アパート建築の会社・情報コラムコラム

アパートをお得にリフォームするなら、補助金を有効活用しよう

2020.07.13

所有の不動産(アパート)のリフォームを行うとなると、多額の出費が予想されます。入居率を上げるためにリフォームが必要になるでしょうし、賃借人が退去する時には、必ずと言って良いほどリフォームが必要になります。
必要に迫られて行うリフォームだからこそ、何かお得に済ませられたら良いですよね。

そんな時こそ、補助金の制度が有効になります。
でも、戸建て住宅に限った補助金ばかりが目について、アパートのリフォームのための補助金は中々表に出てきません。そこで、今回の記事では、アパートのリフォームをお得に行うための補助金制度について解説していきます。
この記事を読むと、主な補助金2点が分かるので、ぜひ最後までご覧ください。

アパートのリフォームを行う際の費用は?

まず、アパートのリフォームを行う際の費用について簡単に解説していきます。
リフォームの施工は、そのときどきによって単価が異なってくるため、あくまで参考値としてお考えください。

リフォームの費用は以下の数値が参考になります。
 外壁塗装⇒約200〜300万円
 内装のスケルトンリフォーム⇒約40万円(1坪あたり)
 和式トイレを洋式トイレに交換⇒約15万円から

このように部分的なリフォームやスケルトンリフォーム問わず、少なくない費用がかかることが分かりますね。
これらの費用の一部を補助金で賄うことができれば、不動産の価値を上げるだけでなく、本来出ていく予定であったお金を広告費などに回すことで、一層経営に弾みをつけることができますよ。

アパートをリフォームする際の補助金について

さて、先ほどから補助金という言葉が多数出てきていますが、この言葉の定義について皆さんはご存知でしょうか。
国や地方自治体から支給されるお金には大まかに言って2種類あります。
具体的には、補助金と助成金と呼ばれるものです。
ここでは、この言葉の定義を押さえながら違いについて解説していきます。

補助金とは

補助金は、利用目的に応じて国や自治体から支給されるお金を指します。
対象者は企業だけでなく、個人も含まれ数多くの対象者が存在しています。
ただ、注意が必要なのが、補助金は国や自治体の予算が決まっている点です。
こちらについては、後ほど助成金と比較して述べていきます。

助成金とは

助成金とは利用目的に応じて国や自治体から支給されることは補助金と変わりませんが、主に労働に関する助成を行う目的で支出されることが一般的です。
昨今の事例で言うと、雇用調整助成金などが有名ですね。

補助金と助成金の違いについて

補助金は予算ぎめがなされており、申請を行える事業者・個人の数に限りがあります。
一方、助成金に関しては申請用紙がきちんと提出された分だけ支出されるといった特徴があります。
このように、受け取りに関してハードルの差異がある点について注意を行いつつ、補助金に関しては素早い申請用紙の提出が必要となってくる点に留意しておいてください。

アパートリフォームのための各種補助金・助成金について

さて、アパートリフォームのための各種補助金や助成金にはどういったものがあるのでしょうか。
有名なところでいうと、新たな住宅セーフティーネット制度があげられます。
こちらは、募集が始まって一定数の応募があると締め切られてしまうため、補助金に該当することが分かりますね。
助成金と言うと、各自治体が行っていることが多いことも特徴です。
例えば、東京都文京区では、共用部分のバリアフリー化に関して税抜き工事代金の10%(上限100万円)までを助成しています。
次の項目からは、非常に多くの項目で補助金が支給される新たな住宅セーフティーネット制度について、支給要件などを詳しくみていきましょう。

【アパートリフォームをお得にする補助金】新たな住宅セーフティネット制度について

この制度を使用すれば、アパートのリフォームに関して大幅な減額を見込むことができます。
そのため、この制度を一度は耳にしたオーナーも多いのではないでしょうか。
ここでは、新たな住宅セーフティーネット制度の概要について触れながら、その細目に踏み込んで解説していきます。

新たな住宅セーフティネット制度とは

新たな住宅セーフティネット制度とは、一言で言えば社会的弱者の救済を目指した制度です。
その背景には、少子高齢化や一人親家庭などの収入の格差が広がりながらも、国が公営住宅を増やすことができない現状と、民間の賃貸アパートでは空室が目立っているというギャップの是正があります。
この制度をオーナーが使用するためには、住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅の登録制度を通して、所有する賃貸アパートを登録する必要があります。
こちらについては後ほど詳しく解説していきます。

補助額について

では、この制度を使用して補助金を受け取ると、どれほどの恩恵に預かれるのでしょうか。
この点について、各種補助金が出るリフォームについて、明確な数字を示しながらここでは解説していきます。

間取り変更工事でアパートリフォーム補助金を得る

一軒屋を共同で暮らせるように、シェアハウス化する工事に対して補助金が支払われます。共同共住型賃貸と専門用語になっている点に注意してください。
こちらの工事については、工事費用に対して最大100万円の補助金が支給されます。
補助金を受け取る名目でのシェアハウスへの変更は厳格な規定が設けられている点に注意して下さい。
この制度を利用しないシェアハウスを運用する上では、現在の日本の法制度上かなりの自由が認められていますが、新たな住宅セーフティーネット制度化において、シェアハウスと認められるためには、国土交通省告示第九百四十一号に記載されている全ての要件を満たす必要があります。

バリアフリー改修でアパートリフォーム補助金を得る

現在のアパートを専用住宅にする目的でバリアフリー化する場合には、1戸あたり100万円の補助額が支給されます。
専用住宅の整備という名目でのバリアフリー化だと、1戸あたり50万円の補助金となっています。

その他の工事について/h4>
ここまで紹介してきた他にも、細かいところにまで補助金が支給されるのがこの制度の特徴です。

具体例を挙げると以下の通りになります。
 子育て世帯対応化改修工事⇒最大100万円
 耐震改修工事⇒最大100万円
 専門家の調査後必要とみなされた工事⇒最大50万円
 居住支援協議会等が工事が必要と認める改修工事⇒最大50万円

居住支援協議会等が認める工事とは、遮音・防音工事や、防火・消火工事等を含みます。
こうしてみると、隅々まで補助金が出るということが分かりますね。
その分、補助金の申請要件もかなり複雑になっているので注意してみていきましょう。

補助金の申請要件

制度を利用した補助金の申請要件の要は、あなたが所有する賃貸を地方自治体が管理する名簿に登録することです。
この申請なしには、制度自体を利用することができません。
その他の注意すべき点についてもここでは解説していきます。

住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅への登録

補助金の申請を行うためには、住宅要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅として地方自治体に登録する必要があります。

住宅確保要配慮者とは、月収が概ね15万8000円以下の世帯を指します。
※月収の算定方法は公営住宅法による。
世帯という言葉から想像できる通り、単身者だけでなく子育て世代も含まれるという認識が必要です。
一般的に、家賃滞納リスクなどを考えて審査段階で要検討となる人や世帯に対して住居を提供するという意思表示を行うのが、住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅への登録となるんですね。
しかしながら、登録に際しては受け入れを行う範囲を指定することができますよ。

住宅の登録基準

また、上記の登録を行う際には住宅の登録要件もあります。

1. 耐震性を有すること
2. 住戸の床面積が25㎡以上であること(シェアハウスでは9㎡以上)
3. 住宅の全面積が15㎡×居住人数+10㎡以上であること
4. 生活設備が適切に配置されていること

以上の4点を満たす住宅が登録することもできますが、自治体によって強化緩和できる項目でもあるため、確認が必要となってきます。

上限家賃額もきちんと確認しておくこと

国から改修費の補助を受けた場合には、上限家賃額が設けられています。(P51参照)
具体的に言うと、東京都の千代田区では8万3000円、地方である三重県だと4万4100円となっているんですね。
登録の際に、きちんとこの額を確認しておかないと、費用割れを起こす場合もありますよ。

提出書類について

最後に、あなたの賃貸アパートの形態によって補助金の申請書類が変わってきます。
提出書類に一点でも不備があれば、再提出となる恐れもあるため、専門家に任せた方がいい分野でもあります。
あなた自身で行う場合には、ダブルチェック・トリプルチェックを行うよう徹底してください。

新たな住宅セーフティネット制度のメリット・デメリット

さて、ここまで制度に関する補助金額や申請要件などについて解説してきましたが、果たして申請するメリットやデメリットは何になるのでしょうか。
ここでは、その点について詳しく解説していきます。

住宅セーフティネット制度のメリット

まず第一に、この制度を利用するメリットは、補助金を受け取ってリフォームを行える点です。
補助金は後払いになりますが、最大で100万円以上のお金が帰ってくるとすると経営に幅をもたせることもできますよね。
また、補助金だけでなく、入居者が出た場合の補助金も用意されているため、家賃を下げて競争力を高めることもできてしまいます。

住宅セーフティネット制度のデメリット

ただ一点注意が必要なのが、この制度に登録すると経営の自由度が失われるという点です。
あなたが登録した条件に合致する方が現れた場合には、それを拒むことは禁じられているからです。
不動産オーナーとなった以上、自己の責任で経営を行うというのも醍醐味の一つのため、デメリットと呼んで差し支えないでしょう。

アパートの長期優良化住宅化リフォームについて

最後の項目では、長期優良化住宅リフォームによる補助金について解説していいます。
ここまで大規模な補助金が出る制度について解説してきましたが、こちらもその一つです。
この制度は、戸建て住宅だけでなく、アパートのリフォームにも適用できるんですね。
では、早速見ていきましょう。

長期優良住宅とは

長期優良住宅とは、長期間にわたり、住宅が良好な状態を保たれるという配慮をもって、建築・リフォームされた住宅を指します。
こちらもいくつかの要件があり、一部をのせると以下のようになります。

1. リフォーム前に専門家の診断を受けること
2. 診断結果に基づきリフォームを行い、耐震性や省エネルギー性を備えていること

良好な家屋で多くの世代が同居することを目的として設計された政策のため、上記のような条件が加えられています。

補助金について

ちなみに、補助金については以下の通りとなっています。

1. 長期優良住宅の認定を受けずとも一定の性能向上があること⇒最大150万円
2. 認定を取得した場合⇒最大250万円
3. 認定を取得し、かつ省エネルギー性を更に高めた住宅⇒最大300万円

補助金は工事費用の3分の1が支給され、全て1戸あたりで計算されます。
なお、こちらの補助金はリフォーム業者が申請するもののため、アパートを長期優良住宅化する場合には、業者に対して相談を行うようにしてください。
なお、3世代同居型の改修を行う場合にのみ、各種最大の補助金を受け取れるようになります。

まとめ

今回の記事では、アパートリフォームをお得にするための補助金について詳しく解説してきました。
繰り返しになりますが、どれだけ優れた補助金でも予算が決まっており、予算がなくなると補修が終了してしまいます。
大規模な補助金ほど、多くの方が殺到するため早期に提出するために前年度からの入念な計画が必要となります。
念入りな準備を行って、お得にリフォームを行えるといいですね。
最後までご覧頂き誠にありがとうございました。

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