アパートを建てる基礎講座!建設費用の相場や管理方法まで徹底解説
『所有している土地にアパートを建てたいんだけど、どうしたらいいの?』
『アパートを建てる流れについてざっくり解説して欲しい!』
『アパートを建てる際の注意点には何があるのだろう?』
こんな疑問やお悩みはありませんか。
土地活用においてアパートを建てる選択を考えている方にとって、初めてアパートを建てる際には右も左も分からないですよね。そんな状況で、何を基準に土地活用を進めていけばいいのか分からないと思うのも仕方がないことです。
でも、基本知識も蓄えないまま土地にアパートを建てるには、投資金額が大きすぎて失敗すれば立ち直れないのも事実です。
そこで、今回の記事では、土地活用としてアパートの建て方についてその方法を流れに沿って解説していきます。
この記事を読むと、アパートの建てる方法と注意点が明確に分かるります。ちなみにアパート経営に失敗しない方法について、税金周りの観点や収益性の側面からもお伝えしているので是非最後までご覧ください。
アパートを建てる流れについて
アパートを建てるといっても具体的にどのように進めていけばよいのか分からない方も多いと思います。そこで、詳しい内容に入る前に、まずはアパートを建てる大まかな流れについて押さえていきましょう。
まずは土地活用の相談を行う
アパートを建てる第一歩は土地活用の相談を行うことです。
土地活用の相談先となると、不動産会社から建築会社・ハウスメーカーまで多岐に渡ります。初めのうちは迷ってしまうかもしれませんが、目的にあった相談先を選ぶことが大切です。
アパートやマンションを建てるという目的の中では、アパートやマンションの建築が専門であるハウスメーカーに相談するのがもっともおすすめといえるでしょう。
これらの建築会社・ハウスメーカーは、不動産に関する法知識から、住居需要から家賃相場まで賃貸住宅に関わる内容まで、建物を建てる先のことまで熟知しています。
ただし、できるだけ複数の会社に相談をして、納得できる相談先を選ぶようにしてくださいね。
アパートはどれくらいの坪数があれば建てられるの?
アパートを建てるにあたって坪数による制限はあまり関係がありません。
100坪の大きな土地に建てられることもあり、地価が高い都内では30坪程度の小さな土地でも建てられることがあるからです。
1坪あたりに掛かる建設費用は50~100万円程度の間となることがほとんどで、木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造の順番で高くなります。
小さな坪数の土地でも階層を増やして部屋数を増やすことができるので、坪数が少ないことであまり心配の必要はありません。
ただし、駐車場などのスペースを作る余裕は少なくなるので、車が必須といえる地方で小さな坪数のアパートを建てるのは避けるべきでしょう。
設計などの提案を受けるもしくは提案する
土地活用の相談を行い、大体の入居需要や家賃相場などの基本事項の情報を押さえたら、次は建てるアパートについて考えます。
建築会社やハウスメーカーに相談していれば、そのまま設計まで話を繋げてくれますし、不動産屋に相談をしていれば、その不動産屋と関係のある建築会社を紹介してもらえるでしょう。
建築会社を選ぶにあたっては、柔軟性や納期を守る信頼性、自分の理想としている建築物の建築実績など様々な選定基準があるので、自分がどれを重視するのか決めた上で、建築会社を選んでください。
提案を受ける場合には複数社で検討すること
アパートを建てることを依頼する会社を選ぶにあたっては、十分に厳選したとしても必ず複数社に見積りを出すことが大切です。
アパートを建てるときに1社だけで決めてしまうとアパートの建築費用が高いのか低いのかの判断ができないからです。相場よりも高い建築費用を払ってしまうと、元々高額になりがちな建築費用なので大きな損をしてしまいます。
万が一の大損を避けるためにも、アパートを建てる際には複数社に見積もりを依頼してくださいね。
事業計画を策定する
アパート設計と並行して作成していかなければいけないのが事業計画の策定です。
事業計画では、土地建物の基礎情報、家賃を基本とした入居者の募集条件、建築費用などの総事業費とそれに対する資金繰り、収入と維持費をまとめた大まかなキャッシュフローなどの内容を盛り込む必要があります。
事業計画によって想定する入居者の層や建物の構造が決まっていくので、事業計画を作成せずにアパート経営を始めることは自殺行為に近い行いといえます。
また、アパートローンを借り入れる際の審査にも使われますので、自己資金だけでは心もとないと感じている方も必ず作成するようにしましょう。
大事な計画だからこそ専門家のチェックを受ける
アパートを建てる土地活用の事業計画はアパート経営の根幹を支えるものなので、万が一間違った目算をしてしまっていると、事業が傾いてしまう危険性が高まってしまいます。そのため、第三者によって事業計画をチェックしてもらうようにしましょう。
アパート経営の専門家を選び、計画の必須事項が押さえられているか、長期的な目線で利益が見込めるモデルになっているのか確認してもらうことが大切です。
銀行からの融資は出ているかどうか
アパートを建てる際に必ずしも自己資金だけでアパート経営を始める必要はありません。
土地活用では銀行を含む多くの金融機関で組むことができるアパートローンを申し込むことも考えてみてください。
ローンを借り入れ、自己資金以上に使えるお金を増やすことでより大きな土地やアパートなどの建物を購入できます。
アパートローンは賃貸マンション・アパートの建物や土地の購入のために使わなければならないという制約があるものの、ノンバンク系統から借りる不動産を担保とするローンに比べて金利が安く設定されています。
アパート経営という点でみれば、金利が安いことは大きなメリットとなるので、優良な物件を買うための自己資金が足りない場合は積極的に利用していきましょう。
請負契約と着工
アパート建てるための建築会社が決まったら、その次に工事請負契約というものを結びます。
この契約を結ぶ際には、工期や代金の支払い方法が明記された工事請負契約書、建築工期の延長や工事の変更が発生した際などの細かい取り決めがまとめられた契約約款、契約金額が記された工事費内訳書、アパートの図面などの設計図書といった多くの書類が必要となります。
これらの書類を通して、建築会社との間に詳しい情報共有ができるので、契約後のトラブルを阻止するために必ず目を通すようにしましょう。
請負契約が締結されればいよいよアパートの着工が始まります。
十分なキャッシュを準備しておくこと
アパートを建てるにあたっては十分なキャッシュを用意しておきましょう。事業計画の相談や各種の手数料など多くの場面でキャッシュが必要となります。
特に大きなお金が必要となるのは、土地に建物を建てるときです。
大体の数字ですが、請負契約の締結時に建築費用の5~10%程度の先払い金が求められ、着工時に30%の着工金、骨組みが完成したあたりで30%の棟上金、竣工時に30%の竣工金が必要とされます。
土地にアパートを建てる費用によっては数千万円のキャッシュが必要となるので、かならず十分なキャッシュを用意しておきましょう。
通常、建物の引き渡し時に受け取るアパートローンを前借りすることのできる「つなぎ融資」という制度もあるので検討してみてください。
竣工
最後の検査である竣工検査を行った後に、アパートの引き渡しが行われます。
建築時に何度も工事現場で打ち合わせを重ねていれば、あまり心配する必要はないことが多いですが、設備がきちんと動くかどうか、目立つような傷はできていないのか検査を行いましょう。
後から不備が発覚してしまうと、入居者を入れられない期間が伸びてしまう危険があるので、第三者の機関を雇って検査に立ち会ってもらうことも考慮してください。
また、アパートローンを借りている場合は、建物の引き渡し時に資金を受け取れるようになっています。30%程度の竣工金を建築会社から求められるので、多額のキャッシュを必要とする場合も出てくるでしょう。
アパート経営は建てたら終わりではない
土地にアパートを建てたところから本当のアパート経営が始まります。
まずは入居者が集まらないことには収益を得ることはできません。そのため、アパートに入居者を集めるための営業活動を引き続き行っていく必要があります。加えて、入居者が快適に暮らせるように賃貸住宅の整備を定期的に行っていかなければいけません。
これら管理費用などのランニングコストがアパート経営では必要となってくるので、空き部屋に入居者を招き、賃料によって黒字化するまで気が抜けない状態が続いていきますよ。
アパート経営は建物を建てたところから始まると意識して下さい。
管理会社を選んでおこう
土地や賃貸住宅を購入する人の中では本業をお持ちの方も多いです。そのため、アパートの整備や集金などの大家業の実行が困難であることが想定されます。
本業に差し障りがないよう、大家としての仕事を代行してくれる管理会社を選んでおきましょう。
管理手数料は定額ではなく、家賃総額の大体5%前後の料金を取られることが多いですよ。
クレーム対応や家賃滞納保証などの業務が基本料金内に入っているのかどうかは管理会社によるので、追加料金を後から払うことを避けるためにも業務範囲は必ず確認するようにしましょう。
土地にアパートを建てるメリットは?
さて、土地にアパートを建てるメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。土地活用の目的にもよりますが、大きく分けて3つ存在しています。
ここでは、そんなメジャーな3つについて詳しく解説しますよ。
アパートを建てるメリット① 土地活用で節税を行うことができる
なぜ土地活用を行うのかというと、更地のままでは固定資産税を垂れ流してしまう負動産になる可能性が高いからです。
土地活用を考える上で、アパートを建てる選択肢は固定資産税を大きく下げる手段となってくれます。条件にもよりますが、最大で固定資産税評価額の6分の1まで減価できますよ。
アパートを建てるメリット② 土地活用が上手く行けばキャッシュフローを得られる
アパート経営となると不確定要素も大きいですが、上手く軌道に乗せることができれば、節税だけでなく、手元に入ってくるお金の流れを作り出すことができます。
安定したキャッシュフローが生み出されれば、更に大きな土地活用を行っていくこともできますよ。
アパートを建てるメリット③ 土地活用でのアパート経営は相続税対策として経営することができる
キャッシュフローを生み出す攻めのアパート経営とは違い、相続税対策としてアパートを建てることも可能です。
更地のままであれば、相続税評価額は時価相当額となりますが、アパートを建てることによって大きく減額できます。借地権割合によって異なりますが、最大で3掛け程度にまで評価額を下げられます。
そこに、アパートローン残高が負債として計上され、大きく相続税評価額が下げて計上できますよ。
アパートを建てる際の基礎知識講座!
さて、アパートを建てる際にはどのようなことに注意すればいいと思いますか?
基礎知識があるのとないのとでは、スタートラインが違い、最終的に損をするか得をするかも左右してしまいます。
そこで、この項目では絶対に抑えておいて欲しい項目をまとめ、皆さんに基礎知識を伝授していきます。
アパートを建てる建築会社はどこがあるの?
アパートを建てる際に一番始めに選択を迫られるのは、どういった会社に建築を依頼するかということです。
主に3系統の会社に分類されるので詳しく見ていきましょう。
大手建築会社で建てる
大手建築会社は、大規模な工事に適正がある施工会社です。一般的にゼネコンと呼ばれる形態であり、アパートだけでなく大型商業施設なども手掛けていますよ。
そのため、こちらへの施工依頼には、大規模な土地開発を行う必要があり、各種専門家ともタッグを組む必要が出てきます。
ハウスメーカーで建てる
ハウスメーカーはテレビCMなどでも流れてきますが、大和ハウスや積水ハウスなど知名度が高い企業が名を連ねています。早く安く建設することに長けており、自社内で一貫した施工を行うこともできるのが特徴です。
ただし、大手になればなるほど広告関連費用が工事の原価内に含まれてしまい、安定感があるが割高になってしまう可能性にも考慮しましょう。
工務店で建てる
工務店とは一般的に地域密着型のビルダーを指し、積極的な広告活動は行わず数名の社員で切り盛りしているメーカーです。
そのため、上述した2つの種類に比べて、信用力や安定性には欠けますが、優良工務店とタッグを組むことができれば、建設費用や対応力で群を抜いたアパート建設が実現できるでしょう。
ただし、玉石混合のため地道な営業活動と情報網を広げる活動をオーナー自身が行っていく必要もありますよ。
間取りと収支はどうやって決めているの?
さて、意外と解説が少ない事項である間取りと収支の決め方についてここでは解説していきます。
アパート経営において、融資を受ける際にもっとも重要なものが収益性です。収益性を高めるためには、アパートを建てる際に発生した総取得費用から1部屋あたりの賃料を割り出していく必要があります。
具体例をあげると、100坪の土地に坪単価60万円程度で木造のアパートを建てるとなると、総額6000万円程度となります。
※話を単純化するために建ぺい率などは考慮していません。
間取りを3LDKにすれば、大体4部屋を確保でき、1kで広めの住居としたい場合には大体10部屋から12部屋程度を確保できる計算です。
ここから、実際に賃料を割り出していくための計算式は以下の通りです。
(総取得額×期待利回り+年間諸経費)÷12ヶ月÷戸数=1ヶ月の賃料
年間諸経費については今回割愛します。
期待利回りはどれだけの期間で投資額を回収したいかによって変動してきます。
例えば10年間で回収したい場合には10%と設定しましょう。
この計算式に代入を行うと、3LDKであれば月間の家賃は12.5万円、1Kであれば約4万2000円と算出されます。この値を事業計画書に落とし込み、競争力があるか確かめていくこともオーナーの重要な仕事です。
アパートの管理はどうやって行うの?
さて賃料が算出されても、実際に運営するとなるとアパートの管理も重要になってきます。
その際に考慮すべき管理方法が4つ存在しているため、ここではその4つを紹介していきますよ。
自主管理
もっとも費用を掛けずにアパートの管理を行うのであれば、自主管理がおすすめです。
自主管理とは、昔ながらの大家業と言えばイメージしやすいですが、賃料の回収からメンテナンスを自己責任において行っていく方法です。この方法は、もっともオーナーのキャッシュフローを高める管理方法ですが、時間のロスが多いという明確なデメリットも存在しています。
管理会社に委託する
次に多い形態として、自主管理できない兼業大家さんが使用する方法として、管理会社に委託する方法です。
賃料回収から、クレーム処理まで行ってもらい1戸あたり賃料の数%を徴収されるという形が多いですよ。本業がある方におすすめの方法です。
パススルー型サブリース形式
管理会社に委託する方法の中に、パススルー型サブリースも含まれます。
この委託方法は、管理会社に直接委託する方法のように、各契約書を書くという手間がなく契約時の時間ロスが少ないです。
これはなぜかと言うと、サブリース契約によって一括でアパートを借り上げ、徴収した賃料の90%から95%を支払うという形態が多いからなんですね。単なる管理委託だと、共用部分の管理をどうするのかなど、様々な契約事項があるため、時短を含めてもっともおすすめな契約形態です。
一括借り上げ型サブリース形式
昨今話題になっているのが一括借り上げ型サブリース形式です。家賃保証を謳い、空室のリスクをオーナーではなく管理会社が負います。
しかしながら、この契約形態は家賃保証の減額交渉など、様々な要因で欠陥があり提案を受けた場合には厳しいチェックが必要になってきますよ。
アパート建築費用の相場はどれくらい?
アパートの建設費用は使用する材質によって異なってきます。木造であれば、坪単価60万円程度、鉄骨であれば80万円程度、RCであれば100万円程度が相場となっています。
単純計算として、ここに建設する坪数をかければアパート建築費用の目算が可能となりますよ。
ただし、各種税金や付帯工事費用を含めると、目算の3割程度が追加費用として必要です。
アパート建設に適した土地とは?
アパートを建てるために適した土地は、狭小地であったとしても賃貸需要がある土地です。
例えば、駅チカなどは分かりやすい指標ですね。また、郊外であっても地方で車社会が発展しているのであれば、賃料で差をつける施策などで賃貸需要を満たせます。
土地にアパートを建てる際に注意したい事項とは
続いて基礎知識が溜まった段階で、土地にアパートを建てる際に注意したい事項について簡単に解説していきます。
土地活用としてのアパート経営は多種の知識が総合的に求められる点が結論で、注意すべき点も多種多様です。
アパートを建てるべき土地に建設すること
繰り返しになりますが、土地活用としてアパートを建てる場合には、賃貸需要があるかどうかが重要です。賃貸需要がなければ、入居者を集めることができず、たちまち経営が立ち行かなくなってしまうからですね。
賃貸需要を調査するためには、人口動態のチェックや周辺の施設の調査、実際に住んでいる人への聞き込みなどが有効です。
業者選びには慎重になること
後ほど詳しく解説しますが、土地活用を行いキャッシュフローを得たいのであれば、業者選びには慎重になりましょう。
アパート経営を行っていく上で、収益を決める決め手は最初の工事費用が根幹となってきます。どれだけ経営努力を行って収益性を高めても、元となる投資金額が大きくなりすぎては元も子もありません。
アパートを建てる際の施工業者によっては、見積もり段階で相場以上の金額をふっかけてくる業者も存在し、あなたが初心者であればあるほどカモにされる可能性が高まります。
必ず相見積もりを取り、複数社との相談を通して施工会社を選ぶようにしてくださいね。
収益性を高めるために間取りを工夫する
収益性を高める計画として、間取りを工夫することも注意事項としてあげられます。
先程試算した1Kと3LDKであればどちらの方が収益性を高められるでしょうか。実は1Kの方が1坪あたりの賃料を高めることができやすいんですね。
賃料総額が12.5万円の3LDKだと、新築を購入した方が安いと感じがちですが、場所や築年数にもよりますが1Kで6万円から7万円というのは妥当な値段です。
この場合、3LDK(22坪)の坪単価は大体5600円程度ですが、1K(8坪)として計算すると最大8750円まで高めることが可能ですよ。
アパート経営を行う際の適正利回りについて
土地活用を行う上で、適正利回りを知っておくことは、経営計画を策定する上でとても重要です。
なぜなら、収益を計算する計算式の中でも、変数として存在し、利回りをどう設定するかによって想定賃料など全てが変わってくるからなんですね。
適正利回りは都市部と地方部によって異なり、大体5%から10%の間で推移します。都市部の方が利回りが低い傾向にあり、賃料収入だけでは投資元本を回収するために20年程度かかると考えておきましょう。
ただし、地価の高騰などで売却益があることを考えると一概に利回りが低いからだめということはありません。
土地活用で節税だけが目的になっていないかを考えること
土地活用として、アパートを建てる場合にはキャッシュフローを得ることが一番重要です。
もし仮に、キャッシュフロー得られず赤字を垂れ流し続けるのであれば、本末転倒の結果となってしまうからなんですよね。
確かに土地にアパートを建てることによって、固定資産税などは大きく削減することが可能ですが、あくまで賃料収入でプラスに持っていくという意識は持ち続けてくださいね。
各種の相場を知っておくこと
繰り返しお伝えしていますが、アパート経営において総費用をどれだけ抑えられるのかは非常に重要な問題です。その有効な対応策としては各種相場を知っておくことが重要なんですね。
ここまで各種相場についてお知らせしてきましたが、まだお伝えしきれていない2点についてここでは解説していきます。
調査を依頼する場合のセカンドオピニオンの費用はどれくらい?
アパート経営を行うにあたって、各種税金がどれくらいになるのかや、事業計画の策定の依頼、チェックを行うためにはセカンドオピニオンの意見を聞く必要がでてきます。
各種専門家である彼らに相談を持ちかける場合には、費用を知っておく必要があるため、ここではメジャーなセカンドオピニオンの費用についてまとめていきます。
- 税理士⇒1時間あたり1万円
- 司法書士⇒30分あたり5250円
- FP⇒1時間あたり0円〜(大体1万円)
各種専門家に相談する場合には、上記の値段が時間あたりに加算されます。
FPに関しては明確な報酬体系が法律上定められておらず、税理士や司法書士などと比べて依頼する専門家によってまちまちとなっています。一般的に成果を出している方が費用も高くなるという点を抑えて、依頼する人を選んでくださいね。
また、各専門家が作成する専門文書の作成などは別途費用が必要なため、事前に確認するようにしてください。
その他の経費はどれくらいかかるものなの?
土地にアパートを建てる際には、建築費用とは別に諸経費がかかります。かかる費用としては10%程度が相場であり、その中に各種税金や登記費用などが含まれますよ。
そのため、建築費用の概算が出ても、その総額の資金を用意すればいいというわけではなく、キャッシュを十分に備えておく必要があります。
全ての建築費用を賄えるからといって、全てを手持ちキャッシュで払う必要はなく銀行融資を使い借りれるだけ借りてしまうのも有効な戦略の一つとして心得ましょう。
金利リスクを抑える大切さ
この項目の最後は金利リスクを抑える大切さです。
金利リスクとは、借りたお金に対して支払う利息を指し、できる限り安い方がアパート経営は上手くいきやすいです。例え、経営が上手くいかなくても、継続することができれば成功する確率は高まっていくことを忘れないでくださいね。
失敗しないアパートの建て方とは
注意する事項を押さえたところで、次にアパート経営を失敗しないための方法について解説していきます。
アパート経営は大きな金額が初期投資に掛かる分、失敗による代償が大きくなりがちなので、土地やアパートを購入の前に必ず準備をしていきましょう。
あなたのアパート経営の目的を明確化する
失敗が起こる大きな原因としてアパート経営の目的が明確化されていないことが挙げられます。「不労所得のため」「相続税を節税するため」「定年後の生活資金を得るため」等が代表的な目的として考えられます。
事業全体の計画や必要とする賃料収入はこれらの目的に沿って決めていく必要があります。
目的が定まっていなければ、必要以上にリスクの大きい土地や建物を購入してしまい、管理費用の支払いに苦しんでしまうという事態もありえます。
適正な建築費用で建てること
動かすお金が大きい分、適正な建築費用でアパートを建てることも金銭的な失敗のリスクを抑えるために必要になってきます。
適正な建築費用を見極めるためには、相場を知ることが重要です。建築費用は会社によって異なるので、複数の建築会社を使って比較検討を行い、自分が一番納得できる建築費用や提案を示してくれる会社を選ぶようにしましょう。
土地やアパートは大きな買い物となる分、慎重になりすぎて損することはありません。
融資先の銀行をきちんと選定すること
また土地活用を目的としてアパートローンを借りる場合、融資を受ける銀行はどこでも良いわけではありません。なぜなら、銀行によって金利が変化するからです。
一般的にメガバンクはローン審査の条件が厳しく、収入や貯蓄に余裕がある人でないと融資を受けられない可能性が高いものの金利が格段に安くなっています。
一方で、ノンバンク系は審査基準が緩いものの金利は高めです。
土地の購入やアパート建築を行う場合、数千万単位でお金がかかるので1%の金利であっても毎年数十万円の単位で返済する金利分の額が違ってきます。
返済額が上がる分、求められる収益が多くなりアパート経営が難しくなるので、融資を申し込む銀行は可能な限り安い金利の機関を選びましょう。
収支計画が適切かどうか専門家の判断を仰ぐこと
収支計画は収入と支出を明確化させ、経営を黒字化させていくための指標となる事業計画の一部です。
万が一にも作成を間違ってしまっていると、計画した以上にお金が出ていってしまい経営が頓挫してしまう危険があります。
そういった危険を防ぐためにも、税理士や会計士などの専門家によるチェックを入れることが危機回避の有効な手段となります。
あくまでも数字の面での助けにしかなりませんが、経営方針を立てる上で必要な収支の情報が明確化されることで、経営の指針が立ちやすくなりますよ。
アパート経営は長期的なものとなるので、初期段階の費用を惜しんで、後々に大きな損失を生んでしまう事態は避けて下さいね。
土地活用に必要な十分なキャッシュが用意できているか
よくある土地活用の失敗として、資金ショートがあります。
アパート経営初心者の方は、アパートを建てたらそこで出費が落ち着くと考えがちです。しかし、実際には土地の固定資産税や住民税などの各種税金や建物の修繕費用などが必要となってくるんですね。
長期的な事業となるアパート経営は、経営を軌道に載せ利益を黒字化させるまでに時間がかかることも多いので、途中で資金ショートを起こして事業を頓挫させてしまわないように手元に十分な額のキャッシュを用意しておきましょう。
金利を下げる努力を行うこと
土地購入やアパート建築をする際、金利の高い金融機関から融資を受けてしまい、大きな金利の返済額に頭を悩ませてしまうこともアパートを経営する上で起こりえます。
このような事態を避ける、もしくはリカバーするためには、他の金利の安い金融機関からアパートローンを借りる、借り換えが有効な手段となります。
以前より収入状況が改善しているなど、より金利の安い銀行の審査を通過できる条件を満たしているのであれば積極的に借り換えは行っていくべきです。
また、基本的にはNGですが、金融業界の競争の激化によって近年では、初めに借り入れた銀行に金利交渉を相談することも可能になってきています。金利は返済総額に大きく影響してしまう要素なので、金利を下げる努力を行うことを怠ってはいけません。
賃貸併用住宅という手段もあります
金利を安く抑える手段の一つとして、賃貸併用住宅を建てる目的で土地活用を行うことも考えられます。
賃貸併用住宅とは賃貸住宅を自分の住居として設定できると、アパートローンよりも金利の安い住宅ローンでの融資を受けられます。アパート経営への投資として融資を受けるアパートローンと比べて、住宅ローンは審査基準が緩いのも利点です。
住居として活用できる土地の物件を購入する場合には、賃貸併用住宅を建てることを目的として住宅ローンを借りることも考慮していくとよいでしょう。
住宅ローンと一般のアパートローンでは金利に3倍程度の差があることも抑えておいて下さい。
アパートを建てるなら土地選びも重要
最後は土地選びの失敗です。
アパート経営は入居者の賃料から利益を出すビジネスなので、賃貸需要のある土地を選ばなければ無駄に空き部屋のリスクを増やしてしまいます。
必ず人口が流入する傾向にある土地や、持ち家よりも賃貸住宅が好まれるような土地を選ぶようにしていきましょう。
アパートを建てる前から、地方から都市部への人口流出や外国人労働者の増加など様々な賃貸需要に関わる情報を日ごろからキャッチし、土地選びで失敗しないように気を付けましょう。
まとめ
今回の記事では、土地にアパートを建てるとはどういうことかについて詳しく解説してきました。土地活用としてのアパート経営は、税金面や昨今の外部状況を鑑みると優良な手段のように思えます。
しかしながら、経営はあくまで経営です。
アパート経営に必須な基本項目の知識を十分に蓄えて、実際の土地活用を考えアパートを建ててください。
そのためにも本記事の基本知識講座によく目を通して、あなたに足りない知識を補完していってくださいね。
最後までご覧頂き誠にありがとうございました。
アパート建築の会社・情報コラムのメリット
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多くの会社から見積りを取り寄せることで、適正な建築費を知ると同時にコストを抑えられます。タテールでは各優良会社から見積りを取れます。
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※当コラムはあくまで個人的な見解に基づくもので、内容についてはご利用者様自身の責任においてご判断ください。