能性が高いため、ここでは、一度その特徴についてまとめていきます。
物価高に乗じて資産価値があがる
繰り返しになりますが、不動産投資を行い実際の物件を取得すると物価高に応じて資産価値が上昇していきます。これは不動産という実物資産を扱っている強みでもあります。
インフレに対するリスクヘッジとして不動産投資を捉えても良さそうですね。
スタグフレーションになっても一定の収入を見込める
次にハイパーインフレよりも歪な不景気状態である、スタグフレーションの場合にはどうでしょうか。
これはハイパーインフレ下の状況でも言えることですが、不動産投資を通して賃貸経営を行えば、一定のキャッシュフローを得ることができます。
スタグフレーション下、ハイパーインフレーション下では家賃を上げたり下げたりといった基本戦略は異なってきますが、一定の現金収入が不況下であることは非常に心強いですよね。
不動産は、いざとなったときに現金化できる
最後に、不動産は実勢価格に応じて現金化できる点が魅力です。いざとなったら、買い手を見つけるまでに時間はかかりますが、物価があがり不動産価格もあがった状態で現金化できます。
これが金融資産であると簡単にはいかず、価値が減少している危険性もありますよ。
この特徴は不動産という実物資産であれば、どの商品でも持っている特徴の一つでもあります。
事実、実物資産の一つであるゴールドは高値を維持しているという事実も存在しています。
ハイパーインフレ対策として不動産投資を決意しなければならない日本の現状について
最後の項目では、ハイパーインフレ対策として不動産投資を行わなければ危険であるという日本の現状を3つにまとめてお話していきます。
歪な株式市場
まず第一に、戦後経済と同様に現在政府から膨大なお金が市中に出回っています。それは、株式市場からのETFの買付でわかることでしたね。
もし、このお金が引き上げられるとなった場合には株価が暴落してしまいかねないため、政府は湯水のごとく株式市場にお金を投入していかなければならない状況となっています。
消費増税と少子高齢化による影響
消費増税により単純な物価は2%確実に増えています。名目上でも2%のインフレが起こっていれば、貨幣の価値が下がっていることと同義です。
また、少子高齢化により、労働集約的な仕事はなりを潜め、知的労働が増えていきます。
労働集約的な仕事が減れば、物品の供給が減り、当然物価上昇にもつながっていきますよ。
減る一方の実質賃金
最後には日本国内の実質賃金の推移です。
実質賃金とは、私達が事業所から直接お金を貰える額と物価の上昇率を加味した賃金のことで、どれだけの可処分所得が得られているかを確認する指標です。実際のところ、日本の実質賃金の上昇はほとんどありません。
名目賃金が上がっていても、物価がそれ以上に増えているため、労働に頼った収入だけでは厳しい現実があります。こういった事象に備えるために、不動産投資でインフレに強い仕組み作りを行っていきましょう。
【まとめ】ハイパーインフレに備えた不動産投資へ
今回の記事ではハイパーインフレと不動産投資の関連性について詳しく解説してきました。ポイントは、不動産投資はインフレに強い実物資産です。
もし、戦後と同じようなハイパーインフレが起きたら物価が約70倍!4,000万のマンションが30億近い価値になる可能性があります。現在住宅ローンの金利は低く、ローンも組みやすくなっています。
新型コロナの影響は、日本だけではなく世界中に及んでいます。これからまた感染拡大する可能性は大いにあります。となれば、世界大恐慌以上の不況になる可能性もあり、ハイパーインフレになる可能性も否めません。
もしコロナの影響で東京オリンピックが中止となれば、日本は借金を増やしただけとなり、財政赤字から世界の信用を失い、円の価値が下がる可能性があります。
もし、不動産投資を検討しているのであれば、少しでも早く行動しておくべきだと思います。
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