アパートローンの審査基準って?金利を安く抑えるコツをご紹介
『アパートローンはどうやって審査されるのだろうか?』
『審査に必要な書類などある程度知っておきたい…』
『金利を低く抑えるコツも教えてほしい!』
こんなお悩みはありませんか。
アパートローンの審査は住宅ローン審査と比べてかなり厳しいチェックが予想されます。特にあなたが初心者であり実績に乏しい場合には、金利も高めに設定されてしまう、もしくは融資自体も降りないという状況がでてきてしまいます。
そこで、今回の記事では、アパートローン審査に関する様々な情報を詳細に解説していきます。
この記事を読むと、アパートローンを借りやすくするための戦略も分かるので是非最後までご覧下さい。
アパートローンとは
端的に言うと、アパートローンとはアパートやマンション等の賃貸住宅を建築・増築する際に、銀行から受ける融資のことです。
アパートローンは住宅ローンとよく混同されがちですが、自宅を購入するための融資を受ける住宅ローンとは異なり、アパート経営という「事業」を行うための融資だという点で差別化されているのが大きな特徴になります。
アパートローン審査を受ける目的は?
アパート経営のために融資されるアパートローンですが、それを受けるメリットには大きく分けて二つのポイントがあります。
それは、相続税対策と資産形成チャンスの拡大です。詳しく見ていきましょう。
相続税対策で借りる
アパートローンを借りることは相続税の節税に繋がります。その理由は、アパートローンの残債分だけ課税対象となる課税遺産額(正味の遺産額から基礎控除分を引いたもの)が下がるからです。
正味の遺産額を算出する際、融資などの借金や葬式費用は控除されるように取り決められています。
例えば、1億の課税遺産額が相続人に相続される際、通常であれば、30%の税率と700万の控除があるので、3000万から700万を引いた2300万円が課税されます。
しかし、ローンが7000万円残っていれば1億から差し引いて課税遺産額は3000万、15%の税率と50万の控除となるので、支払う税金は400万円まで下がります。
融資は確かに負債ですが、7000万円分のローンで建てた建物が手元に残るので、総資産が減ってしまっているわけではありません。資産を減らさずに相続税を減らすことが出来るので、アパートローンは相続税の節税に大きく貢献します。
資産を増大させるために借りる
アパートローンは資産形成のチャンスを増やす目的のためにも借りられることがあります。
アパートの入居者が見込め、高い利回りが期待できる物件を見つけたとしても、アパート購入費用が数千万円に及ぶことも少なくありません。少額の自己資金だけで購入できる物件だけを選んでいると、金のなる木を逃してしまう可能性が高くなってしまいます。
そこで、アパートローンの融資を受けることで、自己資金を超えて収益性の高い優良物件を手にいれるチャンスを増やすことができるようになるのです。
そのため、資産形成を目的としたアパートローンの借り入れも十分に考慮していく必要があります。
アパートローン審査の流れについて
アパートローン審査の概要について分かったところで、実際にどういう風にアパートローンの審査を受ければ良いのか、この項目ではアパートローン審査の詳細な流れについて解説していきます。
アパートローン申請準備に関して
アパートローン審査は大まかに
1.アパート物件探し
2.申請書類の作成
3.アパートローン審査
4.金銭消費貸借契約を結ぶ
5.借り入れ
という流れで進んでいきます。
申請準備としては、ローン申請に掛かった時間が無駄とならないように、書類の準備やアパートローン審査の基準を満たしているかの確認をすることが大切です。
アパートローン申請書類の提出
申請にあたって必ず必要となる書類にはどういうものがあるのでしょうか。
詳しく見ていきましょう。
どんな書類が必要になってくるの?
アパートローンの申請に必要な書類は金融機関によって異なるので、今回は共通して必要とされることの多い書類に絞ってまとめました。
・身分証明書(運転免許証、保険証など)
・購入物件資料(建物図面、公図、建築確認申請書類など)
・属性資料(複数期分の年収確認資料、納税証明書など)
アパートローンに必要とされる書類の中には、場合によっては取得に日数の掛かるものもあります。
書類の提出を依頼されて0から準備を始めると、時間が掛かってしまい物件購入のチャンスを逃してしまうので危険です。あらかじめ必要な書類を揃えておくのがベストでしょう。
アパートローン審査の基準
アパートローンを受けるにあたってもっとも重要なのがアパートローンの審査です。
物件の収益性と資産価値、融資を受ける本人の資産・収入状況の調査が金融機関によってなされます。
収益性はアパートがどれくらい儲けることができるかがチェックされ、1年間で投資金額の何%を回収できるのかという「利回り」が指標として扱われることが多いです。資産価値は購入するアパート物件の価格から判断されます。
万が一、ローンの支払いが滞った際の担保として、立地や建物の構造、耐用年数など様々な基準から購入物件の資産価値が決定されるのです。
本人の資産・収入状況については、融資を受ける本人の収入や貯蓄の状況について調査されます。これは、アパート運営で想定外の問題が発生したとしても、アパートローンの返済を遂行できるだけの資金力があるのどうかを確認するために行われるもので、物件の収益性や資産価値に比べると重要度は下がります。
金融機関がアパートローンを貸し出す際には、物件の収益性、資産価値、そして本人の資産・収入状況といった3種類の基準から審査が行われます。
アパートローン申請決定通知から融資手続きまで
アパートローンの申請が決まると融資までに金銭消費貸借契約を結ぶ必要があります。
これは借主が将来一定の利息を付けて返還することを約束し、貸主から金銭を借り入れる契約のことです。アパートローンの場合は、購入する物件を金融機関への抵当として差し出す抵当権設定契約も同時に結ばれることが一般的で、まとめて金銭消費貸借抵当権設定契約と呼ばれることもあります。
金銭消費貸借契約の詳しい内容は以下の通りです。
1.借入金額・利率・返済期日・遅延損害金
2.返済の延滞や債務者の信用状況の悪化が生じた場合の措置
3.不動産に対する抵当権設定
4.不動産の滅失等の場合における追加担保の差し入れ
5.不動産の売却・賃貸借等の制限
6.火災保険への加入
7.保証人または保証会社による保証
この契約内容によって、アパートローンを延滞した場合の対応や繰り上げ返済の場合の手続きなど細かい点についても取り決められるので、必ず事前に目を通す必要があります。
無事、契約を締結すれば融資を受け取れるようになりますよ。
融資実行
ここまでくれば、購入するアパート物件の決済日を設定してしまってかまいません。金融機関による融資は、土地建物の引き渡しが行われる決済日に実行されるのが一般的です。
このタイミングで、土地・建物の所有権移転や抵当権設定などの登記も行われます。登記の費用は購入する物件価格によって上下しますが、それぞれ10万円以上掛かることがほとんどなので、資金の準備を怠らないように気を付けてください。
アパートローンの金利と返済期間は?
さて、では実際のアパートローンの金利と返済期間について確認していきましょう。
ここでは金利と返済期間に関して様々な事柄を取り扱いその一つ一つに理由づけを行っていきます。
金利について
まず第一に金利についてです。ここではアパートローンと良く比較される住宅ローンについてく対比して解説していきます。
結論から言うと、住宅ローンよりもアパートローンの方が金利が高く審査基準が高いです。審査基準が高くとも、住宅ローンの金利相場は1%程度、アパートローンの金利相場は3%で3倍の差がでてしまうことにも留意して下さい。
では、早速見ていきましょう。
住宅ローンとの比較
住宅ローンとは、自宅を建てる場合に使用できる融資商品であり、一定の属性が備わっていれば比較的誰でも借りられる融資の一種です。
この理由としては、借主が自宅に住み使用すること。そして、銀行が自宅を担保にして万が一の場合には、現金化していくらかのお金を回収することができるからです。
一方、アパートローンはどうでしょうか。
前述したように様々な書類を提出しながら、購入しようとしているアパートの利回りや各種指標を確認しながら一つ一つ細かいチェックを受けていきます。
以上のことから、アパートローンは住宅ローンを借りる際よりもずっと難しい金融機関との交渉となると容易に判断できますね。
初めてアパートローンを借りる人への試練とは?
初めてアパートローンを借りる人への試練としては、上述したように各種資料を用いて金融機関側への説明をしなければならないところです。アパートローンは経営を行うための資金を融資して『もらう』ものであり、金融機関側にとってもリスクが高い融資となるからなんですね。
それもそのはずで、新規に会社ができたとしても、10年後までに半数以上が消えてしまっているというデータから当然の判断だと考えられます。
特に初めてアパートローンを組む人にとっては、実績がなく、不動産業界で勤めた経験もなければ金融機関からの信用はマイナススタートと考えておくとよいでしょう。
そのため、後ほど詳しく解説しますが、アパートローンを借りる際にはきちんとした資料作成を行っていく必要があります。
金利が1%違うとこれだけ返済額が違う
ちなみに金利が1%違うとどれくらいの差が出てしまうのでしょうか。
実際に5000万円程度を1%の住宅ローンと若干優遇された2%のアパートローンで比較してみましょう。(元利均等方式による返済)話を単純にするために、両者とも固定金利とし返済期間を35年とします。
まず住宅ローンに関してですが、月の最大の利息支払いは4万1666円となります。また、アパートローンの場合、その2倍の8万3333円となってしまいます。
では、金利3%の通常のアパートローンであれば、利息支払いが3倍の12万円を超えることが簡単に分かりますね。そこに元金返済分が上乗せされることで、住宅ローンは16万円程度の支払い、アパートローンは20万円程度の支払いとなります。
これだけの違いが金利1%の違いであるときちんと理解しておいて下さい。
実際のところ、初めてアパートローンを組む方は3%程度が最安値になる可能性が高いため、リスクが高くなりがちですよ。ただし、実績を積み上げていくことで金融機関側と交渉し利率を引き下げることは可能です。
返済期間について
続いて返済期間についての解説です。
アパートローンは、建設される賃貸アパートの材質によって返済期間が上下することご存知でしょうか。RC造りとなると最長44年となっており、何が基準になっているかあまり知られていません。
そこで、ここでは何を基準にして限度返済期間が決まるのか詳しく解説していきます。
アパートローンの返済期間は原則耐用年数が限度
アパートローンの返済期間は原則、法定耐用年数が限度となっています。
簡単にまとめておくと以下の通りになります。
- 木造⇒22年
- 軽量鉄骨⇒27年
- 重量鉄骨⇒34年
- RC⇒44年
このようにアパートローン返済期限には限度が決まっており、実績に応じて限度いっぱいまで借りられるかどうかが決まってきます。
アパートローン審査の段階で、あなたの属性などを総合的に判断して返済期限が決められるということですね。実際には初心者であればあるほど、返済期限を短くされる可能性があり、アパート運用の資金繰りが難しくなってしまう可能性も高いです。
耐用年数とは
さて、耐用年数とは何かというと、この言葉と同じように使うのが減価償却です。
一般的に土地以外の不動産は耐久消費財に分類され、年次が過ぎるほどに資産価値が減っていくものとして税務上取り扱われています。ちなみに減価償却は魔法のような税務項目であり、例えアパートが満室状態であって利益が出ている状態であっても1年ごとに損失を計上していくことになり支出が出ていないのに利益を圧縮することができます。
では、なぜこの耐用年数がアパートローン審査における返済期限の基準となるのでしょうか。
次の項目で詳しく解説します。
なぜ耐用年数でアパートローンの返済期限が決まるの?
繰り返しになりますが、土地以外の不動産は耐久消費材であり、税務上毎年資産価値が目減りしていきます。これは、現状の経営状態とは関係なく一括で減っていくものであり、アパートの耐用年数を超えると収益不動産の資産価値は帳簿上では0円となるんですね。
金融機関側は、資産価値が0円になった段階で担保としての能力を喪失したものと考えるため、それまでに融資額の回収を行おうと考えるわけです。
アパートローンの繰り上げ返済は意味があるのか
さて、アパートローンは繰り上げ返済を行うことも十分可能です。
審査段階で提出した事業計画書で書いた計画が上手く行っていれば、剰余金が溜まってきて一括で返そうかと考えてもいいでしょう。
しかしながら、繰り上げ返済を行う場合には、手元資金が一時的に目減りしてしまうため、突発的な支出に耐えきれなくなる可能性もあります。突発的な支出のためにローンで金利が高い融資を受けると本末転倒となってしまうため一括返済を行う場合には必ず注意して行うようにしてください。
アパートローンを返済できなくなったらどうなるの?
さて、アパートローン審査を受けるにあたって不安に思うことは返済ができなくなった場合にどのような取り立てがあるのかということですよね。
昨今では違法な取り立て行為は法律で明確に禁止されていますが、返済が滞れば何かしらの手段を通じて金融機関から回収があります。
ここでは、どのように回収が行われていくのかを詳細に解説していきますよ。
銀行からの提案がある
まず大前提として、アパートローンが返せないと分かった時点で、金融機関に対して相談を行うようにしてください。
ここで黙って返済を遅らせてしまうと、にっちもさっちもいかない状態になってしまいます。
金融機関側としても、事前相談があった場合にはあまり良い手ではありませんが、フリーローンなどで追い貸しをしてくれる可能性もあります。
以上のように、金融機関側からの提案が必ずあると考えておきましょう。
なぜ銀行が厳しい対応を迫るのか
ただし、昨今の状況から金融機関側も厳しい対応を取らざると得ない状況となっている点には要注意です。また、返せないことを相談したからといって状況によっては厳しい判断をさせられる可能性もありますよ。
ではなぜ、このような厳しい対応をするのかというと、金融機関は預かったお金から利益を出すために運営される会社だからです。
特にメガバンクや地方の第一銀行などは上場しており、債権を焦げ付かせた場合、株主や預金を預けてくれている方に対して損失を与えてしまうことになりますよね。
更に言うと、担当者は債権を焦げ付かせたことによって左遷させられる可能性もあります。様々な状況が重なり、延滞者にとって厳しい対応になることがあることに留意してください。
次の項目からは、実際にどのような対応を金融機関から行われるのかについて解説していきます。
融資の撤回
金銭消費貸借契約を結んでいる以上、延滞は契約の打ち切り事由となってしまいます。
契約が打ち切られた場合、一括の返済が求められ返済ができない場合には、正当な手続きを踏んだ後に強制執行が執り行われる可能性が高いですよ。
任意売却・差し押さえ
融資の撤回の前に銀行から提案を受けやすい方法としては任意売却です。
任意売却とは、抵当権者が認める範囲内での売却が成立するのであれば抵当権を抹消して売却を行なえます。
ただし、当該不動産の価値があまりにも低い場合には抵当権者によってアパートの競売を申し込まれ回収となってしまいますよ。
また、銀行からの提案などにきちんと回答をしない場合などは強制執行により預金口座などを差し押さえられる可能性もあるので、誠実に答えるようにしてくださいね。
債権回収会社に一度建て替えて貰う
任意売却や競売などでも、ローン残債が残っている場合には債権回収会社に対して、現在持っているアパートの債権を買い取ってもらい回収を行うことが多いです。債権額の10分の1の値段などで買い取ってもらい、その後は債権回収会社に対して大家さんが支払いを行っていくという形になります。
債権回収会社はこういった焦げ付き寸前の債権を格安で買い取り、利益化するプロフェッショナルなので、裏側を知って上手く立ち回ることができれば、今までの融資額よりも少ない金額で帳消しにすることも可能です。
ただし、あくまで最終手段であることには変わりありません。
アパートローンを支払えなくなる原因とは
ではアパートローンが支払えなくなる原因にはどのようなことがあるのでしょうか。
アパートローン審査の段階で金融機関側の厳しいチェックを受けているからには計画面に関してほとんどの場合不備はないはずです。
しかし、計画の実行段階において何かしらの不備があればアパート経営は上手くいかないと心得ておいてくださいね。
ここでは、その要因について詳しく解説していきます。
アパートローン審査の段階で計画倒れしている
金融機関のチェックといっても、まだまだ事業計画のチェックには人が介在していることが多いです。そのため、計画書の段階では見抜けなかった計画の不備もまた存在する可能性があります。
アパートローン審査に通り、実際に経営を行っていく上で、その不備が露見して計画が倒れてしまえば、経営が上手く行かないこともありますよ。
アパートローン審査段階の計画が上手くいかなかった
アパートローン審査段階での計画はあくまで計画であり、どれほど完璧な計画を立てたとしても、外部環境の変化などによって全くといっていいほどアパートの入居者が集まらなかったなどで計画が上手くいかないことはたくさんあります。
計画の成功率が100%と言えることはほとんどなく、最終的には運に頼ることになってしまいます。
手持ちのキャッシュが尽きてしまって返済に間に合わなかった
資産自体は支払えるだけの価値があるが、キャッシュが枯渇してしまい、アパートローンの返済に間に合わなかったという事例もあります。
特に不動産などの現金化しにくい資産を持っている人ほどハマりやすいもので、できる限り手元に現金を残しておくようにしてくださいね。
あなた自身に万が一が起きてしまった
最後にあなた自身に万が一の事態が起こり、再起不能になってしまった場合にはどうしようもありません。
そのような状態になる前に団信に加入し、家族にアパートローンの負債が残らないようにしておいてくださいね。
アパートローン審査を有利に戦っていく方法とは
さて、アパートローン審査を金融機関に負けないように戦っていく方法はあるのでしょうか。
ここでは、アパートローン審査で審査に通るために何を行わなければならないのかについて解説していきます。
各銀行の特徴をヒアリングしておく
まず第一に各銀行の特徴はあらかじめヒアリングや調査をしておきましょう。ヒアリングを行う箇所としては申請書類の書式や審査方法がどのようになっているのかなどですね。
あらかじめ知っているかどうかで準備の時間が異なってきますし、情報を集めるだけでも精神的余裕にもつながってきますよ。
融資基準をきちんと把握しておくこと
では実際にアパートローンの融資をきちんと受け取るためには、何をしなければいけないのかについて解説していきます。
結論としては、融資基準を把握しているかどうかが肝になってきます。
融資基準として見られる点は以下の通りです。
- 収益性
- 資産価値
- あなたの属性
上記3つをクリアできるかどうかがとても重要です。
より深堀してみていきましょう。
アパートローン審査基準① 収益性
収益性とは、アパート経営における利回りを指します。端的に言うと、1000万円の借入を行ってアパートの家賃収入が年間100万円であれば、利回りは10%と言うことができます。
また10%の利回りを確保できていれば、仮定上10年で融資金額を回収することができますね。
でも、注意が必要なのがこの利回りには支出分が反映されていないことです。各種税金など実質的に支払わなければならない金額を反映させた実質利回りも見られると考えておいてくださいね。
特にこの利回りを高める方法としては、元々持っている土地を活用する方法が有効です。逆に言うと、土地から購入して金融機関側が期待する利回りを確保するのは至難の技となってきますよ。
アパートローン審査基準② 資産価値
アパートローンの審査を受ける際に、その他のローンとは異なりまだ未完成の建物を担保に入れて融資を受けることができます。
審査を初めて受ける人でも、金融機関側が融資を行ってくれるのは土地やアパートの建物に資産価値があると見込んでいるからなんですね。
資産価値は基本的に立地に恵まれているかどうかによって変わってきます。そのアパートが駅チカや周辺の施設に恵まれているかどうかなど様々な観点によって変動してきます。
あなたが購入予定の土地や建設予定のアパートの資産価値を推定しどれだけ価値があるものなのかまとめて伝えるようにしてください。
アパートローン審査基準③あなたの属性
最後にあなたの属性も審査基準に入ってきます。
アパートローンの審査では、事業性も見られますが、あなた自身の稼ぎがどれだけ安定しているかも金融機関側のリスクヘッジ要素として見られるということですね。高年収であればあるほど、万が一アパート経営が軌道に乗らず赤字が出ていたとしても、収入で補填できるという点が評価のポイントです。
頭金はできる限り用意する
続いてアパート審査を有利に戦っていくためのポイントは、頭金をできる限り用意することです。
現在の相場だと頭金は建築費用の2割から3割程度が望ましく、それ以下の場合、実績などが考慮されてきます。
現在の状況では、融資によって全ての費用を賄うフルローンの不動産投資はかなり難しくなってきているという認識を持っておきましょう。
なぜフルローンが難しいのか
結論からお話すると、金融機関側があまりリスクを取りたがらない現状があるからです。
フルローンでアパートローンを組むことができれば、手元に多くのお金を残せるというメリットがある一方で、返済が大きくなりがちなんですよね。返済額が大きくなればなるほど、不動産投資が失敗する可能性も高くなるため金融機関側もフルローンには慎重にならざるを得ないのです
事業計画書を説得力を持って作成すること
先に説明した収益性などの項目をわかりやすく説明するためには、アパート経営の事業計画書を説得力を持って作成する必要があります。
説得力を持つとは、誰の目から見ても理論上間違いがなく、アパート経営によって利益が出せる数字になっているかどうかということです。
事業計画書の中でも特に収益シュミレーションは審査の目が厳しいのでどのように作成していくのかここでは解説していきます。
収益シュミレーションで見られる項目とは?
収益シュミレーションで審査される点は、以下の3点です。
- 家賃設定
- 空室率予測
- 修繕費予測
では早速みていきましょう。
家賃設定
アパートの家賃設定が適切かどうかを判断する方法としては、賃貸サイトを見れば比較的わかりやすく、あなたが新築で建設したアパートの賃料とその他のアパートの賃料を比較検討すればいいだけです。
家賃設定は安ければいいというわけではなく、金融機関側に提出する収益資料などと合わせ判断する必要がでてきます。
なお、周辺の賃貸アパートと有利に戦うためにアパートの賃料を下げることは有効な戦術であり、収支のバランスを見極め実行していきましょう。
空室率予測
続いて重要なのがアパートの空室率予測です。
アパート経営において、常に満室であることはあまりなく、一定の空室を考えてシュミレートしているかも厳しくチェックされます。周辺のアパートの空室の平均値を調査し、それを織り込んだ数字を出してもなお収益が残せる計画を策定しましょう。
修繕費予測
アパートは耐久消費財であることは何度もお伝えしています。
年次を経る毎に、経年劣化が起こり、周期的にアパートの修繕を行わなければなりません。当然その修繕費が現在の相場でどれくらいになるかを考え、収益から積み立てていくシュミレーションも合わせて行う必要がありますよ。
専門家に作成してもらうことも考えよう
ここまで説明してきたアパートローン審査を有利に戦っていくシュミレーションは難易度的にかなり難しいと感じる方も多いでしょう。
当然、初心者の方にとっては自らアパート経営を行うためのノウハウが蓄積されているのは稀で、全てを自分で行う必要もありません。
資金に余裕がある限り、専門家に依頼してアパート経営の収支シュミレーションを行って貰うとよいでしょう。
【特集】アパートローン審査で金利を低く抑えるためのコツ
さて、アパートローンを組む上で一番の目的はできる限り金利を低く抑えることです。金利を低く抑えることができれば、あなたのアパート経営は軌道にのせやすいといっても過言ではないでしょう。
そのテクニックについて詳しく解説していきます。
あなた自身の属性を引き上げる
まず第一にあなたの努力でできることとして、属性を引き上げることです。繰り返しになりますが、あなたに一定以上の収入があり安定している職場であれば自然と属性はあがります。
そういった職場に勤めるもしくは年収をあげる努力を行っていくとよいでしょう。
できる限り変動金利を選ぶ
固定金利の方が支払わなければならないローンの金額が明確化され、収支の予測が付きやすいですが、現状では変動金利を選択するようにしてください。
日銀で発表される短期プライムレートも長期と同様にかなり低率になっており、変動金利を選択しておいた方が結果的に費用が安く済んでいます。
なお、今後の状況如何によっては固定金利の方がいいという状況もあることには留意してください。
ローン返済実績を作成しておく
アパートローン以外のローン返済実績もあなたの属性を引き上げるための良い資料となります。
例えば、マイカーローンなどは自動車という実物資産を買うためのローンとして有効ですよ。クレジットカードの使用履歴も信用情報に組み込まれているため、実生活で使いきちんと返済することでローン返済実績となりやすいです。
ただし、あなたの信用情報をどう評価するかは各銀行によって判断が分かれるところではあるため、あくまで補助的な項目としてお考え下さい。
金利を抑えるために施工会社経由でローンを組むこともあり
最後に裏技的な方法として、建築を行う施工会社にそのままアパートローンの取次を依頼することも考えられます。長年信頼関係を築き上げている施工会社であれば、有利な条件を引き出してくれる可能性も高いです。
アパートローン審査を受けるためにはどんな銀行がおすすめ?各銀行の特徴を抑えよう!
最後の項目ではアパートローンの審査を受けるにあたって、各金融機関の特徴についてまとめていきます。金利の傾向についても述べていますので、どこが自分の理想とする銀行なのか確認してみて下さい。
メガバンク
メガバンクの特徴は、金融機関の中でもっとも審査が厳しく、金利が安いことです。融資先に信用力が求められるため、事業実績や高年収、豊富な自己資金などの高いハードルが設けられます。そのため、利用しているのも富裕層の方々がほとんどです。
審査のハードルが厳しい分、他の機関よりも低い金利で融資を受けることができるので、高収入を得ている人におすすめです。加えて、支店が全国的に展開されているので、融資のエリアが広いこともメリットになります。
地方銀行
地方銀行は、メガバンクに次いで金利が安く、メガバンクほど審査基準が厳しくないのが特徴です。
難点として、地方銀行が地域の経済発展を目標としている機関であるため、融資の申し込みをする本人や購入する物件がある地域に、地方銀行やその支店がなければ融資がほとんど通りません。
しかし、メガバンクに比べると審査基準は緩めなので、銀行の営業エリア内の物件を購入する際にはおすすめの機関となります。
信用金庫
信用金庫の特徴は、ローン審査の際に様々な融通が効きやすいことです。
信用金庫は、利益第一主義ではなく地域全体の利益や相互扶助を目的に設立されているため、場合によっては耐用年数などの面で問題を抱える物件でも融資を受けられることがあります。
しかし、地域の利益が優先されるので、信用金庫が担当している地域の人や物件でなければ、どれほど良い物件や財産を所有している個人でも融資を断られるので注意してください。
そのため、ご自宅の近くに物件を所有したいと考えている人におすすめの機関となります。
なお、金利については各信用金庫によって大きく異なるので一概にいうことはできません。
ノンバンク
ノンバンク系金融機関の特徴として、融資に積極的なのが特徴です。
他の金融機関と比べて審査の基準が緩く、自己資金が少なくても融資を受けやすい傾向にあります。また、支店を通さないので全国どこでも利用できる点も大きなメリットです。
ただし、金利は高めで他の金融機関より1~2%高いことがほとんどなので、可能であれば他の金融機関を利用した方が良いでしょう。他の機関のアパートローン審査に落ちてしまった場合の、第二の頼り先としておすすめです。
政府系
政府系の金融機関としては日本政策金融公庫と商工中金があります。
日本政策金融公庫は国が出資する金融機関で、商工中金は政府と民間が共同で出資している金融機関です。
これら政府系機関は、利息も一般の銀行に比べて少なく、全国的に支店があるために利用しやすいというのがメリットがあります。
しかし、日本政策金融公庫の基本的な融資限度額は4,800万円、各種制度を利用しても7,200万円までの融資しか行われていないので、高額の物件を購入するのには向きません。
また、商工中金は耐用年数の評価基準が厳しいため、中古物件の融資を受けることも難しいです。
小規模の物件の購入や、新築物件の購入を検討する際に利用したい金融機関だといえるでしょう。
まとめ
今回の記事では、アパートローン審査に関してあらゆる側面から詳しい情報をお伝えしてきました。
アパートローン審査は各銀行によってブラックボックス化されており、各銀行の特徴が反映されるところでもあります。
そのため、アパート経営の実績がない内はできる限り多くの銀行を回りあなたの希望する金利を達成してくれるところを探していくとよいでしょう。
最後までご覧頂き誠にありがとうございました。
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※当コラムはあくまで個人的な見解に基づくもので、内容についてはご利用者様自身の責任においてご判断ください。