アパート建築の会社・情報コラムコラム

アパートの構造から最適な物件の選び方を解説!

2020.07.31

アパートには木造、鉄骨造、RC造といった建築構造によってその性質に差があるのはご存じでしょうか。
この記事では構造ごとの特徴と、構造によるメリット、デメリットを解説いたします。

貸主側は構造によってどんな人がターゲットになるのか、借主側はどんなアパートを選ぶと自身のイメージに近い住まいが見つけられるのかもお伝えいたします。

アパート・マンションの構造の種類

アパート・マンションの構造には以下のような種類があります。

・木造(W造)
・鉄骨造(S造)
・鉄筋コンクリート造(RC造)
・鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)

各構造それぞれにメリット・デメリットがありますので、その特徴とともにご紹介します。

木造(W造)

木造とは、言葉の通り壁や柱、土台などの建物の基礎部分が木材によって作られている構造で、Woodの頭文字をとってW造と呼ばれることもあります。

日本ではいまだに多くの家屋が木造住宅となっており、「平成30年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計(総務省)」によると、一戸建てでは9割以上を木造建築が占めるとあります。

建材には杉や桧が使われることが多く、木の香りがする温かみのある空間を作ることができるのが特徴です。

メリット

住宅として木造建築が選ばれるのは、やはりメリットの部分が大きいからでしょう。

コストが安い

木造は建材に木を使用する分、鉄骨やコンクリートよりも軽くなるために基礎工事にそれほど手間がかからない傾向にあります。
また、鉄骨作りでは必須となる耐火、防錆処理が必要なかったりと、下処理の工程を短くすることができる為に費用を安く抑えることが可能です。

調湿効果がある

また木材は呼吸をしており、家の中が乾燥している時は木材が含んでいた水分を空気中に放出、逆に湿度が高い時は木材が空気中の水分を吸収してくれるおかげで湿気を和らげることができます。
快適に過ごしやすいだけでなく、調湿効果があるおかげで冬場の結露や梅雨時のカビなどを抑制することも可能です。

木材をあえて見せるような作りにすることで家の中に自然が生まれ、落ち着いた空間を演出することもできるのが木造の魅力でありメリットです。

デメリット

耐久性

逆にデメリットとなる部分は、その他の構造に比べると耐久性に劣るという点です。特に地震や台風の被害が多い日本では、RC造やSRC造に比べるとどうしても耐震性や強度に劣る木造は被害が大きくなる可能性が否めません。

もちろん、技術の進歩によって木造でも鉄骨やRC造に匹敵するような耐久性を持たせることも可能ですが、全体でみると割合はそこまで多くないでしょう。

燃えやすさ

また木材ですので燃えやすいという点はデメリットの一つでしょう。
ただし建材に使われる太い木は、中まで火が通り、完全に炭化するまでにはそれなりに時間を要しますので、木造建築で火事になったとしても逃げるための動線は確保されるような作りになっているでしょう。

シロアリ・害虫被害

そしてデメリットとして避けて通れないのがシロアリなどの害虫による被害です。定期的に防蟻処理や害虫駆除を施すなどのメンテナンスが必要で、これを怠ると建物の基礎など重要な部分にダメージが出る可能性もあります。

木造のまとめ

木造はコストを抑えつつも快適な住環境にできるという事で、2~3階建てまでのアパートで広く取り入れられています。

建築にかかるコストを抑えられるため、家賃を下げても利回りを確保しやすいという点では非常に優れていますが、コンクリートを入れる建物に比べて遮音性が低かったり、強度が落ちるのも事実です。

アパート建設においては木造で作れる範囲が決まっていますので、よく検討して選ぶ必要があります。

鉄骨造(S造)

建物の骨組みに鋼材を使った構造を鉄骨造と言い、Steelの頭文字をとってS造と呼ばれたりもします。
また骨組みに使われる鋼材の厚みが6mm以下のものは「軽量鉄骨造」、6mm以上のものは「重量鉄骨造」と呼ばれます。

メリット

軽量鉄骨、重量鉄骨でメリットは変わります。
大まかに大別すると、
・軽量鉄骨はコストダウン、工期の短縮
・重量鉄骨は頑丈
となります。

軽量鉄骨のメリット

軽量鉄骨は軽い分、地盤改良や基礎にそこまで手間をかける必要がありません。
その分高階層の建物を建てる事は出来ませんが、2~3階建てのアパートであれば工期を短くすることができるので全体のコストを抑えられる事が軽量鉄骨のメリットです。

また木造に比べて耐震性も上げやすく、比較的頑丈な作りにできる事もメリットの1つでしょう。

重量鉄骨のメリット

重量鉄骨は骨組みが頑丈になりますので、木造や軽量鉄骨と比べて家を支えるための柱の数を減らすことが可能です。
その為間取りに自由が生まれやすく、開放的で凝った内装を施すことが可能になります。

また軽量鉄骨ではできなかった高階層のビルやマンションの建設も可能です。
軽量鉄骨よりもより耐震性、耐久性が高いのが特徴です。

デメリット

もちろん鉄骨造にもデメリットは存在します。
どちらにも共通してみられるデメリットとしては
・結露が発生しやすく、建材への防錆処理が必須
・鉄の性質として夏は暑く、冬は寒くなりやすい
という点が挙げられます。

特に木と違って建材自体に調湿機能が備わっているわけではないので、室内にいると暑い、寒いという感覚を強く感じられる方もいるかもしれません。

軽量鉄骨のデメリット

軽量鉄骨独自のデメリットとしては耐火性が高くないという点です。

薄い鉄になるので火災の熱よにって強度が落ちやすく、規模の大きな火災になると倒壊、また崩れなくても強度が落ちてしまい人が住めなくなるという可能性も考えられます。

重量鉄骨のデメリット

重量鉄骨のデメリットとしては、建物全体が重くなりがちですので地盤改良や基礎工事が必須であること、また鋼材の単価が高くなりがちですので、全体的な建築コストが高くなってしまうのがデメリットといえるでしょう。

鉄筋コンクリート造(RC造)

鉄筋コンクリート造(RC造)は鉄筋で組まれた型枠にコンクリートを流し込んで建物を作っていきます。
重量鉄骨同様高階層のビルやマンションなどに利用される事が多く、耐震性、耐久性ともに非常に高いのが特徴です。

メリット

耐震性、耐久性が高い

鉄筋コンクリートは鉄筋を組んだ枠にコンクリートを流し込んで作ります。
鉄筋はその特徴として引っ張られる力に強く、コンクリートは圧縮される力に強い為、両方の特徴をうまく取り入れることで堅牢な構造となっています。

断熱性が高い

コンクリートは断熱性が高くまた建物に隙間が生まれづらい構造の為、夏の暑さや冬の寒さが直接部屋に影響を及ぼしづらく、また冷暖房の効率が上がる為に電気代の節約などにも一役買うことができます。

遮音性が高い

コンクリートが周囲の音を遮る為、街の喧騒や車の通行音、上下階の足音や生活音なども聞こえづらくなります。
ファミリー向けでは赤ちゃんが泣いたり子供が家の中を走り回ったりと、何かと音を立てがちですので遮音性の高さは特に喜ばれるポイントでもあります。

デメリット

建築コストがかかる

鉄筋コンクリート造(RC造)では、その重量の為に地盤改良、基礎工事が必要になるケースが少なくありません。
その分工期と、コストが膨らみがちです。

アパート投資においてはニーズを選んで立てないと利回りの確保が難しくなる場合もありますので注意が必要です。

結露がある

鉄筋コンクリート造(RC造)はその気密性の高さから、結露が発生しやすいというデメリットも存在します。
結露防止のためにRC造では換気システムが建物に組み込まれる場合もありますが、こちらもその分コストがかかってしまいます。

鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)

鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)は鉄骨造とRC造の両方の特性を併せ持った構造で。鉄骨で作った骨組みの周りに鉄筋を配置し、さらにコンクリートを流してこんで固めますので耐震、耐久、耐火性に優れた構造となります。

メリット

頑丈

鉄骨造のデメリットであった錆びやすさや耐火性の低さをコンクリートで覆う事で解決したSRC造はRC造と比べてもはるかに頑丈です。

間取りの自由さ

SRC造では建材そのものが堅牢な作りとなっているので、柱のダウンサイジング、また柱を減らすことで居住空間を広く、比較的自由な形に作ることが可能です。

デメリット

コストが高い

RC造に比べてさらに工法が複雑になるので、工期が長くかかるうえに、建物自体の重量も重いので地盤改良や基礎工事が必要となる場合が多いです。
使う部材も多いので木造、鉄骨造、RC造と比べてもっとも建築費用が高くなってしまいます。

その為家賃を上げざるを得なく、しっかりとニーズを抑えて戦略を立てないと回収が難しくなる可能性があります。

自分にあった構造のアパートはどれ?

アパートの構造には様々な種類と特徴がありますが、借主のニーズを満たすためにはどのように考えて構造を決めればよいのでしょうか。

ユーザーニーズの例を見ながら最適な構造を考えてみます。

安めの物件を探すなら

相場でいうと物件の価格は
・SRC造>RC造>鉄骨造>木造
となります。

したがって安い物件となると木造もしくは軽量鉄骨造が理想的となります。
物件価格が安ければその分家賃を下げることもでき、大学生や新社会人向けとして一定のニーズを獲得することが可能でしょう。

とはいえ耐震性や耐久性の面もありますので、安いからという理由だけで物件を探すと後の修繕費やリフォーム代で思わぬ出費が、という事にもなりかねませんので注意が必要です。

遮音性の高い物件を探すなら

遮音性の高い物件であれば
・SRC造>RC造>鉄骨=木造
構造だけでみると上記のようなイメージです。

鉄骨と木造では鉄骨の方が若干マシに思える程度で隣家の生活音などは聞こえてしまう場合が多いでしょう。

構造だけでなく工法をどうするかによっても遮音性は変化しますが、アパートでできるだけ遮音性が高い物件を探しているのであればRC造あたりを探すのがベストでしょう。

なおRC造となると4、5階建て以上のマンションがメインとなってくるので、いわゆるアパート(2、3階建て)でとなると構造よりも断熱材の厚さや部屋の間取りによる遮音性を考えたほうが良いでしょう。

高層階に住みたいなら

こちらもマンションになりますが、高階層の建設に向いている構造は
・重量鉄骨造
・RC造
・SRC造

あたりで、特に重量鉄骨造はRC造などよりも重量を抑えたうえで階層を多く作れますので、10階建て以上といったマンションでは多く使われています。

RC造でも重量を軽減するために上階層はコンクリートを流し込まないといった場合もあるので、高層のマンションでも色々と建築の方法があります。

災害に強い物件を探すなら

災害への強さは建物の頑丈さに起因しますので、
・SRC造>RC造>鉄骨造>木造
の順で強くなります。

こう見ると鉄骨造や木造は災害時に弱いのかと思われるかもしれませんが、阪神淡路大震災の際に鉄骨造の建物は倒壊がなかったという話もあります。

また木造でも一部に鉄骨を組み合わせて非常に堅牢な作りを実現している構造もあったりしますので、決して鉄骨、木造が弱いという話でないことは誤解しないように注意が必要です。

まとめ

この記事ではアパートの構造について、その特徴とメリット・デメリット、また各ニーズ向けにどういった構造が良いのかをまとめさせていただきました。

アパートは構造によって使う部材や工期が違い、それによって建築費も大きく変わってきます。

アパート投資として考えるときにどういった作りにするかは、その土地でどういったニーズがあるのかによっても最適解が違いますので、不動産会社などとよく打ち合わせを行いながら進めていく必要がありそうですね。

アパートの建築・購入には大きな出費が伴いますので、いざ立て始めた時に思っていたのと違った!とならないように十分注意しながら進めていきましょう。

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※当コラムはあくまで個人的な見解に基づくもので、内容についてはご利用者様自身の責任においてご判断ください。

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