土地活用の種類やメリット・デメリット、経営の方法を詳しく解説
「土地活用にはどんな種類があるの?」
「どんな方法が、自分の場合には合っているのか知りたい」
「自分の目的や土地に適した土地活用を見つけたい」
こんな疑問やお悩みありませんか?
使っていない土地を相続などによって手に入れた場合、持っているだけで固定資産税が掛かってしまう土地を持て余してしまう方もいますよね。
余った土地を有効活用して収入を得てみたいと思っても、どんな活用方法や経営の仕方があるのか知らなければ、悩んでいつまでも土地を持て余したままになってしまいます。
そこで、今回の記事では土地活用の種類や経営の方法を詳しく解説していきます。
収入や転用性などそれぞれの目的に即した土地活用についても併せて解説していくので、ぜひ最後までご覧ください。
土地活用とは
そもそも土地活用とは、利用の程度が低い低利用地やまったく手を付けていない未利用地がもつポテンシャルを引き出して収入を得たり、土地の保全を図る行為です。
人の入居需要がある土地に賃貸住宅を建てたり、往来が多い土地に駐車場を建てるなどして収入を得るのが代表的な土地活用の例といえます。
その土地活用を始めたいと考える前提としてまずは、土地活用自体のメリットとデメリットについて押えていきましょう。
土地活用のメリット
節税対策になる
土地活用が行われる大きな理由の一つとして節税対策が上げられます。
たとえ、経営に使っていなくても土地は所有しているだけで固定資産税と都市計画税の二つが掛かってしまいます。
しかし、節税効果の大きいアパートやマンションなどの賃貸住宅の経営を行う場合、土地が「住宅用地」という名目として扱われるようになるため、固定資産税の課税額が最大でも6分の1、都市計画税が3分の1にまで減税されるのです。
特に減税による利益が大きくなりやすい高地価の都市部ほど、節税対策としての土地活用がよく考えられています。
収入に繋がる
また、もう一つの大きなメリットは土地活用による経営で収入を上げられる点です。
土地は税金の問題から持っているだけでは収入や資産を減少させてしまいます。
しかし、土地活用による経営で黒字を出せば、逆に収入を増やすことができます。
そのため、自分の収入を増やしたいと考えている人であれば土地の経営は積極的に行っていくべきです。
土地活用のデメリット
初期投資が必要
土地活用のデメリットとしては、土地に対する初期投資が経営の上で必要な点が挙げられます。
小規模な土地活用を選んだり、ローンを組めば、少額の資金でも土地を経営していけますが、それでもある程度のまとまった資金の投資が土地には必要不可欠です。
土地活用後の経営に関わる費用も必要なため、資金に余裕がない人にとっては土地の経営は厳しいところがあります。
赤字になることも
第二のデメリットとしては、土地を経営しても黒字が確約されていない点です。
もしも経営の赤字を招いてしまった場合、元々税金で目減りする予定だった金額以上の収入や資産減少を招いてしまう可能性があります。
そのため、土地活用を始めたいと考えているのであれば、経営する者としての自覚を持ち事業を成功に持っていくための努力が必要です。
土地活用の基本とは?
さて、土地活用のメリットとデメリットを知った上で、それでも経営者として土地活用を始めたいと考えた場合、次は土地活用の基本について理解する必要があります。
この項目では、土地活用の基本的な考え方について紹介していきます。
目的に合わせた活用を心がけよう
土地活用を始めると決めた場合、自分にとっての目的、つまりゴール地点の設定が大切です。
土地活用の選択肢は非常に広く、どれも魅力的な経営上のメリットがあるため、明確なゴール地点を設定しておかないと、自分に向いている土地活用を絞り込めません。
まずは、土地活用にはどんな目的の種類や基準があるのか簡単にみていきましょう。
利益の大きさ
基準の一つとして考えられるのが土地の経営から得られる収入の大きさです。
経営方法が高収入になるかどうかを確かめる際には、単純に収入の金額を比較して考えます。
「せっかく不動産事業を始めるのだから出来れば大きく儲けたい!」と考えるのは多くの人に共通する事柄で、利益は決して軽視出来る要素ではありません。
収入がなければ経営は続きませんし、資産増加が難しくなります。
そのため、土地の経営で得られる収入の大きさは土地活用の外せない要点の一つだといえるでしょう。
利益の安定性
土地を経営して得られる利益の安定性も非常に重要です。
土地活用のデメリットである経営の赤字を避けるためにも、安定して土地から収入が得られるかどうかの問題は大切な項目といえます。せっかく資産の流出防止や増加を狙って土地活用を始めたのに、経営が赤字になってしまえば資産は逆にすり減ってしまいます。
経営の赤字という最悪の事態を防ぐ、収入の安定性はよく考えたいポイントですね。
節税対策
利益の大きさや安定性といった収入面の目的と同じぐらい重要視される土地活用の目的として、土地に掛かる税金の節税対策もよく挙げられます。
下手に土地の経営による収入を追求して大きな赤字を出してしまうよりも、確実性の高い節税目的で資産を守るという点も現実的な戦略だといえるでしょう。
そのため、土地活用の方法を選択するにあたっては、節税対策を目的とするかどうかというのも経営判断に大きく影響するポイントです。
投資金の回収の速さ
投資金が速く回収出来るか、つまり利回りの良さも土地活用の手段選択に関わります。
土地の経営による収入で、ローンも含めた投資金を素早く回収出来れば、支払わなければならない毎月の利息もすぐになくなり、手元に残るお金が増えます。
更にいえば、土地を経営した利益を借金の返済に当てる必要がなくなるため、貯蓄に回して新しい投資のための頭金を作っていくことも可能です。
短いスパンで貯蓄を殖やしていきたいのであれば、土地の経営による投資金の回収の速さはぜひとも考慮したいところです。
転用のしやすさ
万が一、その土地にまったく需要がない土地活用をしてしまった場合のリスクヘッジを考えるのであれば、転用性も活用方法選びのポイントになります。
転用性で重視されるのは建物の撤去や解体に掛かる費用の少なさで、経営の赤字に陥ってしまった場合でも他の土地活用への切り替えが行いやすいです。
その土地に求められているニーズを読むのが特に難しい場合には、いざというときに別の活用に切り替えが出来る転用性を重視するのも手です。
売却との違いは?
また、土地活用を考える上では土地を経営しない売却との違いについても抑えておきましょう
売却も広義の意味では土地活用の一つですが、建物を建てたりして事業を経営する土地活用とは性質が異なります。土地を売却するにはリスクゼロで収入を手に入れられるメリットと、土地を失ってしまうデメリットがあります。
一方で、その他の土地活用はリスクがありますが、経営によって継続的な収入を得ていくのが可能です。
ある程度の収入を手軽に手に入れたいのであれば、土地を売却してしまった方が確実性は高くなります。
しかし、継続的な収入を重視したり、土地を失いたくないのであれば、事業を経営する方向の土地活用を選ぶべきです。
土地活用の種類について
この項目では、いよいよ土地活用の具体的な例について紹介していきます。
土地でその事業を経営していく上でのメリットとデメリットの両方について解説していくので、引き続きぜひ最後までご覧ください。
アパート・マンション
メリット
アパートやマンションを建てて経営するメリットは、家賃収入によって比較的高めの収入を手に入れられる点です。
入居者を集め、定住してもらえるようになれば非常に長いスパンで安定した収入を得られます。
管理会社も豊富なことから、一定の報酬を支払えば経営の中の大家業をほとんど代行してもらうことも出来るので、副業としても無理なく行える土地活用です。
税制上の優遇効果もあるため、節税対策にも使えます。
デメリット
デメリットとしては、入居需要があるような都市部でないと中々入居者を集める事が出来ない点が挙げられます。
さらにいえば、築古の物件で無い限りは多額の初期投資が掛かるため、自己資金だけでは手が出しにくいのも難点の一つです。
戸建て賃貸
メリット
戸建て賃貸は一戸建て物件を賃貸経営する土地活用です。
一戸建て物件はアパートやマンションに比べて単価が高くなりやすく、ファミリー層などが定住する傾向が強いため、高く安定した収入を得るのが可能です。人口の多い都市部の土地だけでなく、地方の土地においても一定の需要があり、建てる土地が限定されにくい点で評価出来ます。
こちらもアパートなどの賃貸住宅と同じで、税制上の優遇措置を受けられます。
デメリット
一方、デメリットとしては入居率が100%か0%かしかないので、部屋数の多い集合住宅に比べて収入が0になる可能性が高くなる点が挙げられます。
そのため、入居者を集めるための努力は他の賃貸住宅の経営よりもシビアだといえるでしょう。
シェアハウス
メリット
シェアハウスを経営するメリットは、アパートやマンションに比べて比較的安い価格で購入出来る上に複数人の入居者を入れられるため、コストパフォーマンスに優れている点です。
また、部屋数を増やして空室率の増減を緩やかに出来るので、一戸建てのような一気に家賃収入が0になるリスクを減らせます。
デメリット
デメリットとしては、入居人同士のトラブルが非常に起きやすい点が挙げられます。
代行業者にトラブル対応を任せるようにした場合でも、トラブルが起きやすい背景から管理業者への委託料も割高になる傾向があります。
日々の管理に掛かる労力や人件費が高くついてしまう点は、管理人を雇う必要がない戸建て投資などに比べて明確な弱点です。
駐車場
メリット
駐車場を経営するメリットは比較的安価な値段で始められる点です。
また、土地に大きな建物を建てるわけではないので、別の土地活用を行う転用性にも優れています。
管理自体もあまり手間が掛からない点も嬉しいメリットです。
デメリット
経営のデメリットとしては、得られる収入が他の土地活用よりも少なくなりがちな点です。
投資費用が安価に済む点と併せてローリスク・ローリターンだと称する人もよくいます。
大きな収入を狙う方にとってはあまりオススメ出来る土地活用ではありません。
駐車場の種類
駐車場について少し深掘りすると、大きく分けて二つの種類の駐車場があります。
得られるメリットとデメリットに多少の差異があるので、予備知識として駐車場の経営の種類の違いについても押えておきましょう。
・月極式駐車場
月極式駐車場は利用者と賃貸借契約を締結して土地を貸し出す駐車場の経営です。
駐車料金を回収するための機械を設置する必要がないため、初期費用は安く済みやすく他の土地活用への転換も簡単に行えます。
ただし、料金回収用の機械を設置していない都合上、契約者以外に貸し出せないので、利用者の母数が少なくなりがちなのが問題点です。
・コインパーキング式駐車場
月極式とは違い、利用時間に応じた料金を機械によって回収する形式なのがコインパーキング式の駐車場です。
業者を呼んで機械を導入する必要があるため初期費用は高くなりがちですが、誰でも利用出来る分、収入は大きくなりやすくなります。
商業ビル
メリット
店舗やオフィスなどを入れるための事業用の物件を賃貸経営するのが商業ビルで、居住用の賃貸物件を大きく上回る家賃を得るように設定可能です。
その上で、土地に対しては賃貸住宅などのように税制上の優遇措置を受けられるので節税効果もあります。
デメリット
大きな家賃の収入が狙える一方で、初期投資は高くなりがちなのがオフィスビル経営の一番の難点だといえるでしょう。
商業ビルは事業用に大量の電力が必要になるので、その整備だけでもお金が大きく掛かります。
また、土地はともかく建物自体に対する節税効果はないので、賃貸住宅と比べた場合の節税効果は弱いです。
オフィスビル
メリット
物販や飲食などの店舗が入っている商業ビル経営と比べて、企業の事務所としての役割に特化しているのがオフィスビルです。
商業ビルなどと同様に高い賃料収入を得られるのが大きなメリットといえます。
差別点としては、商業ビルは店舗を経営する人たちを呼び込むために、人通りが多い立地である必要がありますが、事業特化のオフィスビルはその立地の限りではない点が挙げられます。
デメリット
こちらのデメリットも商業ビルの経営同様に初期投資費用が高くなりがちな点や節税効果が薄い点です。
また、人通りの多さは求められませんが、事業従事者たちのために交通の便が良い土地でないと需要が生まれにくい点も問題です。
店舗経営
メリット
収入を伸ばしていきたいのであれば店舗の経営は非常にオススメの土地活用の選択肢に入ります。
需要に応じて商品やサービスの供給量を増やしていける店舗の経営は、部屋数に限度がある賃貸の経営と比べて、青天井に売り上げを伸ばしていくのが可能です。
消費者のニーズに合わせた商品を考えられたり、収入を狙うのであれば土地活用としての店舗の経営はぜひとも検討してみるべきでしょう。
デメリット
安定性に欠けるのが店舗の経営の弱点だといえます。
収入の上限を伸ばしていけますが、どの時代どの世代でも必要とされる住居などに比べて商業用の店舗は流行廃りが非常に激しいです。
需要の減少とともに経営が赤字に陥ってしまうパターンも多々あるので、賃貸住宅以上に高い経営のセンスが求められるのは動かしがたい事実です。
また、材料費や人件費といった点で日々のコストも高く付きがちな点も悩みの種となります。
トランクルーム
メリット
トランクルームは貸し倉庫などの収納施設を貸し出して経営する土地活用です。
初期投資額の安く済みやすい点もメリットですが、人が日常的に生活する居住用物件などとは異なり管理維持に掛かる費用が安いのも経営上のポイントとなります。
初期投資の安さと経営に掛かるランニングコストの少なさから利回りも高くなりがちなので、集客が上手くいった場合、非常に速いスピードで投資金を回収するのも可能です。
デメリット
トランクルームを経営するデメリットとしては集客の難しさが挙げられます。
サービス自体の認知度が低い点に加えて、住居よりも比べて必要性が薄いので利用者を集める経営の作業が難しくなりがちです。
また、利回りが高くとも1室ごとの賃料単価は安いので、経営による儲けを拡大するためには利用者が増やす必要があり、収入の大きさに比例して情報管理の手間が増えていくのも難点です。
太陽光発電
メリット
太陽光発電の土地活用は、土地に太陽光を電気エネルギーに変換するシステムを導入して、そのエネルギーを電力会社に売却する経営の形になります。
自治体による補助制度があり、一定の発電量までは国による買い取り価格が決められているのもあって、収入が安定しやすいのが経営ポイントの一つです。
また、日光さえあれば土地の立地条件にあまり影響されないので、条件が悪く地価が安い土地でも経営を始められるという良さもあります。
デメリット
初期投資費用とシステムのメンテナンス費用が高くなりやすいのが経営上のデメリットだといえるでしょう。
導入規模にもよりますが駐車場やトランクルームなどに比べると、精密な機械を扱っている分メンテナンスの費用はかさみます。
また、近年の補助制度は売却目的ではなく自家消費向けの太陽光発電導入を対象とした制度がほとんどになっている点にも注意が必要です。
土地信託
メリット
土地信託は、土地活用のプロに土地を貸し出して代わりに活用してもらう経営の方法です。
貸し出した相手がその土地を使った事業を経営して、稼いだ収益の一部を賃料収入として得られます。
地主は土地を貸し出すだけで良いので、土地活用に頭や労力を費やす点が必要ない点は本業のある地主にとっては嬉しいポイントです。
デメリット
借主の収益から賃料が配分される都合上、借主の事業経営が上手くいかないと賃料は下がってしまいます。
そのため、月々決まった料金が入るような方式の賃料設定と比べると安定性に欠ける面があるのは否定出来ません。
また、いざその土地を自分で使いたいと考えた場合、借主に土地の立ち退き料を支払う必要も出てきます。
ちなみに、土地に掛かる税金も地主支払いのままになる点にも注意しましょう。
借地として貸し出す
メリット
土地信託と比較してこちらは借地として土地を貸し出し、地価に応じて取り決めた賃料収入を得る経営の方法です。
借主の事業の業績に左右されずに常に一定の収入が入ってくる点で安定さが光ります。
デメリット
一方で経営上の難点としては、借地として土地を貸し出した場合、土地に対する借主の権利が保証されるため、こちらの自己都合によって土地を返してもらう事が非常に難しくなります。
土地信託同様に、土地を返して貰おうとすると高い立ち退き料を要求される事態もあり得るので、今後自分で活用する気持ちがない土地に限定して貸し出すようにしましょう。
等価交換
メリット
等価交換は土地を開発業者などに渡したり、売却したりする見返りとして建てられた建物の一部の所有権を得る方法です。
利点としては、土地活用自体は開発業者が行うために自分の負担がほとんどない点が挙げられます。
そのため、リスク回避を重要視している地主にとっては非常に都合の良い土地活用の一種だといえるでしょう。
デメリット
土地の価値に見合った建物の所有権分の利益しか獲得出来ないため、自分で土地活用を一から全て取り仕切った場合に比べて得られる収入は下がります。
また、投資するだけの価値がある土地だと開発業者に判断してもらうための努力も必要なので、土地開発の初心者にとっては中々上手く利用出来ないのが難しい点です。
初期投資の負担が格段に安くなる分、それ相応の努力が求められます。
売却
メリット
売却も土地活用の一種です。
経営によって土地のポテンシャルを最大限に生かした収益を上げることは出来ませんが、経営のための投資金も必要ないため、お金を損失してしまうリスクもありません。
土地の状況にもよりますが、収益が安定するまで時間と維持費用を掛けて経営する必要のあるその他の土地活用と比べると、売却は土地が売れてしまえばすぐに現金を手にいれられます。
換金の確実性は土地の経営が必要な他の土地活用よりはるかに高いので、どうしても商機を見いだせない土地であれば売却してしまうのがもっとも安心です。
デメリット
現在の状況での土地の価格分だけの収入しか獲得出来ないのが問題といえるでしょう。
土地活用によってその土地に秘められていた力を引き出せられれば、売却で得られた臨時的な収入や固定資産税で流出する支出を上回る収入を上げていくのが可能です。
安易な土地活用は戒めるべきですが、本来得られたはずの収入を失わないために安易な売却も決して行ってはいけません。
【詳解】属性別おすすめ土地活用
土地活用の種類は本当に多岐に渡るため、どのような経営を行っていこうか悩みがちです。
そこで、この項目では目的や土地の特性などの属性別におすすめの土地活用について紹介していきます。
転用性
トランクルーム
転用のしやすさを重視している場合、トランクルーム経営が適しています。
特に、土地に設置された運搬用コンテナを収納スペースとして経営する屋外型のトランクルームであれば、土地に手を加える必要がほとんどありません。
コンテナを撤去してしまえばすぐに他の活用に土地を転用できます。
駐車場
駐車場の経営も、建物の建築が必要な立体駐車場や設備の導入が必要な機械式駐車場を避けて、大規模な工事の必要のない平面式駐車場を建てれば転用性が高くなります。
初めから大規模で高性能な駐車場を土地に建てるのではなく、簡素な駐車場を一度建ててみて、土地の駐車場需要を確かめてみるのも一つの手です。
地域性
アパート・マンション
人口が集中している都市部やベッドタウンにある土地ならば、アパートやマンションを経営するのに適しています。
少子高齢化が進んでいる日本であっても、都市部の土地は人口の流入が多く、根強い賃貸需要が存在しているのです。
そして、都市部は土地の地価が高めなので、土地が狭くても階層を増やして部屋数を多く確保できる点も、アパートやマンションが他の土地活用よりも優れている点だといえます。
戸建て賃貸住宅
都市部やベットタウンではない田舎などの地方の土地であれば、戸建て賃貸住宅の経営も選択肢に入るでしょう。
戸建て賃貸住宅の経営は、個人だけでなくファミリー層にも需要が大きいため、地方の土地でも一定の需要が確保できます。
ただし、投資額は大きくなりやすいので、賃貸住宅を建てる場合は必ずその土地の住宅ニーズを調査してから、土地の活用に乗り出していくべきです。
売却
土地活用を検討してみた結果、どうしても経営の期待が持てなくなる土地も中にはあるでしょう。
特に思い入れがない土地の場合は、土地の経営ではなく売却に踏み切ってしまうのも有効な手段です。
土地の経営による収益化が難しい以上、土地の固定資産税を減らして資産の目減りを確実に防止するのも立派な土地活用だといえます。
初期投資額の少なさ
築古賃貸住宅
賃貸需要がありそうにも関わらず、手元に新築や中古の賃貸住宅を購入する元手がないといった場合には、建てられてから数十年が経過した築古賃貸住宅の購入が選択肢に入ります。
リフォームはほぼ必須ですが、不動産を入手するための初期投資を数倍以上下げられます。
ただし、経営上のデメリットとして、新築以上に入居者の募集が難しいのは覚えておきましょう。
駐車場
必要機器の設置以外、駐車場として整備する必要がない土地ならば、専門業者と契約して負担なしで駐車場を開くことが可能です。
共同経営といった形になるので、個人で経営している時よりも収入は減りますが、運営の手間はかなり減らせます。
契約期間も半年から2年ほどの短期で組めるので、早期撤退が判断できるのも魅力的です。
店舗経営
一から店を建てるとなると初期投資はかなり大きくなりますが、一度は店として使われていた居抜き物件であれば、安く家具や設備付きの物件を手に入れられます。
店舗経営の初期費用の多くは設備投資なので、自分が考える商売を始められる居抜き物件があれば、格安で店舗経営を開業可能です。
節税対策
賃貸住宅
節税目的であるならば、賃貸住宅全般を第一候補とすべきでしょう。
賃貸住宅が建てられている場合、土地の固定資産税は最大で6分の1、都市計画税は3分の1にまで軽減することが可能です。
地価の高い傾向にある都市部ほど節税効果の恩恵は大きくなります。
【収益別】土地活用比較
属性別の土地活用の方向性が分かった段階で、次に収益に焦点を当てた土地活用について紹介していきます。
収益をあげることは経営を続けるためにも、資産を増やすためにも非常に有効なので、ぜひとも重要視していきたい部分です。
収益の安定性
アパート
土地からの収益の安定性を重視するのであれば、一定の需要が必ず存在する賃貸アパートの経営を選択肢に入れましょう。
人にとって住む場所は必須なので、賃貸需要は大小の差はあっても様々な土地に存在します。
もちろんその土地にあった経営を考える必要はありますが、確かな需要が存在する点はアパート経営の強みです。
マンション
アパート経営と同じく、マンション経営も安定した収益をあげやすい土地活用です。
小規模なアパートとは違い、大規模な建築となるマンションは初期投資こそ高くなりますが、住民同士のトラブルが少ないため、入居者に安定して居着いてもらえる可能性が高くなります。
確かな需要がある点はやはり賃貸住宅経営の大きな特性です。
太陽光発電
電気会社に国が定めた金額で電力買い取ってもらえる太陽光発電も収入が安定しやすいです。
天候によって月々の発電量が上下する可能性もありますが、長い目で見れば発電量は安定した数値を示します。
人通りが少なく条件が悪い土地でも収益化を図れる利点があるので、土地活用に困るような土地の活用先としても太陽光発電は適しています。
収益の期待性
戸建て賃貸経営
戸建て賃貸経営は高めの家賃が期待できる上に、集合住宅と比べて管理人を雇う必要もないため支出も抑えられます。
住民同士のトラブルも発生しにくく、ファミリー層には長期間定住してもらえる可能性が高いので、全体的に大きな家賃も期待できます。入居者となるターゲット層が集合住宅よりも広いので、都市部に限らずとも経営可能な点も大きなメリットです。
ただし、空室率が0%か100%の極端な数値になるのには注意しましょう。
店舗経営
収益を重視した土地活用の戦略を考えるのであれば、店舗経営は外せません。
駐車場は住宅などの経営は、部屋数や駐車場所の関係で出せる利益に上限があります。
しかし、店舗経営は人気店ともなれば収入は青天井に上がっていくのです。住宅経営に比べれば流行り廃りが速いため、赤字経営を招く可能性もより高くなります。
流行の先読みや素早い撤退判断、業種によっては開業のための資格などの多くの能力が求められる点は覚えておきましょう。
オフィスビル
周辺状況によって需要が大きく変化しやすいオフィスビルは、借主を集める難しさがありますが、住宅の経営に比べて高い家賃を得られます。
事務所として企業や事業者に貸し出すオフィスビルは長期間の貸し出しとなる傾向にあるため、しっかりと需要のある土地に建てることが出来れば、安定した収益を見込みやすいのもポイントになります。
商業ビル
商業ビルもオフィスビル同様に高い家賃を設定できます。
オフィスビルに比べた場合、需要に応じて事業所以外の役割も持てるため、建設に適した土地が限定されにくいのが大きなメリットです。
土地が限定されにくい分、呼び込むテナントや立地の条件によって得られる収入が大きく上下するので、慎重な見極めが大切となっていきます。
土地活用の流れについて
いままで土地活用の様々な例について紹介してきました。土地活用の代表的な例についてある程度理解したところで、今度は土地活用を始めるまでの実際の流れについてみていきましょう。
土地活用の目的を決める
土地活用でもっとも重視すべきは自分の目的となるゴール地点を定めることです。
高い土地代を節税したいのか、収入を狙いたいのか、土地活用の流れを掴むために最低限損をしない安定度重視の土地活用を行いたいのか。土地活用の種類が非常に幅広い分、何かしらの経営基準を定めておかないと悩んで中々決めきれません。
また、自分の中である程度の考えをまとめておかないと、土地活用について相談しに行く際に、相談先の都合によって土地活用先を誘導されてしまう危険もあります。
土地活用は自分の目的を達成するための手段でしかないので、まずは自分の目指すべき目的を設定しましょう。
初めに相談する先は?
自身の経営の指針が仮決めされたら、次は専門家への相談を行っていくのが良い選択肢です。
専門家への相談が直接の収入に繋がるとは限りませんが、知識があれば防げる損失など、有用な助言を得られます。
対策可能なミスを減らす意味でも専門家の力を借りるのは、まったく不思議なことではありません。
・ファイナンシャルプランナー
収支の管理などの金銭的な知識に対する相談であれば、ファイナンシャルプランナーが相談候補に挙がります。
彼らは土地活用に関する知識は保証されているわけではないため、詳しい活用の進め方についての内容は専門外です。
しかし、どれくらいの収支になるのか、経営を進めていく上で必要な収支に関する助言が得られるので、収入重視で土地活用をしたい方にとっては大きなヒントになります。
・税理士
土地活用の詳しい流れを知っている専門家ではありませんが、一連の流れで動いていくお金に関わる税金や、節税効果の大小に関する詳しい知識を持っています。
節税を重視した土地活用を行いたいのであれば、まず頼りにすべき相談先だといえるでしょう。
また、節税重視の土地活用でなくでも、事業を経営していく上で税金の問題は切り離せないので、活用相談を通して信頼できる税理士と顔つなぎをしておくことも大切です。
・銀行
実は銀行などの金融機関は、融資の相談だけではなく土地活用の相談も受け付けている場合があります。
特に融資を受けて土地活用を始めていきたいと考えるのであれば、融資を受けられそうかという打診も兼ねて相談に赴いてみましょう。
土地活用の専門家へ相談をする
土地の経営方針が固まってきたら、次は決めた方針を元に土地活用の専門家への相談を行っていきます。
リップサービスには注意が必要ですが、専門家の蓄積された情報を上手く利用できれば、経営の成功に大きく役立ちます。
ハウスメーカー
小中規模のアパートやマンションなど、居住用物件を経営する場合はハウスメーカーが相談先です。
ハウスメーカーは規格化された家を購入する形となるため、詳しい設計知識がなくともあまり悩む必要がありません。既に用意された仕様やパターンから家をデザインしていけます。
ただし、宣伝費や営業活動費に多くのお金を掛けているため工事費は高くなりがちです。
工務店・設計事務所
細部までこだわったオリジナルの住宅の設計を行っていきたい場合は、自由度の大きい工務店や設計事務所を利用すると良いでしょう。
こちらも小中規模の住宅を建てる際の相談先に選ばれるケースが多いです。
難点としては、事業者によって品質や技術力の大きな格差があり、信用できる相談先を見つける難しさが挙げられます。
ゼネコン
大規模な住宅を経営したい場合には、ハウスメーカーや工務店などよりもゼネコンが相談候補に挙げられます。
ゼネコンはマンションだけでなくビルやテーマパークなど大規模な工事を得意としていて経験や実績の面で信頼可能です。入居者の多くも建物の強度に対する心配をあまりしなくても済むので集客に有利に働きます。
ただし、工事費は一番高くつきやすく、大規模な建設を依頼するのでない限り、頼るケースがほとんどないことは覚えておきましょう。
不動産事務所
借地として土地を貸し出したり、売却を検討しているのであれば不動産会社が主な相談先になります。
他の相談先を選ぶ際のポイントにもなりますが、相談先は出来るだけ複数の相手に相談をしておくと業者の善し悪しが比較可能です。
自らの経営の目的に一番合致した相談先や信頼出来る相談先を探すことを怠ってはいけません。
その他の専門業者
コインランドリーや太陽光発電、トランクルームといった土地の経営を考えているのであれば、施設専門の業者を頼るのが最も手間が少ないです。
土地活用全般に強い不動産業者に業者を仲介して貰う手もありますが、仲介費用が余分に掛かるのが少し難点です。
しかし、信用のおける専門業者を選んでもらえる利点もあるので、信頼できる不動産業者があれば力を借りるのも良いでしょう。
土地活用の計画を立てる
経営の方針に即した相談先を見つけられたら、自らの要望を伝えてプランの作成を依頼しましょう。
この際、測量図などの土地の情報に関わる種類が必要とされてくるので、事前に必要種類となる書類を相談先に問い合わせておくとスムーズに話が進みます。
複数社にプランを作成して貰い、最も納得できるプランを選びましょう。
融資を受ける
自己資金だけで土地活用の総費用を賄い切れない場合には、銀行からの融資を受けて経営を進めていく必要があります。
融資を受ける際には、本人の経済状況が検査される他、事業計画書など多くの書類が必要です。
事前の仮審査も実施されているので、融資を受ける予定がある場合は金融機関に融資相談を行いに行きましょう。
建物の工事を依頼する
融資が決まれば、次は建物の工事会社と工事請負契約を結びます。
工事費の支払いのタイミングは、全ての工事が完了した段階ではなく、契約時や工事の着工時、棟上げ、竣工のタイミングなどで分割して支払うのが基本です。
そのため、常に手元にある資金には余裕を持たせるべきです。
銀行融資は工事終了後の建物の引き渡し時に下りますが、途中の支払いが苦しければ事前に融資を下ろす
「つなぎ融資」も行われているので、必要に応じて利用していきましょう。
集客活動を行う
経営していく上で、顧客を必要とするのであれば工事の作業と平行して集客活動を行っていかなければいけません。
アパートの経営をするのであれば、建物だけが完成していても、入居者が入るまでは家賃の収入が得られないのです。収入に繋がる顧客が集まるまでの期間が長ければ長いほど、経営の赤字状態は続きます。
その事態を避けるためにも、集客活動は建物の工事中から平行して行う必要があるのです。
竣工
建物の竣工が終われば、業者に残りの代金を支払い建物を引き渡して貰います。
本格的な土地の経営が始まっていくので、より一層心を引き締めていきましょう。土地活用の多くは、地主本人が直接働きに出て稼ぐ訳ではありませんがれっきとした事業の一つです。
経営する者としての自覚を持って臨みましょう。
土地活用を成功させる秘訣は?
最後の項目では、土地活用で失敗を防ぐための秘訣を解説していきます。
安易な土地活用を行い、誤った経営に陥ってしまわないように気を付けていきましょう。
複数の業者に相談をする
土地活用を成功に導くためには、専門家に相談に乗って貰うことが大きな近道になります。
しかし、一つの相談先に全てを委ねるのは危険です。信頼できる相談先があれば別ですが、相場以上の料金を取られたり、相手側にとって都合の良いプランに誘導されてしまう可能性は否定できません。
不利な条件で話が進められるのを避けるためにも、相談先は複数置くようにすべきです。
市場調査は綿密に行うこと
売却以外の土地活用を進める場合、その土地と地域に求められている需要の調査は欠かせません。
土地に収入に繋がらない建物を建ててしまうと、せっかく資産を増やそうと土地活用を始めたのにも関わらず、経営の赤字によって資産が減っていってしまいます。
その事態を防ぐためにも、その土地に求められている需要を調査して、市場に適した活用を行っていきましょう。
目的に沿った土地活用を選択すること
収入を重視するのも大事ですが、自分の目的を達成するための手段として土地活用を選ぶも大切です。
何があっても損失を避けたいのであれば、無理に経営をせずに土地を売却してしまった方が安全なケースも多々あります。土地活用自体が目的になってしまっていると、自分にとっての本当の利益には繋がりません。
あくまでも、土地の活用方法は自身の目的のもとに選択していきましょう。
収支計画を立てておくこと
土地の経営を始めるとなると、初期投資だけでなく、建物や機械を維持したり管理していくための費用が掛かります。
経営の資金を枯渇させてしまわないためにも、収入だけでなく出て行く予定のお金はしっかりと把握しておかなければいけません。
適切な収支計画を事前に作成しておくことで予想外の経営支出を減らせます。
経営で出て行ってしまうお金を把握して、万全な準備を整えておくべきです。
万が一の撤退も考慮する
完璧に対策を整えていたとしても、土地の経営が必ず上手くいく訳ではありません。
その土地の需要変化などの不確定要素がある以上、非常に残念なことですが経営が失敗してしまうこともあり得ます。
経営の改善が難しければ、活用方法の転換や売却も視野に入れていきましょう。
いったん投資をした手前、せめて投資分だけでも取り戻したいと考える経営者の方も多いですが、迅速な撤退が我が身を助けます。
まとめ
今回の記事では、土地活用の様々な種類とポイントを解説してきました。
選択肢が豊富な分、適切な土地活用を選ぶためには、経営者が目的を設定することが必要不可欠です。
ぜひ、目的に即した土地活用を行って自分のゴールを目指しましょう。
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※当コラムはあくまで個人的な見解に基づくもので、内容についてはご利用者様自身の責任においてご判断ください。